会社 season2

一部、読みやすさを考慮し、改行を入れさせて頂いた部分がございます。
一部、明らかなミスタイプがございますが、そのままにしてあります。(熊猫)


これは会社の第二弾

会社の2年後の話だ。
私が産んだ娘はもう二歳で名前は、李杏(りあん)ていうの。

そしてまた現在妊娠中なの。
でも今回はまだ李王には内緒でいつも太ったとか便秘って言ってごまかしてるの。
だから陸斗さんにも黙ってるの。
もう臨月でいつ産まれてもいいはずなのになかなか生まれないみたい。
だから今日もお仕事中なの。


投稿日 : 2010 06/07 22:04 投稿者 : 無明

流石に座りっぱなしのデスクワークとはいえ、疲れた。
大きく伸びをして、部屋を歩く。
すると李王が入ってきて、ばったり会ってしまった。
「やっぱり……やっぱり二人目妊娠してたんじゃないか。いつも嘘ついてたけどさ……なんで隠してたんだ!!」
開口一番の李王の言葉はもっともで、何も言い返せなかった。
そして李王はその表情のまま、こういった。
「これから秘書業務に復帰すること。出産するときもだ。いいな?」



投稿日 : 2010 06/07 23:20 投稿者 : ゆうり

「ん?李王どういうこと?何が言いたいの?」
怒っている李王はいつも意味不明なの。
「俺何か変なこと言ったか?」
「これから秘書業務に復帰すること。出産する時もってどういう意味?」
私は首をかしげて聞いた。
それよりもなんでばれたんだろう?
陸斗さんにも黙っていたのに。



投稿日 : 2010 01/06 22:53 投稿者 : 無明

「あ~っ!痛ぁ~!」
立ち上がったときに重力で胎児が降りてきてしまい、、足の付根に激痛が走った。
さらに悪いことにいきみたくなってしまい、そのままいきんでしまったのだ。
子宮口もほとんど開いていないため、いきむだけ無駄であった。
その時に電話しようと言うことをすっかり忘れてしまい、一人で陣痛に耐えるはめになった。



投稿日 : 2010 06/07 23:53 投稿者 : 無明

「どういう意味ってお前……言葉通りの意味だ。俺の秘書としての仕事に復帰すること。たとえ陣痛が始まっても、破水してもだ。
 俺に隠してたってことはそれぐらい、できるんだろ?それに、まさか俺が知らないとでも思ってたのか?社員の間じゃその話題でもちきりだぞ。」
そこから李王は話し始めた。
私のこの行動をどう思っているかを。
「妊娠を隠して、俺に心配を掛けたくなかっただと!?」
「だって……もしまた赤ちゃんができたって知ったら、会社休んじゃうでしょ……」
李王はついに、堪忍袋の緒が切れたと言わんばかりに声を荒げた。
「バカ言うな!!もしほっといて流産や早産したらどうする気だったんだ!!」
「もしかして……李王……」
「そうだ、だからたった今から、俺につきっきりでいてもらうぞ。まずは服を着替えてこい。そんなサイズ違いの服なんか着てたらバレもするさ。」
そうして服の入った紙袋を渡され、私は着替えた。

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「李王、ホントにこんなの着させる気?」
私は思わず李王に質問した。
私の着ている秘書用のスーツに付いてだ。
エンジ色のジャケットは母乳をためて大きくなった胸を収めるには少々小さく、
黒のタイトスカートは私の120cmはありそうなお腹や、ひっくり返って飛び出したおへそのラインをくっきりと浮き立たせ、限界まで伸びていた。
「当然だ。他の重役秘書と違う格好をさせるわけにはいかない。」
李王は本気だ。
私、本当に怒らせちゃったかな……



投稿日 : 2010 06/08 00:30 投稿者 : ゆうり

「もちろん、今から陸斗が往診に来るぞ!」
トントン
話ているうちにノックが聞こえた。
「良ちゃん、李王、夫婦喧嘩は胎教に悪いぞ。」
陸斗さんが往診道具を持ってきて言った。
「しょうがないだろ。良が黙ってたんだから。」
李王はふてくされたように言ってる。
「わかったから。じゃあ、良ちゃん、そこのソファーに横になってね。」
陸斗さんは準備をしながら言った。



投稿日 : 2010 06/08 01:23 投稿者 : にゃーコ

「じゃあ始めるね。」
ジェルをぬったお腹にエコーをあてた。
「わあぁ、大きい赤ちゃんが2人みたいだね。一卵性みたい。」
「おい、大丈夫なのか?」
李王は心配そう。
「大丈夫。出産になったらまたいつでもフォローするし。」
陸斗さんは色々検査をしてくれてるみたい。



投稿日 : 2010 06/08 22:25 投稿者 :無明

「他は大して異常なしだ。まぁ、双子だからいつ出産が始まるかなんて分からない。気を付けてくれよ。」
そして検査を終えた後、ジェルを拭き取り、陸斗さんは部屋から出て行ってしまった。
色々仕事があるので忙しいのだ。

