一部、読みやすさを考慮し、改行を入れさせて頂いた部分がございます。(熊猫)
一部、明らかなミスタイプがございますが、そのままにしてあります。(熊猫)
投稿日 : 2008/09/19(Fri) 19:00 投稿者 : ぽんぽん 「助けて・・・」 美弥が叫んでいます。 今、美弥のお腹の中に何かがいます。 しかも、少しずつ成長しています。 美弥に取り付いたのは、新種の悪霊です。 普通の霊などより、強力な力を持っています。 さて、どうして美弥は悪霊に憑かれてしまったのでしょうか? それは・・・ 美弥は村の一人娘でした。 それなりに村からすかれている、かわいい娘でした。 ある日、村に狼がやってきました。 性欲を持て余していたようです。 それで村長は、美弥を縛りはじめました。 美弥には何が起こっているのか分かりません。 その時、村長が、美弥を蹴って狼の方へやりました。 狼は美弥に食いつき、その処女の中に果てました。 美弥には、苦痛と憎しみしかありませんでした。 投稿日 : 2008/11/23(Sun) 04:50 投稿者 : 出産子 狼に処女を散らされ、その性を胎内に受けた美弥は、穢れた娘として村を追い出されました。 その身を捧げ村を救ったというのに、酷い仕打ちです。 その日から美弥は、一人森をさ迷い暮らすことになりました。 15年間、当たり前のようにあった暖かな食事も柔らかなベッドも、人間らしい生活は全て失いました。 寒さに震えながら、小さな木の実を食べ、川の水をすすり、どうにか飢えを凌ぎます。 美弥はあっという間に痩せ細っていきました。。 そしていつの頃からか、酷く身体の具合が悪くなり、食べ物を受け付けなくなりました。 美弥はあまりの辛さに、そのまま飢えて死ぬ覚悟を決めました。 ですが不思議なことに、お腹ばかりがどんどん大きくなり、やがてそこからは幾つもの鼓動が感じられるようになりました。 そして美弥の意思とは関係なく、身体は生きるために猛烈な空腹を訴え出しました。 美弥は重い身体を引きずりながら、再び森をさ迷い歩くことになったのです。 木の実だけでなく、虫も、木の皮も、土さえも、食べられそうなものは何でも食べました。 食べても食べても、お腹がすきます。 『もっと、もっと、栄養を』 美弥の意思ではなく、まるでお腹の鼓動に操られるように食べ続けました。 ―――その生には、やはり苦痛しかありませんでした。 ですがその苦痛の日々にも終わりがやってきました。 「ぅう…ん…、はぁはぁ…、ぅううう~~……」 ある満月の夜、今にも破裂しそうなほど大きく張り詰めた腹部が、激しく、定期的に痛み出したのです。 美弥は清潔な産屋ではなく、寒々とした森の中、大きな樹の根元で誰の手助けもなく出産することになったのです。 そう、まるで獣のように。 それが、美弥に取り付いた悪霊の呪いなのです。 「助けて…」 美弥の叫びが、森に響き渡ります。 投稿日 : 2008/11/23(Sun) 18:26 投稿者 : 無名改め無明 (別の人の視点になります。) 森の中を一人の狩人が歩いています。 「こ、ここはどこなんだ?村へはどっちなんだ!?」 その晩、その狩人は狩りに出たまま森の中で迷い、帰れなくなっていたのです。 すると、森の奥から獣の唸るような声が聞こえてきたのです。 荒い息遣いも。 「あわわわわ……」 彼は恐れながらも声のするほうへ近づいて行きました。 草むらに隠れ、木々をかき分け、泥まみれになって。 するとその先にあったのはとても大きな木。 そしてその根元に座り込んでいたのは、ボロボロの服をまとった少女。 その体つきから、妊婦であることもわかりました。 投稿日 : 2008/11/24(Mon) 11:38 投稿者 : ナンカワ 最初狩人の男は警戒しました。 なにしろこの周辺の森では物の怪……つまり悪霊が少女の姿に化けて、油断した相手を食べてしまうというのはよくあること。 森で助けを求める人間は基本的に無視する、このことは、もはや狩人の間では常識と言ってもよいことでした。 「ぅう…いっ痛い…たすけ………ッあ」 少女は尚も呻き続けています。 