一部、読みやすさを考慮し、改行を入れさせて頂いた部分がございます。
一部、明らかなミスタイプがございますが、そのままにしてあります。(熊猫)
投稿日 : 2009/09/05 22:57 投稿者 : 零 「はぁ・・・重い・・・。」 私は良「りょう」。27歳。 ここは、大会社の社長室の隣に隣接した秘書室。 そして私は、社長の第一秘書なの。 社長は、神澤 李王「かんざわ りお」28歳 若くして大会社の社長で、私の旦那さま。 「良、臨月なんだから他の秘書に任せてれば大丈夫だから。」 忙しい合間をぬって、秘書室に様子を見に来てくれるの。 「大丈夫だから。」 だって李王と一緒にいたいから。 けど、今日は朝から腰がだるいけど、デスクワークだから一緒に仕事にきたの 投稿日 : 2009 11/21 22:44 投稿者 : 無明 「でも、もしここで陣痛とか来たらどうするんだよ…」 「大丈夫だって。まだおしるしも何もないし、何より私もこれだけ元気だから!」 少し嘘をついて、なんとか安心させる。 そうしないと社長権限でも使って、私を家に帰しかねない。 「そうか、だったら…そこで待っていてくれ。立ちっぱなしはいくらなんでも辛いだろう?」 確かにつらい。 お腹は双子か三つ子みたいにびっくりするほど大きい。 でも、赤ちゃんは一人。 私の身長は150と少しぐらい。 体格的には帝王切開の方がいい、 でも、李王と私の希望で、極力自然分娩で産む、ということにお医者様も同意してくれた。 昨日の検診の時点では逆子ではなかったし、大丈夫だと思う。 投稿日 : 2009 11/22 11:40 投稿者 : ゆうり トントン 「失礼します。社長、天宮様がお見えです。」 第2秘書の富岡夕貴が入ってきた。 「構わない。通せ。」 「かしこまりました。どうぞ。」 「よ!李王。」 元気よく入ってきたのは李王の友人で茶髪でチャラチャラしてるけど大病院の御曹司の天宮陸斗さん。 腕は確かだから私の主治医でもあるの。 「良ちゃん、体調どう?」 投稿日 : 2009 11/22 15:12 投稿者 : 無明 「別に問題ないですよ。まだ産まれそうじゃないですし。」 「良ちゃん、今日で何週目だっけ?そろそろ産まれるかもよ。一応後で検診は行うけど。」 陸斗さんは危険にならない限り、出産は自然に任せることをモットーとしている。 だから、予定日をオーバーしている私にも、特別な措置をとったりはしない。 「んじゃ、そういう訳だから30分後に来て頂戴な。李王もかまけて仕事忘れるなよ?」 「いや、良は連れて行っていいぞ。はやめに結果を出しておいてくれた方が俺も安心できる。」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ん~。腹囲110cmで、うわー、あー。良ちゃん。この子相当でかいよ。」 投稿日 :2009 11/22 23:48 投稿者 : ゆうり 「大丈夫なの?」 さすがに心配になってきちゃった。 「大丈夫だって。俺にまかせといて。」 陸斗くんは名医だから大丈夫よね。 トントン 「おい、陸斗、良は大丈夫か?」 仕事をサボってきたのか李王がやってきた。 投稿日 : 2009 11/23 19:35 投稿者 : 無明 「健康的には何も問題はないんだけどねぇ。確か今日で42週だろう? 来週には入院して陣痛誘発でもしないと母子ともに危なくなるかもしれないんだ。」 陸斗の意見に、それなら仕方ないといった感じで李王が言う。 「俺もちょうど今日の仕事が終われば1週間ほどは急ぎの仕事はない。一日中でも家にいてやれる。もしもの時は頼むぞ。」 そして私は仕事を休んで家にいることになった。 李王も前より家にいる時間が長くなって、改めて私たちが夫婦だということを実感した。 その間も緩い前駆陣痛は続いていたけれど本陣痛まではいかなかった。 そしていよいよ明日から入院、という日のことだった。 夜中にトイレに行った時におしるしがあって、だんだん陣痛が強くなってきた。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ふぅぅ~、ふぅ~っ…」 「大丈夫か?」 