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秘書業務は、今の私にはなかなかのハードワークだった。
重いものを持ったり力仕事をするわけではないが、2人と羊水あわせて推定で8kg超のお腹を抱えたまま李王の横に立っているのは体力を使う。
「ふぅ~……今日は終わり?」
「ああ。家に帰るぞ。」
だがしかし、そんなハードワークを2週間繰り返しても、たまにお腹が張るだけで出産の兆候は全くなかった。
そして、「つきっきり」の言葉通りお風呂まで李王は一緒にしている。
「また大きくなった気がするな……」
私のお腹を撫でながら李王は呟く。



投稿日 : 2010 06/08 22:39 投稿者 : ゆうり

「確かにそうかも。」
「ままぁ~。」
ちなみに李杏と家族三人でお風呂も入ってるの。
「李杏ももうすぐお姉ちゃんだからね。」
私は李王に抱かれている李杏の頭を撫でながら言った。
「そろそろ出ましょ。」
そしていつも通り三人一緒に眠った。
そして、朝、朝ごはんを作ってる辺りから軽くお腹に鈍い痛みを感じていたけど、李王に黙っとこ。

いつものように朝ごはんを食べて会社にきたの。



投稿日 : 2010 06/08 23:34 投稿者 : 無明

出産するときも秘書業務を続けろと言ったのは李王だし、いいよね?
今日の私はいつもの秘書用スーツだけど、いつも履いていたソックスが洗濯中で、今日は真っ黒のタイツを履いてごまかしていた。
おかげでパンパンのお腹が締め付けられ、ラインがいつも以上にはっきり出ている。
タイツももうじき破けそう。
歩くのも辛くて、10歩も歩いたら休憩しちゃう。
そしてだんだんとおなかの張りが強くなって、私は合間合間に立ったり座ったりを繰り返すようになっていた。



投稿日 :2010 06/08 23:54 投稿者 : ゆうり

「ん?良、どうかしたのか?」
たまに立ったり座ったりするから変に思った李王が聞いてきた。
「ううん。何でもない。あ、そろそろ李王、会議の時間じゃない?」
私は時計を見ながら言った。
「あ、ホントだ。今日の会議は長引くからここで座ってろ。」
李王は私を社長のいすに座らせ、ジャケットを脱いで膝にかけてくれた。
「ありがとう。行ってらっしゃい。」
トントン
李王を見送ってしばらくしてノックが聞こえた。
「はい?」
入ってきたのは副社長の秘書から各重役の秘書さんたちが入ってきた。
「え?」
「そのお腹の子供を殺して子供の産めない体になれば社長が私たちに向くようになるわ。」
みんな李王の妻の座がほしいみたい。
たしかに李王は容姿端麗、頭もよくて優しくて社長だけど・・・
私はあっという間に社長室のいすに手は後ろで縛られ、足はびしっと閉じてを固定されちゃった。



投稿日 : 2010 06/09 00:50 投稿者 : 無明

さらにおなかの張りが強くなって、本格的な陣痛に変わろうとしていた。
「そして私に向けばあんなエロジジイとはおさらばよ……」
ところがその副社長秘書の言葉をきっかけに、他の秘書たちが争い始めた。
それは私のセリフだ、と言ってはばからない。
でも私にはそんなことを聞いている余裕もなくなってきた。



投稿日 : 2010 06/09 00:58 投稿者 : ゆうり

「ところでこれからどうします?」
やっと一人が落ち着いて聞いた。
「そうねぇ。このままでいいんじゃない?どうせ社長は会議だし。これだけピッチリ足を閉ざされてたら子供は出てこれないし。」
副社長の秘書真中さんが言った。
秘書の中で一番きれいな人。
もともと李王のお父様のいいつけで真中さんはもともと李王の婚約者だったみたいだけど李王と同級生だった私が付き合っていたためなくなったの。
だから私を怨んでいるみたい。



投稿日 :2010 06/09 01:46 投稿者 : 無明

ところがこの真中さん、性格が悪くてあまり人気がない。
「何もここまでする必要は……彼女あんなにお腹大きいんだから相当の難産になるわ、絶対。」
真中さんの意見に早速、門脇専務の秘書、椰子田さんが反対した。
「社長会議が終わるまでに無事に済むはずが無いと思うし、私も椰子田さんに賛成です。」
「そうよ、彼女、下タイツなんだし!!」
そして真中さんは味方がいなくなり、2~3人の取り巻きと一緒に何処かへ逃げた。
そして残った人たちは私の両足を縛っていた紐で両足を広げさせると仕事に戻っていった。
会議室は完全防音だから、いくら呼んでも聞こえない。
タイツを履いていたことも忘れ、私はただ陣痛に耐える。



投稿日 : 2010 06/09 02:01 投稿者 :ゆうり

陸斗さんに電話をしようにも手が縛ってあって電話ができないし。
「はぁはぁ、っつぅぅぅぅぅ!」
手が使えないから私は子宮口も確認することもできない。
陣痛の間隔を計ると大体15分間隔くらいだからまだまだだから大丈夫だよね?