そこで狩人は一旦足を止め、目の前に銃をかまえます。 もしそこにいるものが物の怪ならこの銃で心臓を打ち抜き、もし本当に少女なら………とりあえずそのときのことは後で考えることにしました。 そして少女のもとまで辿り着いた狩人は、思わず息を呑みます。 少女の体は痛々しいほど痩せていてあばら骨がうきでています。 しかしその腹部だけは、痩せた少女とは不釣り合いにぷっくりとふくれ、そのあまりの大きさに人外の気配は感じさせます。 やはり人間ではなかったのか、狩人は一瞬そう思いました。 が、くしゃくしゃになった長い髪の中から大きな瞳に涙をいっぱいに溜め、 上目づかいに助けをもとめるようにこちらを見る少女をが物の怪であるとはどうしても思えません。 この少女は人間だ。そう思いたい狩人でしたが、無視できない点が一つありました。 この少女の大きすぎる腹部と、それにつながる小さな秘部……そこから見える頭部と思わしきそれそれは、明らかに人間のそれとは違うものでした。 悪霊が誕生しようとしていたのです。 投稿日 : 2008/11/24(Mon) 22:30 投稿者 : 無明 「君!何があったんだ!!話してくれ!」 とりあえず狩人は事情を聴いてみることにしたのです。 しかし、少女は到底しゃべれる状況ではありませんでした。 その時、ふと気付いたことがあったのです。 少女の股間からのぞく、魔物のような頭も、今見ると人間とそれほど変わらないということ。 ただ、頭には犬の耳らしきものがあったのです。 「狼神様か……」 狩人が呟きました。 投稿日 : 2008/11/26(Wed) 05:29 投稿者 : 出産子 狼神は穢れた神として忌み嫌われ、災いをもたらす悪霊として畏れられています。 その誕生を見過ごすことは出来ませんが、それでも森を護る神であることには違いありません。 もし狼神を傷つけるような、まして殺すようなことがあれば、呪われ永遠に生と死の間をさ迷うことになります。 「ぅう…苦しい…痛い…、た、助けて…ぇ…っ」 それに狼神の誕生を阻止するということは、この目の前で産みの苦しみに悶絶している少女の命ごと奪うということです。 「あ、ああ、オレはどうすれば…」 とりあえず少女の身体に触れようとしたとき、狩人は獣の気配を感じハッと辺りを見回しました。 いつの間にか沢山の獣囲まれています。 暗い森の中から現れたのは、沢山の人間ほどの大きさの狼―、狼神の群れでした。 「…っ、きゃぁあああっ、い、いやぁああ!来ないでぇえええ~~~っ!!」 狼神に気が付いた少女が、絶叫します。 「う、うわぁああ!」 狩人も恐れ慄きますが、巨木を中心に囲まれているので、逃げられません。 狩人は獣を撃つ銃を背中に担ぎ、巨木にしがみつき必死に登り逃げました。 少女も苦しみながらも後ずさるように逃げようとしますが、すぐに背を巨木に阻まれてしまいました。 「いやぁあ~~、ああ~~~~~」 結局、狼神に向かって足を大きく広げるような格好になってしまいました。 怯え泣き叫ぶ少女に向かって、狼神が数匹ゆっくりと、どこか威厳のある様子で近寄ってきました。 群れの中でも一回り体が小さいので、どうやら雌のようです。 「いや…来ないで…、…うっ!あぅううう~~っ、い、痛い…ぃ…っ」 陣痛が容赦なく少女を襲い、膣から羊水が噴き出します。 雌の狼神たちは少女の秘所に鼻先を近づけ匂いをかぐと、ソコから覗く新たな眷属の頭部を、いとおしむようにぺロリと舐めたのでした。 投稿日 : 2008/11/26(Wed) 05:31 投稿者 : 出産子 (美弥視点) この世に誕生しようとしている悪霊が、美弥の身体に苦痛を与え続けます。 まるでこの世の全ての痛みが、美弥の腹部に集まっているようでした。 子宮は容赦なく収縮し、腰は割れるように痛みます。 「ああ~~~っ、ぐぅう…、ぅううううううう~~~…っ」 そして美弥の未成熟な、一度だけ異物を…狼神の巨大なペニスを受け入れたことのある膣が、今度は胎内からこじ開けられていくのが分かります。 それはあまりにも大きく熱く、身体が内側から切り裂かれていくようでした。 