投稿日 : 2010/01/05 12:50 投稿者 : ゆうり これはハプニングの3年後の話である。 尚美は今日が結婚式なのだ。 ウエディングドレスに身を包んでいるがお腹は膨らんでいる。 そして今はトイレにいた。 シャー 「え!?っつう!?予定日はまだ一か月あるのに・・・っつたああ!?」 尚美はまだ臨月ではないが赤ちゃんが大きくなりすぎたため、尿のようにちょろちょろとの羊水が流れ始めた。 尚美は子宮口を確認した。 「もう少し開いているし!!」 すでに尚美は子宮口は指一本分開いていた。 しかし今日は結婚式のため、中止もしたくないため、お色直しの部屋に行き、尚美は痛め止めを飲んだ。 少しづつ痛みがおさまってきた。 そして結婚式が始まった。 投稿日 : 2010 01/06 21:11 投稿者 : 無明 そして結婚式は滞り無く終了し、その後病院へ行ったところ、垂れてきたのは羊水ではないと説明された。 「なぁんだ。、ただの思い過ごしだったのね…よかった…」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2ヵ月後。 夫は3日間の出張で明日帰ることになっており、息子はお泊り会で家にいない。 そんなある日のことだった。 予定日をかなりオーバーしていても計算を間違えたとしか思っていない尚美は、家事を普通に済ませ、風呂場でシャワーを浴びていた。 「今日はなんだか朝から腰がだるかったけど、だいじょうぶだよね。ね、赤ちゃんたち。」 彼女はお腹を撫でながらつぶやいた。 投稿日 : 2010 01/06 22:12 投稿者 : ゆうり お風呂から出てきたときだった。 「っつう!きったぁあああああ!?」 尚美は突然強い陣痛が襲ってきたためしゃがみこんでしまった。 「はぁはぁ、やっと陣痛が来たのね。」 陣痛がおさまると仰向けになり、お腹をさすった。 「ったぁぁあ!?」 そしてすぐにまた陣痛が襲う。 お腹もすでにカチカチに硬くなっていた。 陣痛の合間に裸のままだが、壁を支えにしてリビングにいった。 そして病院に電話をしようとしたときだった。 投稿日 : 2010 01/06 22:53 投稿者 : 無明 「あ~っ!痛ぁ~!」 立ち上がったときに重力で胎児が降りてきてしまい、、足の付根に激痛が走った。 さらに悪いことにいきみたくなってしまい、そのままいきんでしまったのだ。 子宮口もほとんど開いていないため、いきむだけ無駄であった。 その時に電話しようと言うことをすっかり忘れてしまい、一人で陣痛に耐えるはめになった。 投稿日 : 2010 01/06 23:49 投稿者 : ゆうり 尚美は陣痛の合間で子宮口を確認した。 「え!?」 子宮口はまだ指一本分くらいしか開いていないが指を子宮口に入れると、指に何かあたったのだ。 赤ちゃんがすでにしたまで降りてきているのだ。 「はぁはぁ、いったぁあああ!」 どんどん陣痛が酷くなっていくが、子宮口はなかなか開かなかった。 投稿日 : 2010 01/09 18:18 投稿者 : 無明 「あぁ~!!ぎゃ~~!!」 降りてきた赤ちゃんが開いていない子宮口を圧迫し、激痛が走る。 ------------------------------------ 20分後、不意に陣痛が弱まったが、その弱まった陣痛がかえって体力を消耗させていた。 どうやら双子を宿したことで子宮が伸びきっていたようだ。 「あぁ~っ…はぁぁ~…」 全身は汗ビッショリになり、意識も朦朧としていた。 投稿日 : 2010 01/09 19:02 投稿者 : ゆうり はぁはぁ、ぎあぁぁぁ?!?」 尚美は陣痛が強くなったため、意識が戻った。 「はぁ、はぁ、んぎゃあぁぁぁ!!」 尚美はいつまでたっても子宮口が広くならないため自分で広げようと思い、子宮口に指を入れ、子宮口を押し広げようとして動かした。 