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2時間が経過してもなかなか李王は戻ってこない。陣痛の間隔はもう5分ないけどあまり子宮口が開いてない気がする。
黒いタイツの上にもちろんパンツもはいているから子宮口が見えないけど女の感かな。



投稿日 : 2010 06/09 09:30 投稿者 :無明

だんだんいきみたくなってきたけど、子宮口が開いてない気がするからお腹の力を抜いて、いきみ逃しを続ける。
それにしても李王は、まだ会議に時間がかかってるみたい。
俺願いだから、早く気づいて……



投稿日 : 2010 06/09 09:51 投稿者 :ゆうり

バシャーシャー
破水したみたい。
もう息んでもいいよね?
黒タイツもびしょびょだし、破水のせいで椅子にも水溜まりができてるし。

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二時間くらい息んでたらやっと赤ちゃんの頭なのか大きな塊がでてきたの。
けどまさかお尻とはおもってもなかった。
未だに李王が戻ってこない。



投稿日 : 2010 06/09 19:54 投稿者 :無明

ちょっとでも気を抜くと、赤ちゃんがタイツの反発力で押し戻されそう。
タイツを脱ぎたいところだけど、ぴっちりしたタイツを脱ぐのは難しいし、両手が使えないから無理。
「ふううっ……くっ……」
赤ちゃんが産道を押し広げて、思わず声が出ちゃう。
陸翔さんにも連絡できない以上、ここで産むしかない。
私は覚悟を決めた。



投稿日 : 2010 06/09 21:40 投稿者 :ゆうり

諦めかけたその時だった。
ガチャ
「良、戻ったぞ?親父に呼ばれて遅くなった・・・って、大丈夫か!?」
やっと李王が戻ってきた。
ビリッ
安心した途端、タイツが破れちゃった。
「今、陸斗を呼ぶからな。あ、陸斗。すぐに会社にきてくれ!」
陸斗さん、すぐに来てくれるみたい。

「ダメだ。ほどけない。」
ロープは固く縛られていてほどけない。



投稿日 : 2010 06/09 22:20 投稿者 :にゃーコ

李王は諦めたみたいで私のお腹をさすってくれる。
「もうすぐ陸斗も来るから頑張れよ。」

トントン
「おまたせ!どうしたの!?李王、もしかして・・・。」
「言っとくけど俺じゃないからな。」
李王は苦笑いをしながら答える。
「これじゃあ、ほどけないな。このまま産むしかない。取りあえずパンツは切るから。」
「あぁ。」
ビリリィ
パンツを脱いだ。
「これは・・・。お尻か!?」
陸斗さんは驚いて言った。



投稿日 : 2010 06/10 07:35 投稿者 :ゆうり

「はっ!?尻って・・・。」
李王も驚いてるけどさすがに私もまさかお尻とは思ってなかった。
「子宮口にピッタリはまってるから押し戻しにくいなぁ・・・。あんまり前例がないし。普通はこの状況になるまえに対処できるし。」
陸斗さんも困ってるみたい。
私がむやみに息んだからかなぁ?



投稿日 : 2010 06/10 19:27 投稿者 :無明

私の表情を見て、陸斗さんはフォローしてくれた。
「いやいや、良ちゃんのせいじゃない。元々赤ちゃんが大きめで、それに逆子ともなればこうなってしまうさ。」
そして笑顔を見せて、こういう時でも無事に産ませるのが産科医の仕事だからね、と付け加えた。
「旦那さんは……そうだな、メスで手を縛ってるロープを切ってくれ。そこにあまりが一本ある。それが終わったら手を握ってやれ。
 嫁が不安な表情してんのに励ましてやらないとか男として屑だぜ?」



投稿日 : 2010 06/10 19:40 投稿者 :ゆうり

「あ、あぁ・・・。」

李王がロープをメスできってくれた。
やっと手が自由になれた。
「あ~、後になっちゃったな。大丈夫か?」

李王は私の手首のロープの後を撫でながら言った。

「ぅ、ぅん・・・っ。」

私は陣痛の合間に返事をした。
「足はこのままにしとくけど後で赤ちゃんが産まれたら切るからね。」

陸斗さんは考えがあって足のロープは切らないみたい。



投稿日 : 2010 06/10 21:01 投稿者 :無明

あとは陣痛の波にあわせていきむ。
李王が私の手をしっかり握っているから、もう怖くない。
おしりがちょっと見えているだけだった赤ちゃんの様子も、私がいきむ度に少しづつ出てきている。
「その調子だ。俺が手を出す必要は当分なさそうだな。」
陸斗さんは心の底からほっとした表情で言った。



投稿日 : 2010 06/10 21:08 投稿者 :にゃーコ

しかししばらくすると赤ちゃんの尾骨の辺りから全然出なくなちゃったの。


「んぐぅ~~~!はぁ、はぁ、はぁ。」

私は陣痛の度に息むけど中々進まない。
「そろそろ限界かな?」
陸斗さんは赤ちゃんの状態を確認しながら言った。



投稿日 : 2010 06/10 22:20 投稿者 :無明

「もう後5分ぐらいいきんでみてくれる?その結果によってやりようが変わってくるよ。」
陸斗さんの指示に従ってまたいきむ。
顔を真赤にして、もうあそこが切れるのも関係なしでいきんだら、なんとか尾骨の辺りは抜けた。
でも、そこまで。
それを見て陸斗さんは、様々な器具を用意し始めた。
何をするんだろう?