美弥の身体は汗に濡れ、月明かりに怪しく浮かび上がっています。 痛みに翻弄されながら誰かに助けを求めたような気もしますが、神を産み出そうとしている美弥を助けられる人間などいるはずがありません。 それに目の前に、狼神の群れが現れました。 あのときに村を襲い、美弥を犯し孕ませた狼神もいます。 「…っ、きゃぁあああっ、い、いやぁああ!来ないでぇえええ~~~っ!!」 痛みと恐怖で、美弥は絶望しました。 もう、誰も助けてくれません。 美弥は今度こそ、苦痛と恐怖の中、死を覚悟しました。 数匹の狼神が、美弥の大きく開かれた足の間に入り込み、痛む秘所をぺロリと舐めます。 まだ誰にも触れられた事のない、まして愛撫などされたことのない女性器をペロリペロリと。 今度こそ食い殺されるに違いありません。 ですが狼神のその行為はどこか優しく、まるで出産を助ける母のようでもありました。 「はっ、あぁあん、…痛…っ、ぅうう…、い、いや…あ、はあんっ、…ぅうっ、あああああーーーっ」 もう美弥は、激痛と生まれて初めて感じるどこか快感めいた感覚にわけが分かりません。 そうしているうちにいつの頃からか、自然に下半身に力を込めるようになっていました。 子宮の収縮に合わせて、悪霊を…狼神の仔を産み出すために。 「う、ううーーーー…んっ!はぁはぁっ、ふぁあっ、イタぁい!あぁあん、んぅううー………………っ!!」 息みに合わせて美弥の股間が大きく盛り上がります。 ですが美弥の出口はとても小さく、会陰はまるで狼神の仔の頭を護るかのように包み込み、美弥が力を抜くと胎内に押し戻してしまいます。 「ひぃいっ!ああ、痛…ぃい…っ。う、ぅう~~ん、はぁはああ、ぐ、ぅううーーーーー……っ!」 やせ細ってぼろぼろの美弥は、まるで命を振り絞るようにして息みます。 痛みも恐怖も忘れ、今はとにかくこの異物を身体の外に出すことしか考えられません。 「ああ…っ、出て…お願、い…っ、出てぇ!ぅ…んん゛ーーーー……っ!!!」 また股間は大きく盛り上がり、雌の狼神たちも、まるで仔を導くように必死にソコを舐めます。 会陰は今にも裂けそうにピンと張り詰めていますが、幸か不幸か裂けることはなく、仔は押し戻されます。 出産をするには、美弥の身体は幼すぎたのです。 「ああああっ、助けて…だ、だれか…お母さ…ん…っ。はぁはぁっ、助けて…だれかぁ……」 このままでは美弥と共に狼神の仔も産まれることなく命を落とし、美弥の呪いは永遠に続くでしょう。 「痛い…痛いぃい~~……助けて……、だれか……、…っ狼神様ぁ!たすけてぇええ~~!」 助けを求める美弥の、まるで神に祈るような叫びがが、森に響き渡ります。 投稿日 : 2008/11/26(Wed) 18:49 投稿者 : ナンカワ このままでは母体がもたない……どうやら狼神達はそう判断したのようです。 狩人は絶望しました。 このまま木の上に隠れていれば自分だけは助かったかもしれない、そんな思いが狩人にはありました。 もちろんそうすれば少女を見捨てることになりますが、そんなことを言っている場合ではありません。 ときには薄情になる……これも厳しい自然を生きる狩人の鉄則です。 一体の狼神が狩人のいる木に近づいてきます。 狼の嗅覚は、自分たちの縄張りに潜む侵入者を見逃しませんでした。 木に登れないのでは?という狩人の淡い期待は一瞬にして裏切られます。 突然木に近づいてきた狼は、森全体に響き渡るような大声で吠えました。 「神」の一喝を受けた巨木は、まるでそれが巨木ではなく細い竹なのではないかというくらいのあっけなさで、ぺたんとしなってしまいました。 当然上に登っていた狩人は、狼神のいる地面へと叩きおとされました。 狩人が落ちた先は、まさに先ほど近づいてきた狼神の目と鼻の先でした。 「たっ助けてくれ!!頼むっなんでもする!!!なんでもするから……」 しかし狼神の血走った眼に慈悲の感情は写っていません。 その表情は、おまえをバラバラにして、あの少女に喰わせ、狼神誕生の養分にしてやる……とでもいいたげです。 そして狼神の鋭い牙が、狩人の体を貫こうとしたそのとき 「わっ、わかった!