投稿日 : 2010 01/11 14:06 投稿者 : 無明 しかし、手の力程度で開くほど子宮口は柔らかくなってはおらず、無駄に手の力を使っただけだった。 「死んじゃう~!あ゛ぁぁ~~!!」 さらに陣痛が強くなり、尚美はますます苦しむ。 おまけに赤ちゃんが動き、苦しみをさらに増していた。 そして2時間後、ようやく子宮口が開き始めた。 だが、全開ではないため、いきんでも苦しいだけだったが、尚美はそのことを知らなかった。 「ふぅぅぅぅん~~~~っ!!はぁ、はぁ、はあっ………ぎっ!……」 それに、小柄な尚美にとってこの出産は命がけになるだろう。 なぜならば双子は両方共6キロ近い超巨大児で、逆子なのだから。 投稿日 : 2009 07/05 11:04 投稿者 : 由奈 さらに数時間がたつと尚美の子宮口から赤ちゃんの片足が見え隠れし始めた。 しかし子宮口はまだ全開ではなく、赤ちゃんの足がやっとでれるかでれないかぐらいだった。 「んぐぅぅぅぅぅ?!!はぁはぁ・・・ぃったぁぁぁ!」 赤ちゃんも狭い産道が苦しいのかお腹の中で暴れだした。 投稿日 : 2010 01/11 19:49 投稿者 : ゆうり 「え……なにこれ…いたぁああ!」 まだ破水していないため、羊膜に包まれたままである赤ちゃんの片足に触れ、一瞬尚美は驚いたが、すぐに来た陣痛により再びいきみたくなった。 そしていきんだ時に羊膜がふくらんだことに気づき、まだ破水していないことがわかった。 「なんとか……しなきゃ……ふぅんんんッ…………」 いき見ながら羊膜に指を突き立てるが、ありえないほど強靭な羊膜は爪を切ったばかりの尚美の指では穴をあけることはできなかった。 おまけに巨大児である赤ちゃんが産道の途中で引っかかっているので、次の赤ちゃんが全く動けないまま、陣痛が強まっているのだ。 投稿日 : 2010 01/15 23:01 投稿者 : 無明 「はぁはぁ・・・。」 尚美は出産がなかなか進まず尚美の体力を少しづつ奪っていく。 そして子宮口が全開になったのは真夜中だった。 そのころには尚美の体力は限界に近かった。 投稿日 : 2010 01/17 08:38 投稿者 : ありす 「ただいまー」 身重な妻を心配して仕事を急いで終わらせた夫が夜中に帰ってきた。 投稿日 : 2010 01/17 21:26 投稿者 : ゆうり 「ゆ、ぅゆぅ・・すけぇ…!?」 尚美は弱弱し夫の名前を呼んだ。 「な、尚美!!大丈夫か!?」 夫は慌てて尚美に近づいた。 「ぁ、赤ちゃんはぁ・・・?」 尚美は赤ちゃんのことが気になり夫に聞いた。 投稿日 : 2010 01/18 22:27 投稿者 : 無明 「まだ、出てきてない。そろそろ救急車を…」 夫は慌てながら言った。 しかし、夫の携帯の電源は切れ、家の電話は受話器のコードが切れていたのだった。 夫は車の用意をし、病院へ向かおうとした。 ----------------------------------- 「んんぅ~~~っ!!はぁ、はあ、はぁ……」 「しっかりするんだ、もうすぐ着くはずだから!」 尚美に服を着せ、一路病院へと向かっていたが持ちそうにない。 このままでは車内で産まれてしまうかもしれない。 投稿日 : 2010 02/09 17:40 投稿者 : 無明 バチャッと音がしたので雄輔が振り向くと、尚美が破水していたのだ。 股間からは赤ちゃんの片足が覗いている。 見かねて車を路肩に止めた。 投稿日 : 2010 02/09 23:37 投稿者 : ゆうり 「な、何やってるの!?早く病院に!」 尚美は何より病院につきたかったため、言った。 尚美自身もさすが巨大児は危ないと思ったし三年前のこともあったからだ。 夫は尚美怒鳴られ、慌ててまた車を発進させた。 投稿日 : 2010 06/07 22:06 投稿者 : 無明 そして夫は猛スピードで車を走らせたが、路面の状態が悪く何回も揺れてしまう。 そのたびに胎児が降りてこようともがき、尚美はさらに苦しんだ。 