投稿日 : 2010 06/10 22:28 投稿者 : にゃーコ

「李王、手伝ってもらうよ。」

準備ができ陸斗さんは手術用の手袋をはめていってる。
「あぁ・・・。」
「じゃあ、良ちゃん、一回息むのをやめてもいいよ。」
陸斗さんの指示に一回息むのをやめた。
何するんだろう?



投稿日 : 2010 06/10 23:18 投稿者 : 無明

「すまないな、良……」
そう言って李王は私の体を無理やり抑えつけた。
「良ちゃん、ちょっとの間だけ、死ぬほど痛いのガマンできるか?」
え、死ぬほど痛いって………
すると陸斗さんは、赤ちゃんの腰をしっかりつかんで、引っ張り始めた!!
身体を激痛によじりながら、無意識にいきんでしまう!!



投稿日 : 2010 06/10 23:37 投稿者 : にゃーコ

「息まないで。力を抜いて。ラマーズ法で呼吸して!」

陸斗さんは赤ちゃんを引っ張りながら言った。
「ひっひぃぃぃぃい!」
うまく呼吸ができない。
「ひっひっふーだよ。李王も一緒にやれ。」
おどおど見ている李王に陸斗さんが言った。



投稿日 : 2010 06/11 00:17 投稿者 : 無明

「えと、ひぃ、ひぃ、ふー。」
慌てながらも李王は一緒に呼吸してくれている。
ちょっとだけ、呼吸がやりやすくなったかもしれない。
「そう、その調子で力抜いて、あと少しで肩が抜ける!」
陸斗さんも太鼓判を押している。
こrでいいみたい。



投稿日 : 2010 06/11 00:25 投稿者 : にゃーコ

ズルッって音がして肩が抜けたみたい。
「よしっ。でっかいものつけてる会社の跡取りがでてくるぞ!後は頭だから息んでいいよ!」
陸斗さんは赤ちゃんの体を支えているみたい。
陸斗さんには性別がわかったみたい。
「ンぐぅぅぅぅ~~~~!!」
私は渾身の力で息んだ。



投稿日 : 2010 06/11 00:55 投稿者 : 無明

ゴポッ、と音を立てて、赤ちゃんが私の胎内から抜けていった。
「4時32分、男児誕生だ………次の陣痛がくるまでゆっくり休んでおいたほうがいいぞ。」
そして陸斗さんは足のロープも取ってしまった。
その後李王と協力してへその緒の処置を済ませた私に、陸翔さんがとあることを言ってきた。
「検査の結果だけどな、もう片方の胎盤が剥がれそうにない上に陣痛消失、おまけに羊膜は別々ときた。
このままだと感染症になるかもしれないから、子宮口を閉じさせる。 来週ぐらいにあらためて出産になるが、それでいいか?」



投稿日 : 2010 06/11 01:11 投稿者 : ゆうり

「まぁ、良と子供が安全ならそれでいい。」
李王は産まれたばかりの赤ちゃんを愛子ながら言ってる。
陸斗さんは私に陣痛を止める効果と感染を予防する注射を射ってから、李王がどこかからもってきたお湯に赤ちゃんを産湯につからせてる。
私は李王がソファーに横にさせてくれた。
「李王、よかったな、跡取りができて。」
「あぁ。」
李王は照れ臭そうに笑ってる。



投稿日 : 2010 06/11 01:36 投稿者 : 無明

そして陸斗さんは丁寧に処置を終わらせると、別の人の診察に向かっていった。
結局その日は私を縛った秘書たちに厳重注意をした後、一緒に家に帰った。
今日産まれた男の子、烈も一緒にだ。
流石に二度目ともなれば私も李王も慣れている。
あとは、このこが生まれるのを待つだけだ。
大きさのあまり変わらないお腹を撫でながらそう思った。



投稿日 : 2010 06/11 01:47 投稿者 : にゃーコ

帰りにリムジンで保育所に預けている李杏を迎えに行き、家に戻った。
さすがに出産したばかりのため、李王が家事をやってくれたり李杏の世話をしてくれる。
私はさすがに疲れていたからベットに運んでもらい、そのまま眠った。


朝起きるといつものように李王が私を抱きしめて隣で寝てたの。
そういえば私は今日会社に行くのかなあ?



投稿日 : 2010 06/11 08:34 投稿者 : 無明

流石にこの状況でつきっきりでいるのは私ではなく、李王の方だった。
体を動かしたいと言うことで、料理は私がやっているが、他はすべて李王が代わりにしてくれている。
仕事の方は何と、自宅から電話中継でやっているのだ。
私のやることといえば、李杏や烈の面倒をみることぐらいだ。
しかも李王は優しく、外出までさせてくれる。