俺があの子のお産の手助けをする。俺狩人になる前は助産師の仕事してたんだ、嘘じゃねえ!!」 狩人はこう言いました。 狼神はそこで動きを止めました。 どうやら狩人の言葉を理解したようです。 そして狼神は後ろに向きなおりついてこいとでもいいたげに、少女の元へと歩んでゆきます。 そして狩人がその後ろをついてゆくと、周りを取り囲んでいた狼神達は、その道を開けます。 そして狩人は少女のもとへたどり着きました。 そしてついに、狩人は少女の助産をすることになったのです。 ただ、一つ大きな問題がありました。 彼は本当は女のお産に立ち会ったことなど一度もなかったのです。 投稿日 : 2008/11/27(Thu) 03:36 投稿者 : 出産子 とは言え彼は狩人、獣の出産なら見たことはありますし、飼ってる猟犬の難産を取り扱ったことがあります。 もっともそのときは、生まれて来る仔の命を優先して母犬の腹を裂いて取り出したのですが…。 目の前で苦しむ少女の腹をそのときのように裂けば、狼神の仔の命は救えます。 仔を死なすようなことがあれば、狩人は間違いなく狼神の群れに食い殺されるでしょう。 「お、おい、娘さん、大丈夫か?しっかりしな…」 少女は分かっているのかいないのか、ぼんやりと狩人を見上げています。 「ぅうーーーっ、はぁあはぁあ゛っ、あああ゛~~~っ」 少女は陣痛の度にビクビクと身体を震わせ、鬼のような形相で苦しんでいます。 ですが狩人を見上げている瞳は、涙に濡れているものの美しく澄み切っていました。 狩人は自分の命を護るためにも絶対に狼神の仔を無事に取り上げなくてはなりませんが、 そのためにこの少女の腹を裂き命を奪うことなど、とても出来なくなっていました。 何とかして二つの命を救うことは出来ないか…、狩人は思案しながらとりあえず少女の足の間を覗き込みました。 普段なら絶対に見る機会などないであろう少女の清らかな秘所は、羊水に塗れ、仔の頭で醜く盛り上がっていました。 「ふぅうう~~~ん゛っ、…で、ない、出ない…のぉ…っ、ううーーーーっ!!」 少女の腹部は、外から見ても分かるほど子宮を収縮させどうにかして仔を押し出そうとしていますが、 如何せん、膣から繋がる出口が小さすぎるようです。 その肉の壁の割れ目は、目一杯広がっても仔の頭の半分くらいの直径しかないようです。 そこから、狼の耳を持った仔の頭がもどかしげに蠢いているのが分かります。 狩人は、ふと考えました。 少女の腹を裂かなくても、この出口をもう少し広げれば出産できるのではないか? 頭が出てくれば、身体も問題なく出てくるはずです。 「ぁうう…、ん、んん…っ、ふ……ぅ…、だれ…か、…タス…ケ………」 そうしている間に少女は意識が朦朧としてきたようで、手足を投げ出しぐったりとしています。 迷っている時間はないようです。 狩人は最後に覚悟を決めるように。後ろを振り返りました。 狼神の群れが、じっと自分達を見つめています。 「あ、あの、絶対にお仔様の命を、お助けしますから…!」 狩人は、獲物を捌くための鋭いナイフを取り出し、飲んで身体を温める為のアルコールを掛けて消毒しました。 「娘さん…、ちょっと我慢しなさいよ…」 狩人はついでのようにアルコールを一口呑み呼吸を整えると、ピンと張り詰めた会陰と仔の頭の間に指を入れ隙間を作りました。 そして頭を傷つけないように気をつけながら、スッとナイフを滑らせ…。 少女の大事なところを切り裂いたのです―。 投稿日 : 2008/11/27(Thu) 23:33 投稿者 : 無明 「う、ううう、ううん・・・!」 少女の息みとともに、先ほどまでつかえていた仔が少しずつ降りてきました。 「ふぅう、うう!」 そしてどれほどの時がたったのでしょうか。 産まれたのです。 人間とそう変わらない産声をあげたその仔を見て、狩人もほっとしました。 ですが、このとき少女の胎内には、まだ4人もの仔がいたのです。 投稿日 : 2008/12/22(Mon) 03:58 投稿者 : 出産子 (美弥視点) 見知らぬ男が鋭いナイフを手に持ち、美弥に迫ってきます。 