さっきから心配して李王が問いかけてくる。 いつもなら社長として余裕たっぷりなのに。 「ん…まだしゃべれるし大丈夫。もうちょっと間隔が短くなったら陸斗さんに電話して。」 投稿日 : 2009 11/23 20:56 投稿者 : ゆうり 「わ、わかった。」 李王は動揺しながらも言ってる。 今からこれじゃ先が心配・・・ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ふぅ~ふぅ~いたあぁぁぁぁ!」 そろそろ限界かも。 「りょ、良、大丈夫か!?陸斗呼ぶか?」 携帯を逆さまでもった李王があわててる・・・ 投稿日 : 2009 11/23 22:59 投稿者 :無明 「ま、まだいい……それより、手ぇ、握っ、あぁー!!」 痛くてしゃべるのも難しい。 「あ、ああ、わかった。」 そして李王は私の手をしっかり握ってくれた。 でも、あおむけになっているのは苦しい。 李王に抱きあげてもらって、四つん這いの体制になる。 少し陣痛が和らいだ気がする。 この部屋には立位用の産み綱や出産用のいすなど、いろいろ揃っている。 横で水中出産用のプールの準備をしながら、李王が携帯電話を取り出した。 「えっと、陸斗、陸斗は…あっ!!」 ボチャン。 携帯電話を落としちゃったみたい。 家の電話は修理中だし、どうしよう… 投稿日 : 2009 11/23 23:44 投稿者 : ゆうり 「あ、良の携帯・・・」 李王は、私の携帯を探して慌てて電話してる。 「あ、陸斗、早くこい!良が、良が!!」 李王、相当てんぱってるみたい・・・。 陸斗くん、すぐくるみたい。 でももの凄い痛いし、益々陣痛が強くなってきた。 投稿日 : 2009 11/24 00:27 投稿者 : 千里眼 「あ、良、大丈夫か?陸斗は同じマンションだからすぐくるからな。」 陣痛が強くなった私に、李王は電話をきってすぐに来てくれた。 「う、うん。」 かろうじて返事ができたけど、陣痛の合間に尿意みたいなのが体の中から込み上げてくる。 李王に抱きつく感じ立膝をして痛みを逃がしていた時だった。 投稿日 :2009 11/24 20:02 投稿者 : 無明 その尿意の正体はすぐにわかった。 赤ちゃんがちょっとずつ下がってきている。 それだから膀胱が圧迫されているのだ。 「ねぇ李王…」 「あ、ん?どうした!?」 「おしっこ、してもいいかな?」 「え、あ、ああ、肩を貸そう。立てるか?」 そういうと李王は私に肩を貸した。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― そして私はトイレで用を足して、なんとか部屋に戻り、また陣痛に耐えている。 「うぅ~っ、あーー!う、動いちゃダメ…」 さっきから、陣痛が来ているのに赤ちゃんが動いて、ものすごく痛い。 李王はそれをオロオロしながら見守っている。 と、そこへ、 「ようやく陣痛が始まったみたいだな。ささ、後は俺に任せて。旦那さんは外で待っててください。…なんてね。」 陸斗さんがやってきて、内診や赤ちゃんの心音の確認を始めた。 「胎胞形成認められず、心音問題なし、それに……」 「陸斗さん?赤ちゃんは大丈夫なの?」 不安になってきて思わず問いかける。 「ああ大丈夫。でも、かなり長丁場になりそうだぜ、これ。」 投稿日 : 2009 11/24 21:29 投稿者 : ゆうり 「よかったぁ・・・ぁたたぁぁぁぁぁ!」 安心したのもつかの間でいきなりさっきとはくらべものにならない強い痛みが襲ってきた。 「お、おい、陸斗!?長丁場って大丈夫かよ。」 李王は、ウロウロしながら落ち着きがない。 さっきからあっちへいったりこっちへいったり。 「大丈夫だから心配するなって。結構赤ん坊も下に降りてきたみたいだから安心しろ。ん?」 陸斗さんは、落ち着いて私の子宮口の開き具合をみて、赤ちゃんの心音を確認してるみたい。 心音を聞いてる陸斗さんが不思議そうな顔してる。 「どうしたんだ?何か問題あるのか?」 李王は心配そうに陸斗さんに近寄った。 