投稿日 : 2010 06/11 09:16 投稿者 : ゆうり

でも外出っていっても李王が趣味で運転するフェラーリでのドライブだけだけど。

それにしても李王のエプロン姿は似合わない。
でも私が笑うといじけるからやめとこ。

「ふぅ~、やっとおわったぁ~。」
李王が隣に寝転がってきた。
「お疲れさま。」



投稿日 : 2010 06/11 11:14 投稿者 : 無明

「ああ、もうすぐお風呂もわくぞ。」
そして私は疲れを癒すために30分ほど眠って、それから李王とふたりっきりで入ることにした。
子どもたちはもう眠っている。



投稿日 : 2010 06/11 12:45 投稿者 : ゆうり

「全然一人減ったとは思えないな。」
李王が私のお腹を撫でながら呟いてる。
「大丈夫、大丈夫。」
私は不安そうな李王に笑顔でいって安心させる。

「手首と足も痣になったし、クビにしとけばよかった。」
李王はまだ秘書さんたちを怒ってるみたい。



投稿日 : 2010 06/11 17:13 投稿者 : 無明

かなりきつくしばられたせいで、赤黒い痣が未だに残っているけども、赤ちゃんが無事なので私にとってはどうでもいいことだった。
私が立ち上がろうとすると、李王は気遣うように支えてくれた。
お風呂からあがるときに李王にとある相談を持ちかけた。
「ねぇ李王。明日の海水浴は私も一緒に行きたいんだけど、だめかな?」
こんな時のためにビキニを用意しておいたのだから、言わない手立てはない。



投稿日 : 2010 06/11 21:24 投稿者 : ゆうり

「ダメだ。陸斗に安静って言われてるのに海につれていったことがバレたら怒られるし、何かあったら危ないからダメだ!」

さすがにダメみたい。

「それに烈を連れていくのはよくないぞ。まだ産まれたばかりなのに日に当てたらマズイだろ!」

「大丈夫。なんなら陸斗さんも一緒にいけばいいじゃん。せっかくの社員旅行なのに。」

「じゃあ海には入らない。昼間はホテルで安静に大人しくしてるなら許す・・・。夕方なら無理しない程度に浜辺にいくことだけはゆるすぞ。
 もちろん、水着も持ってかないんだからな。」

私はその条件でいくことにした。
だって李王だけだと女の社員の人や逆ナンされちゃうし。

水着は、おいていくことにした。来年着よう。



投稿日 : 2010 06/11 23:56 投稿者 : 無明

そして旅行当日。
李王と陸斗さんに2時間にわたって頼み込んだ結果、昼間でも浜辺まで出ていいと、許可をもらった。
大きめのビーチパラソルが家にあったので、その下にいることにした。
ちょっと李王を挑発したくて、服装はあえて子供っぽく見えそうなものを選んだ。
白いレースのワンピースとサンダル、そして麦わら帽子の3点セット。
李王はどんな顔をするのか、楽しみ。



投稿日 : 2010 06/12 00:04 投稿者 : にゃーコ

「李王、どう?」
「良・・・。」
李王は苦笑いをしながら言った。
「似合わない?」
「いや、可愛いけど・・・。」
顔が真っ赤で言われると逆に照れちゃう。
「おう、良ちゃん、可愛いじゃん。李杏ちゃん、一緒におよごっか。」
「パパもぉ?。」
「わかったから。」
李王と陸斗さんは波打ち際に行っちゃった。
私はパラソルの下で烈と李王たちを見てることにしたの。



投稿日 : 2010 06/12 02:42 投稿者 : 無明

しばらくすると李王が、李杏が心配だから波打ち際にいてくれといってきた。
私は烈を抱き上げて砂浜を進む。
暑苦しく照りつける真夏の太陽がまぶしい。
裾が濡れないようにたくし上げて、水に足をつける。
ヒヤリとした感触が気持ちいい。



投稿日 : 2010 06/12 08:43 投稿者 : ゆうり

「あ、良ちゃん。李王ってば、李杏ちゃんをだしに使ってホントはこっちに呼んだんだよ。
 でも烈君にはこの暑さはよくないから少ししたら部屋に帰ろうね。」
「うん!」
せっかく来たんだから海くらい入りたかったから嬉しい。
「けど10分くらいだからな。ちゃんとホテルに帰るんだからな。」
李王は心配そうに言った。



投稿日 : 2010 06/12 14:54 投稿者 : 無明

そして20分ですぐにホテルの部屋に戻った。
エアコンが聞いているけど、潮風を感じたい私は窓を開ける。
旅行についてきてよかったと、心から思う。
でも、お腹が張っているなんてこの時の私には全然気付かなかった。



投稿日 : 2010 06/12 17:51 投稿者 : ゆうり

「李王、ここ個室温泉だって。良ちゃん、一緒にはいろ。」
隣の部屋の陸斗さんがやってきた。
「なんでおまえが・・・。」
李王はあきらかにいやっそうだった。
「まぁまぁ。そろそろ宴会場の時間だって。」



投稿日 : 2010 06/12 18:38 投稿者 : 無明

そういえばもうそんな時間だ。
宴会場での食事のために李王のあとに付いていった。
ワンピースから、後でお風呂に入りやすいよう浴衣に着替える。
でもマタニティ用を頼んだのに、サイズが合わない。
おかげで胸元とお腹の辺りが閉まりきっていないの。
でもここは食事が美味しいから許しちゃう。