助けを求めたこの男は、美弥の命を奪うつもりなのでしょうか。 美弥はナイフを持った男から逃げようとしましたが、激しい痛みと疲労から身体はまったく言うことを聞きません。 それどころか、どうにか仔を産み出そうと力を入れ続けています。 「娘さん…、ちょっと我慢しなさいよ…」 やがて男は美弥の恥ずかしい大事な部分に手をかけ、あろうことかナイフでソコを切り裂いたのです。 「ヒィイッ!やめてっ、いやぁあ…っ、痛ーーー…っ!」 衰弱しきった身体に、新たに焼けつくような痛みが加わりました。 そして痛みとともに、ソコからずるりと大きな塊が滑り出たのが分かりました。 美弥を苦しめ続けていた仔の頭が、ようやく出たようです。 性器は切り裂かれてしまいましたが、命には換えられません。 「あぁんっ、…んっ、んーっ、ハッハッぁ!…ぅん゛ーーーーっ!」 「い、たい…ぃ…っ、お母、さぁ…んっ、ぅぐううううーーー…………っ!!」 必死に力を入れ続けると、ずるずると少しずつ仔の体が産道となった美弥の膣から出て行きます。 「ふぅう、うう!」 そしてどれほどの時がたったのでしょうか。 産まれたのです。 熱く大きな塊が抜け落ちたその瞬間、美弥を襲っていた痛みが嘘のように消え去りました。 「はぁ…はぁ……。ああ…ぅ……ん、ん…、…う、産まれ…た…の…?」 産み落とした狼神の仔の産声を聞きながら、美弥は涙を流しました。 それは母になった喜びからでなく、ようやく長い苦痛と、狼神の呪いから解放されたという安堵の涙でした。 (村のお母さん、お父さん…、これでやっと、帰れる…!) 投稿日 : 2008/12/22(Mon) 04:01 投稿者 : 出産子 出産を見守っていた狼神たちは、新しい命の誕生を祝うように遠吠えを繰り返します。 美弥は、男が臍の緒を細く裂いた布できつく縛りナイフで切るのをぼんやりと眺めていました。 「娘さん…、その、大事なとこ切っちまったけど、勘弁してくれよ…あとで綺麗に縫い合わせて手当てしてやるからな」 「さあ、元気な赤ん坊だ。娘さんが産んだ狼神さまのお仔様だ…乳を吸わせてやんな」 そう言って男は、産まれたての、美弥の血をまとったままの赤ん坊を胸の上に乗せました。 「…えっ…」 美弥は驚きました。 一人っ子の美弥は産まれ立ての赤ん坊を見るのも初めてですが…、目の前に現れた仔は狼の耳と尻尾をもち、 薄く開かれた瞼の奥の瞳は白目が少ない金色で、人のようでありながら、明らかに人とは違うものでした。 血を見るだけでも恐ろしいのに、こんな異形のものが自分のお腹から出てきたなんで信じたくありません。 「いや、いやぁ…、何これ、こないで…、あっちへ行ってぇ…」 怯える美弥の願いもむなしく、仔は肌蹴たぼろ布のような服の隙間から覗く乳房を探し当て、自分から吸い付きました。 美弥のささやかだった胸の膨らみはいつの間にかパンパンに張り詰め、母乳を溢れさせていました。 やせ細って骨が浮いた身体とは、あまりにも不釣合いで醜い程に。 じゅっじゅっ、と勢い良く仔が母乳を飲んでいるのが分かります。 赤ん坊が母の乳を飲むとう普通の行為でさえ、美弥には狼神に犯された記憶と繋がり恐怖でしかありません。 「いや…ヤメテ…っ、助けて…、こ、こわい…、やだぁ~」 自分で仔を引き離すことも出来ず、美弥は土を握り締め、がたがたと身体を震わせながら耐えるしかありませんでした。 「お、おい、娘さん、どうした、大丈夫か?寒いのか?血を流しすぎたからな、しっかりしろ」 震える美弥を心配した男が、自分が着ていた上着を乳を吸う仔と美弥にかけてくれましたが、それは美弥の望みとは違います。 違うと訴えようと口を開いたとき、美弥のまだ膨らんでいた腹部に痛みが走りました。 「ちが……、…あっ!?いっ、いた、痛いっ!お腹、が…っ!」 突然襲ったその陣痛のような痛みに、美弥は思わず下半身に力をいれ息んでしまいました。 出産したばかりの膣の奥から、ばしゃりと熱い液体が溢れ出るのがわかりました。 「い、いや、そんな…っ!…痛っ、…ぅう、ううううう~~~~っ!!」 