投稿日 : 2009 11/25 18:23 投稿者 : 無明 「赤ちゃんが下に降りてきてることは降りてきてるんだが…肝心の子宮口が開ききってない。それに陣痛もまだまだ弱い。だから長丁場になりそうだぜ。」 陸斗さんがいつにもなく慎重な面持ちで李王に話している。 「良ちゃん。そういうわけだから、いきみたくなってもまだいきんじゃだめだ。破水するまでの辛抱になるけども、何とか頑張ってくれ。」 投稿日 :2009 11/25 20:26 投稿者 : ゆうり 「は、はぃ・・・っ。」 なんとか痛みにこらえながら返事をした。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー それから三時間たっても陣痛はますます強くなって、答えるときに頷くのがやっとだけど、中々子宮口が開かないみたい。 さすがの陸斗さんも困ってるみたい。 李王は、動揺しながらも私の腰をさすってくれてる。 投稿日 : 2009 11/26 21:59 投稿者 :無明 「この調子じゃあ…明日か明後日までかかりそうだな…」 「お、おい陸斗…本当に大丈夫なんだろうな?」 「大丈夫だって。俺に任せろよ。」 さっきから李王が心配してるけど、陸斗さんに任せていればきっと大丈夫。 「ふぅ~、ふぅぅ~~~んんんっ!はぁ、はぁあ、ああ、」 もういきみ逃しをするのも限界になってきた。 「こらこら、まだいきんじゃ駄目だって。さぁ、深呼吸して。」 そういいながら陸斗さんは私の大きなお腹の下の方を触っている。 赤ちゃんの頭の位置を確認してるんだと思う。 「これは…あー、これは凄いわ。ここまで大きいなんて…」 陸斗さんが何か言ったみたいだけど、陣痛に耐えるのが精一杯でよく聞こえなかった。 投稿日 : 2009 11/26 23:16 投稿者 :ゆうり 「お、おい、陸斗、良は大丈夫なのか?」 李王はさっきよりも動揺してるみたい。 「多分大丈夫だから、取り敢えずプールに入ろうか?破水するまでその方が楽だから。」 もう歩けないほど陣痛が強くなってきたから李王と陸斗さんが持ち上げてくれてあたたかいプールに入れた。 少し波が揺れて背後から誰かはいってきたと思ったから、李王かなぁって思ったけど李王じゃなくて陸斗さんがプールに入ってきたみたい。 「良ちゃん、ちょっと我慢しててね。」 陸斗さんが陣痛と重なって何言ったかわからなかったけど、子宮口に何か違和感を感じた。 「はぁ、はぁ、な、なに!?」 私には突然のことで理解できていない。 「大丈夫。力抜いててね。」 陸斗さんは片手で私の下半身を押さえながら、もう片手が中に入ってきてるみたい。 「よし、李王、ちょっと良ちゃんを押さえてて。」 投稿日 : 2009 11/27 20:10 投稿者 :無明 「少し陸斗が様子を見てくれるそうだ。だから少し我慢していてくれ。」 李王の言ったことを信じて、一緒に陣痛に耐える。 「今度は…胎胞形成は認められず。」 ちっ、と小さく舌打ちをして 「子宮口は…堅いな。良ちゃん。少し痛いけど我慢してよ!」 そういうと陸斗さんは子宮口をマッサージし始めた。 確かに痛いけども、陣痛に比べれはなんてことはない。 「むぅ。良ちゃん。ちょっとお腹触っててもらえる?陣痛が来た時に堅いか柔らかいか教えてもらえればいいから。」 言われてみてお腹を触ってみる。 陣痛がない時も、大きくなり過ぎてパンパンといった感触のお腹だけど、陣痛が来た時はもっと堅くなって、まるで石みたい。 そのことを陸斗さんに伝えると、 「陣痛は十分か…体力的にきついかもしれないけれど、子宮口が開くまで頑張って。」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― そこからさらに2時間。 もう空は明るくなっている。 プールの中で横になったり、立ってみたり、様々な体勢を試してみたが、四つん這いになっているのが一番楽だった。 体勢を変えたりしているうちに下着も脱いで、今はもう全裸だ。 投稿日 : 2009 11/27 21:19 投稿者 :ゆうり 「今、八センチぐらいだから後ちょっとだから頑張ってね。」 