投稿日 : 2010 06/12 19:05 投稿者 : ゆうり

「これ羽織ってろ。あと膝掛けもだ。」
カーデガンと膝掛けをもってきた。
さすがに他の人に胸元やお腹を見せるのが嫌みたい。
宴会場に着くと席に着いた。
李杏は李王のお父様の会長と食べてるし
陸斗さんは秘書の人がまわりに集まっていた。
李王は烈を抱いてるため女社員が集まっていた。



投稿日 : 2010 06/12 19:21 投稿者 : 無明

だけどあの一件以降、女性社員のみんなの眼差しが軽蔑から尊敬に変わったの。
「良さん。もう一人の子、まだ生まれないんですって?」
社員の一人が心配して話しかけてくる。
「うん、でも大丈夫。陸斗さんの処置だから。」
「それなら安心ね……」
そしていつの間にか私は、李王の隣りに座らされていた。
お義父様まで李杏を連れてやってきていた。
女性社員の皆はその様子を見て口々に言う。
「真中さんとかは文句をいってたけど、ホントお似合いだわ……」
「だからクビにされちゃったのよ……お互い好き合ってたならなおさらね。」
ああ、やっぱり私を嫌っていたのはごく一部なんだ。
そう思うと涙が出てきた。
陸斗さんは秘書のみんなにいいよられても独身でいたいと言っていた。
その時、陸斗さんの方から大きな平手打ちの音が聞こえてきた。
「バカ!!馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!」
「由香里ちゃん……」
「あたしがアンタのことどんだけ好きなのかわかってるでしょ!?なのに、なのにアンタは良のこと諦めきれてなくて……」



投稿日 : 2010 06/12 19:46 投稿者 : ゆうり

「陸斗さん・・・。」
「良ちゃんは気にしなくてもいいよ。」
陸斗さんはニコッと笑いながら言ったけど。
でも陸斗さん、私のことが好きだったの?

「おまえまだ・・・。」
李王もこっちにきたみたい。



投稿日 : 2010 06/12 22:24 投稿者 : 無明

「ああ、俺は良ちゃんのことが好きだった。お前が羨ましかったよ、李王………でもな、俺はすぐそばにいる子の愛にすら気づけなかったんだ。」
「陸斗……」
「だからもう、吹っ切れたよ。俺はこんな馬鹿だから、友香里なのか良ちゃんなのか決められなかった………だからさ、由香里。」
陸斗さんが何かを言い出しかけたときに、由香里ちゃんはその口をふさいだ。
「それ以上言わなくてもいいんだから……バカ……」



投稿日 : 2010 06/12 22:33 投稿者 : ゆうり

「李王、陸斗さん、よかったね。」
「あぁ。」
「っ・・・。」
わたしはふいにお腹に痛みを感じた。
「ん?どうかしたか?」
「ううん。何でもない。けど疲れちゃったから部屋に戻ってるね。烈も寝かせたいし。李王はちゃんと最後までいないとダメだからね。」
私は烈を抱いて自分達の部屋に戻った。
李王に言うと陸斗さんにバレちゃうし。せっかくいい雰囲気なのに。



投稿日 : 2010 06/12 22:49 投稿者 : 無明

私の部屋にも個人用の露天風呂があった。
汗を流すついでにそこで陣痛を逃そうと思って、私は浴衣をベッドに脱ぎ捨てた。
ザバンと大きな音を立てて、私は湯船に飛び込んだ。
外にはポッカリと満月が浮かんでいて、私を優しく照らしていた。
見る人が見たら来れは結構芸術的に見えるかも。
でもそんなことは関係ない。
今は、耐えないと。



投稿日 : 2010 06/12 22:56 投稿者 : ゆうり

「っつぅぅぅぅ!やっぱり陣痛かな?」
たまに来る陣痛が規則的に来る気がする。
「ふぎゃあぁぁぁぁ!」
もう少しお湯につかりたかったけど烈が起きちゃったみたいだからお風呂から出た。
湯冷めしないように浴衣をはおり、烈のところに行く。



投稿日 : 2010 06/12 23:08 投稿者 : 無明

浴衣なんかに着替える余裕は一切なく、私は裸のまま烈のもとへ行った。
意を決しておっぱいを上げると、すぐにお腹いっぱいになった烈は眠った。
たぶん明日までおきないだろう。おっぱいを飲んだあとよく眠るから。
再び風呂にはいると、さっきより強くなった陣痛と、子宮口が空いていく鈍い痛みがさっきよりはっきりと分かった。
「ふぅぅぅ………はぁぁ~~~~~………」
そう。まだまだ深呼吸。
出てくるのは、まだまだ先。



投稿日 : 2010 06/12 23:18 投稿者 : ゆうり

「・・・っつう!」

さっきより間隔がなくなってきたぁ。
大体15分間隔くらいかなぁ。
母乳を吸われると陣痛促進剤があるのかなぁ。

李王はどうせ今日は陸斗さんとお祝いだと思うから遅いしね。



投稿日 : 2010 06/13 00:33 投稿者 : 無明

でも15分といったら本当に進んだとはいえまだまだ。
李杏の時に比べたら、これぐらいどうって事ない。
あの時は丸一日耐えてたはず。
でも、やっぱり辛いかな?
「いたたたたっ………」
でも水の中にいると痛みが和らいでくる。
これならなんとか凌げそう。