仔を産み落とし呪いからは解放されたはずなのに、痛みと息みの衝動は治まりません。 「娘さん!?…あっ!こ、これは…」 突然苦しみ出した美弥に驚いた男は、ソレに気づき、美弥の股間を凝視しました。 切り裂かれ血を流す秘所から、狼神の、獣の鼻先が覗いていたのです。 「ああ…そんな…」 「うっ、ぅううっ!で、出る…ぅ、なにか…、がぁ!いたい…っ、ぁああああああ!!」 美弥の呪いはまだ終わりではなかったのです。 このとき美弥の胎内には、まだ4人もの仔がいたのです。 最初に産まれた人の姿に近い狼神の仔に仕える、狼の姿をした仔が4匹。 人間の赤ん坊ほどの大きさの4匹の獣を無事に産み落とすまで、美弥の呪いは続くのです。 投稿日 : 2009/01/02(Fri) 20:02 投稿者 : 無明 「おいおいおいおいおいおい………どう言うこった、こりゃあ…」 狩人も驚きました。 そして恐る恐る振り向くと、こちらを睨みつけながら唸る狼神の群れ。 「わ、わわわわ、なな、何とかしますからこの通り!命だけは!!」 しかし狼神の怒りは収まりそうにない。 「お、おい嬢ちゃん!」 「い、嫌ぁ、産みたく、産みたくなんかない!」 泣き出す美弥に狩人は怒って、 「嬢ちゃんがどんだけいい生活をしてきたかしらねぇがな、これだけは言わせてもらうぞ! 赤ん坊ってのはな、母親が世話してやらねぇと死んじまうんだよ!それにな、子供産むんなら責任持って育てやがれ!!」 そして小さな声で、 「住む場所とかないんなら俺の家まで連れて行ってやるからさ。」 とつぶやきました。 投稿日 : 2009/04/01(Wed) 00:20 投稿者 : ナンカワ 「えっ…」 美弥は驚きました。 そう言った狩人は少し照れて目をそらしました。 恐らく動転した美弥を安心させるため、彼女の境遇を哀れに思った故の、狩人の何気ない気遣いだったのでしょう。 美弥は朦朧とする意識の中で、確かに、彼が自分を心配してくれたということを感じ取りました。 しかし 「あり……がとッ…おじさんでも…ううっ…私はお母さんとぉ……お父さんのとこへ帰るのぉぉっ!!」 最後は悲鳴に変わっていました。 狩人は 「お、おいおいおじさんはよしてくれよ、これでもまだ二十歳過ぎなんだからよ」 と乾いた笑いで答えました。 確かに彼は狩人特融の髭面のせいで、周りから見た目より老けていると言われる彼ですが、おじさんと言われては心外です。 「はぁ~……でっでちゃうぅ…くああぁっ……」 「ああそうだ、出して楽になっちまえ」 狩人はそう言って美弥の分娩を促すべく、美弥のそこに触れようとしました。 が、 「嫌っ、来ないでっ!もう産みたくないっ…産みたくないよぉっ」 「おい落ち着け!とりあえず柔らかい布を…ッいでっ!!」 美弥が狩人の体にしがみついて、鋭い爪を立てました。 やはりどんなことを言おうと、女性の体というのは胎児を外へ出すべく本能的にいきんでしまうのです。 そして消え入るような声で何かつぶやきました。 「いたたたっ!ちょ、嬢ちゃん爪たてんのよせって……え?今なんて?」 狩人は美弥の言葉を聞いて氷つきました。 それは生物であれば必ず必要なもの ましてやお産のときなど必須と言っていいもの しかしこの場でそれが手に入るか、それ以前にそんなものがそこにあるのか。 とりあえずこの先もそれは必要になってくるでしょう。 狩人は覚悟を決めました。 狩人は狼神たちのほうへ、ゆっくりと近づいてゆきました。 荒ぶる神たる獣は、むきだしの鋭い牙から、涎をあふれさせ恐ろしい唸り声をあげます。 限界まで近づいた狩人は、ふこう言いました。 「あ、あの水もらえませんか?」 投稿日 : 2009/04/01(Wed) 00:50 投稿者 : 無明 「……?」 狩人がいぶかしみます。 すると狼神は、大きく吠えたのです。 「わぁ!?……えぇ……」 曲がりなりにも神。狼神は鳥たちに命じて、水場から水を持ってこさせたのです。 丸い形の木の葉から一滴もこぼれることなく持ってこられた水を見、狩人はまたしても驚きました。 「すごい………ほら娘さん!頑張るんだ!!」 リテイク版 → |