陸斗さんはまた子宮口を確認してくれてるみたい。 陣痛もさらに強くなってきて時たま息んで注意されちゃうの。 「ふぅ~ふぅ~、んぅ~。」 「良ちゃん、いきんじゃダメだって。」 私はまた息んじゃってまた注意されちゃった。 投稿日 : 2009 11/28 21:55 投稿者 :無明 そしてそこからさらに4時間。 ようやく息んでいいといわれて、さっきから陣痛の度に息んでいる。 「うぅぅ~~~~ん!、あぁ、ふぅんん~~~!!」 でも、赤ちゃんが降りてくる気配が一向にない。 「李王、ちょっと手伝ってくれるか?」 そこで、陸斗さんと李王は、私が息むのと一緒におなかを押して助けることにした。 投稿日 : 2009 11/28 22:12 投稿者 :ゆうり 「ふぅぅぅ~んぅ!ふぁ・・・んぅ~~!」 私が息む度に李王が良の体を押さえ、陸斗さんがお腹を押さえてくれた。 陣痛の間は、陸斗さんが子宮口を確認してくれてる。 「そう言えば、陸斗、良って破水とかっていうやつしたのか?」 李王は、思い出したように陸斗さんに聞いた。 投稿日 : 2009 11/30 21:42 投稿者 :無明 「まだだけど、大丈夫だ。俺の見立てが正しければそろそろ…」 そしてすぐ、風船の割れるような音とともに私のあそこから生温かい液体が流れだした。 破水したみたい。 投稿日 : 2009 11/30 23:41 投稿者 :ゆうり 「よし。じゃあいったんプールからでようか。」 陸斗さんは、私をもいあげて布団の上に置いてくれた。 「ほら、だんだん赤ちゃんが出てきた証拠だから後ひと踏ん張りだよ。」 「良、頑張れ。」 李王は手を握りながら励ましてくれた。 「さぁて今日中には赤ちゃんを外に出してあげようね。」 陸斗さんはお腹を触りながら言った。 投稿日 : 2009 12/16 00:35 投稿者 :無明 そしてさらに3時間。 ますます激しくなった陣痛に合わせていきむ。 「お、頭が見えてきた。良ちゃん。その調子だ。」 「聞こえたか?その調子だって。」 二人が声をかけてくれるけど、陣痛の合間に頷くので精一杯だ。 「まずい……母体がつかれてきてるな…」 投稿日 : 2009 12/21 01:10 投稿者 :ゆうり 「このままだと母子ともに危険だ・・・。」 陸斗さんは珍しく真剣な眼差しで李王に言った。 「おい!頼むから良と子供を助けれくれ、頼む!」 李王は陸斗さんに頭を下げてる。 「わかったから、もちろん、最初からそのつもりだから。」 投稿日 : 2010 01/02 16:21 投稿者 :無明 「もう少し待って、経過次第で器具を使う。母子の命が最優先だからな!」 「ああ。た、頼むぞ。」 陸斗さんの発言に、李王は動揺したまま答える。 私は、陣痛がくる度に息む。 頭がでればあとは楽。 そう信じてもう一度いきんだ。 すると一気に頭が出て、辺り一面血の混じった羊水でベトベトになった。 投稿日 : 2010 01/03 21:55 投稿者 :ゆうり 「よし、頭がでたよ。検診の時よりは案外、頭は意外と大きくないし、肩も大きくないから多分このまま生まれるぞ。」 陸斗さんは赤ちゃんの頭を支えながら確認してくれている。 「李王、そろそろもう一度お湯をわかせ。」 陸斗さんは李王に支持をしてる。 「わ、わかった。あとタオル・・・。・・・ったあああああ!?」 李王はあわてて角に足をぶつけたみたい。 投稿日 : 2010 01/07 00:23 投稿者 :ゆうり 「おいおい。李王、しっかりしてくれよ。」 陸斗さんは苦笑いをして呆れているが、私は笑う気力もない。 「ふぅ、ふぅ、んぅ??!」 私は、また息むと肩が出てきた。 「もう力抜いていいぞ。」 陸斗さんがそういうと私の子宮口からするりとまではいかなかったけど、ゆっくりでてきた。 「ふぎゃ、ふぎゃ。」 「良ちゃんおめでとう。元気な女の子だよ。」 「お、う、生まれたか。」 李王はお湯を持ってきたみたい。 陸斗さんは私と赤ちゃんの処置をしてくれた。 そして私は李王と赤ちゃんとの三人での暮らしが始まった。 続編:会社 season2 → |