投稿日 : 2010 06/13 00:40 投稿者 : ゆうり

しかしまた予期せないことが起きちゃった。
「ふぎゃあ!ふぎゃあ!」
また烈が泣き出しちゃった。
今日に限ってどうしちゃったんだろう?
私はまた烈のところに戻った。



投稿日 : 2010 06/13 00:58 投稿者 : 無明

お湯でビチョビチョの身体をバスタオルを巻いてごまかして烈のところへ行く。
烈を抱き上げてやるとすんなり眠ってしまった。
もしかして、私がそばにいないとだめなのかな?
「うぅぅぅぅ………あぁー!」
烈をベッドの横で寝かせ、ベッドで陣痛に耐える。
体に巻いたバスタオルはすぐにはだけてしまった。
そして陣痛に耐えていると、いつの間にか入り口で李王が立っていた。
「綺麗だ………」
月明かりに照らされた私の姿は相当綺麗だったみたい。
陸斗さんはどうも由香里さんと一緒にいるらしく、よんでも返事がない。



投稿日 : 2010 06/13 01:04 投稿者 : ゆうり

今、陸斗をさがして呼んでくるからもうちょっと頑張れよ。」

李王はあわてて陸斗さんを捜しにいっちゃった。

もちろん電気もつけてってくれた。

しばらくして慌てて陸斗さんと李王が戻ってきた。
「良ちゃん、大丈夫?ごめんね。遅くなって。」



投稿日 : 2010 06/13 01:09 投稿者 : 無明

陸斗さんは由香里さんも一緒に連れてきた。
「良、頑張ってね!」
由香里さんを気遣ってか、陸斗さんは直接的な検査はしなくなった。
でも、それに対して由香里さんは不満みたい。



投稿日 : 2010 06/13 01:14 投稿者 : ゆうり

もちろん李王も不満そうな顔をしてる。
「今の陸斗ならいらないからもういいぞ。」

「そうよ。」
「はぁはぁ、大丈夫だから・・・。」
陸斗さんの気持ちもわかるから。
直接的じゃなくてもきっと産めるから。



投稿日 : 2010 06/13 01:35 投稿者 : 無明

やがて、私のお腹の中でパチン、と音が聞こえた。
それと同時にアソコから液体がダラダラと流れ出す。
「やっと………っつっ!!」
それと同時に私は本能に従っていきむ。
私の中を少しづつ、大きな塊が下ってくる。
「良!たぶんその調子!!」
今日は由香里さんもいるんだ。
頑張らなきゃ……



投稿日 : 2010 06/13 01:43 投稿者 : ゆうり

しかし予期しないことが起こったの。

羊水と一緒の量の大量の血液がでてきてシーツに赤いシミができてきた。

それでもまだ陸斗さんは直接には触らずにどうやろうか考えている最中だった。



投稿日 : 2010 06/13 01:57 投稿者 : 無明

「赤ちゃんが大きいから産道で擦れてたんだな……」
由香里さんはその様子を見て、
「あたしに気を使わなくていいよ!助けてやって!!!お医者さんなんでしょ!?」
と言いながら泣き出して陸斗さんの胸を叩いていた。
「由香里ちゃん……」
そしてしばらく黙っていたかと思うと、陸斗さんはなにか決心したような顔でこちらに向かってきた。



投稿日 : 2010 06/13 02:02 投稿者 : にゃーコ

「陸斗?」
「はぁはぁ・・・陸斗さん・・・。」
私は出血の多さで少し貧血気味で李王にもたれていた。
李王はそんな私を支えながらお腹を擦ってくれて、片手は手を握ってくれて安心する。



投稿日 : 2010 06/13 13:32 投稿者 : ゆうり

「っ!んぅ~~~~!」

また陣痛がきたため、息むと、さっきよりも出血量が増え、羊水よりも倍の量の出血量で頭がクラクラしてきちゃった。

私は李王にもたれ掛かって次の陣痛を待つ。



投稿日 : 2010 06/13 19:00 投稿者 : 無明

「血止めとかやりようもない……悪いけどこのままだしちゃって。」
でも、この出血の正体は産道の傷じゃなかった。
あそこが大きく裂けていたの。
でも、痛みの感覚なんてよくわからずに私はいきんでる。
李王はもう失神寸前だ。



投稿日 : 2010 06/13 20:42 投稿者 : ゆうり

「んぐぅぅぅぅぅ!はぁはぁ。」
ズボッ
「またか・・・。」
陸斗さんがつぶやいた。
息んで出てきたのはまたお尻だった。
しかも烈の時より二回りくらい大きいの。
烈が3122グラムだったから4000グラムくらいかも。



投稿日 : 2010 06/13 21:11 投稿者 : 無明

「こいつは大きいぞ……李王、由香里。手伝ってくれるか?」
陸斗さんは何と由香里さんにまで手伝いを要求した。
李王は戸惑いながらゴム手袋をはめている。
「あ、ああ。」
由香里さんもすぐに向かってきた。
「当たり前でしょ!アンタはあたしの旦那様になるんだから、妻が旦那様の仕事手伝わなくてどうするの!!」
そんなことを恥ずかしげもなく行っている由香里さんは、ココ数時間で腹を割って話せたみたい。
ほんとに良かった。