おまけに周りの道はどこもかしこも大渋滞で、とても進めるような状況ではなかった。 夫が頭を抱えている間も尚美はいきみを繰り返している。 投稿日 : 2010 06/07 23:23 投稿者 : ゆうり 病院まであと半分もあるのに赤ん坊の肩までは出てきていた。 「尚美、だいじょうぶか?」 信号の合間に尚美の様子を見た夫が驚いて言った。 「はぁはぁ、あとは・・・頭だけ。」 尚美は赤ちゃんを引っ張りだそうとした。 投稿日 : 2010 06/08 00:13 投稿者 : 無明 「うう…ぐぐ……ああああああああああああああああ!!!!」 周りの道全体に聞こえるのではないかと思うほどの絶叫とともに、尚美は第一子を引っ張り出した。 とても、とても大きな女の子だった。 車内に産声が響き、夫は安堵と、間に合わなかったという後悔の気持ちが入り交じった顔を見せた。 だが尚美の胎内にはまだ第2子が残っている。 間に合わせようとアクセルを踏んだ夫に、尚美がとんでもないことを言い出した。 「この子産んだら、陣痛が収まっちゃった……」 投稿日 : 2010 06/08 00:20 投稿者 : ゆうり 「今のうちに病院にくぞ!」 夫は慌ててまたアクセルを踏んだ。 しばらくしてまた陣痛が徐々にやってっきた。 「ふぅぅぅぅ?。」 尚美はゆっくり息を吐いて陣痛を逃す。 投稿日 : 2010 06/08 22:35 投稿者 : 無明 「ひぃ、ひぃ、ふぅぅぅ~……んんっ……」 呼吸法で陣痛を逃していたが、ついに耐えられなくなりいきみ始めた。 「大丈夫か?」 夫は不安げに尚美に尋ねるが、尚美はいきみ声で返事を返すのみだった。 投稿日 : 2010 06/08 22:43 投稿者 : ゆうり さすがに一人目を生んでいるため、赤ちゃんはすぐに発露になった。 「もう赤ん坊の頭が見えてるぞ。」 夫は驚いたように言った。 投稿日 : 2010 06/08 23:24 投稿者 : 無明 「たぶん……頭じゃない……」 陣痛の合間に尚美は答えた。 たしかにそれは頭だったが、羊膜が別々だったのだ。 そのため滑りが悪く、そこからがなかなか進まない。 投稿日 : 2010 06/08 23:39 投稿者 : ゆうり 「爪で割れないのか?」 尚美はつけづめをつけている。 そのため爪が長いのだ。 「っつ!やってみるわ。」 尚美は羊膜に爪を立てた。 投稿日 : 2010 06/09 01:07 投稿者 : 無明 つけ爪を付けていたおかげで簡単に羊膜は破けた。 生暖かい液体がドバっとあふれ、車の後部座席を濡らした。 「ああ!!きたぁ!!!」 そう叫びまた尚美はいきみ始めた。 夫は必死に道を探すが、工事中の道が多く病院にはなかなか辿り着けない。 ほぼ確実に間に合わないだろう。 投稿日 : 2010 06/09 01:10 投稿者 : 無明 一人目を生んだだけあって、もうすでに赤ん坊の頭が見えている。 「う~~~ん!はぁはぁ。」 尚美は必死に息んでいた。 投稿日 : 2010 06/09 01:27 投稿者 : 無明 夫はついに病院への道を見つけて、地図のとおりに車を走らせた。 「もう少しだ!せめて後5分耐えて!!」 だが、夫の思いも虚しく、尚美は答えた。 「ダメ、もう、頭が、出ちゃううううううううううううう!!!」 その絶叫とほぼ同時に、ゴボッ、と音を立てて頭が飛び出し、羊水が噴出した。 そしてひとり目の出産で産道が広がりやすくなっており、どんどんと胎児は抜け出てくる。 そして車が病院の救急入口の前まで来たその時、 車内に、産声が響いた。 この子もまた、女の子だった。 「産ん……じゃった………」 後に尚美は、子供に自分の体質が遺伝してなきゃいいけど、と語っていたが、 この願いは18年後に簡単に裏切られてしまうことになる。 姉妹の出産記~ハプニング3 電車編~に続く。 ← 前編:ハプニング 続編:ハプニング3 電車編 → |