投稿日 : 2010 06/13 21:23 投稿者 : ゆうり

「由香里ありがとう。」
陸斗さんもうれしそう。
「取りあえず良ちゃん、波が来たら息んでくれる?」
「はぃ・・・っ!んうぅぅぅぅ??。」
私は必死で息んでみるが全然でてこない。
「引っかかってるかもな。それで産道から出血したんだな。
 まぁ、このほとんどの血は子宮口が切れてるからだけど何箇所かは産道もこすれてしてるかも出血も。」
陸斗さんは赤ちゃんの状態を見ながら言った。



投稿日 : 2010 06/14 00:10 投稿者 : 無明

「でも、止血も縫合も、この子を出さなきゃ無理だ。痛いかもしれないけど、無理やり引っ張るよ!!」
そして3人がかりで赤ちゃんを引っ張ることにした。
由香里と李王は、私を抑えている。
あとはタイミングに合わせていきむだけ。



投稿日 : 2010 06/14 00:25 投稿者 : ゆうり

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!」
私は息むと同時に赤ちゃんを引っ張られ、下半身が散れるんじゃないかというくらいの痛みに悲鳴を上げた。
なんか方法ないの?
さすがに前よりは丁寧じゃななくなっちゃったのかなぁ。
「良・・・。」
李王はさすがに心配になってきたみたい。
「ほら、頑張って。」
陸斗さんは赤ちゃんを引っ張りながら言った。



投稿日 : 2010 06/14 11:04 投稿者 : 無明

「ホントはもっと優しくしたいとこだけど、このままじゃ赤ちゃんの生命に関わる。だからもうちょっと耐えて!」
そういわれたらもう、陸斗さんを信じるしかない。
「うぅぅっぅあああ!!」
そして、何回もそれを繰り返し続けて、やっと、肩まで抜けた。



投稿日 : 2010 06/14 13:36 投稿者 : ゆうり

「肩まででたよ。後もうすこしだから頑張って。そこの旦那さんも気絶してないで。」
「はっ。俺・・・。」
いつのまにか李王は大量の血を見て失神してたみたい。

「旦那さん、しっかりしてくださいよ~。」
陸斗さんは笑いながら言ってる。
「良、悪かったな。」
私の頭を撫でながら謝る李王が可愛い。
「よし。良ちゃん、もう一息だから頑張ろう。」



投稿日 : 2010 06/14 21:06 投稿者 : 無明

ひときわ強い陣痛が来て、私のお腹にも今まで以上の力が入る。
「せーのっ!!」
「んんんんんんんんんんんんんんんんんぅあああああああっ!!!」
どばぁ、と大量の羊水が噴き出して、赤ちゃんを一気に押し出した。
この子は何と女の子。
一卵性で男女って、すごく珍しいはず。



投稿日 : 2010 06/14 21:27 投稿者 : ゆうり

「3897gの李王にそっくりだけど女の子だよ。仏頂面にならないといいけどね。」
陸斗さんは赤ちゃんの処置をしながら笑って言った。
「良、ありがとう。」
「ぅん・・・。」
李王にキスされたけど疲れと大量出血で意識が朦朧としてる。

「由香里、会長と起きてたら李杏ちゃんも呼んできてくれる?李王は良ちゃんの傍にいさせてあげたいし。」
「うん。わかった。」
陸斗さんは由香里さんに頼んだみたい。



投稿日 : 2010 06/14 21:58 投稿者 : 無明

そして私と赤ちゃんを莉央が別室に運んですぐ後にお父様がやってきた。
莉央と同じような仏頂面をしていたが、李杏や烈を見た途端に顔をふにゃ、っと緩ませた。
「おぉ~!李杏!元気だったか?この子か!この子が妹か!!じぃじでちゅよ~。」
昨日あったばかりの李杏にそんなことをいって、お父様はあやそうとしたけど、
「じぃじ、うるちゃい」
という李杏の一言でKOされてしまった。



投稿日 : 2010 06/14 22:33 投稿者 : ゆうり

「それ、烈だし。」
李王は仏頂面でいった。
「ぷっ。さすが李王の親父だ。」
陸斗さんは笑いをこらえてる。
「じゃあ妹は?」
お父様はキョロキョロしてる。
「ところで陸斗、良の手当てはしてくれよ。このままじゃ良が休めないだろ。それに血を止めてくれ。」
李王はお父様を無視して私の血をみながらいった。
「はいはい。」
陸斗さんはまだ笑ってる。



投稿日 : 2010 06/15 02:13 投稿者 : ゆうり

「これでよし。止血剤も打ったし。1ヶ月くらいは安静になるべく外出は控えてね。」
「はぃ・・・。」
話を聞いてるうちにさすがに疲れて李王の膝枕で寝ちゃった。
さすがに今回は疲れちゃったけどもう一人くらい男の子ほしいな。


まさか李王もそんなことを思ってるなんて思いもよらなかったけど。



                      season3へ続く


前編:会社 


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