高速出産

一部、読みやすさを考慮し、改行を入れさせて頂いた部分がございます。(熊猫)

投稿日 : 2008/07/14 23:03 投稿者 : 春の月

その日俺が家に帰ると、いつも迎えてくれる妻が出て来なかった。
部屋に入って行くと、妻はリビングのソファーに横になっていた。腹は大きくせり出し、もういつ生まれてもおかしくない。
「お帰りなさい。ごめんね、玄関まで行かなくて」
妻は少し顔色が悪い。
「いや…それはいいけど、どうした?大丈夫?」
「ちょっと腰が痛いの。大丈夫だと思うけど…それよりあなたお腹空いてるでしょ?ご飯にしよ。簡単なものしか作れなかったけど。」
 こうして俺達は晩飯を食って、妻はまた少し休むと言って横になった。
やはり腰が痛いという。俺はしばらく妻の腰をさすってから風呂に入った。



投稿日 : 2008/07/14 23:29 投稿者 : 春の月

「お先に。お前も入る?」
「私今日はやめとく。お腹も張ってきちゃったし...」
「大丈夫か、ほんとに。腰もまだ痛む?」
「うん...なんかだんだん痛くなってきちゃった。」
「おいおい...病院行ったほうがよくないか?」
「んー...もう少し様子見てみる。」
「そうか?それ以上ひどくなるなら言えよ。」
「分かった。」
しかし妻の腰の痛みはいっこうによくならず、少しずつひどくなっているようだ。
1時間半たってやっと妻は病院に行くと言い出した。
「じゃあ立てるか?ゆっくりでいいから。」
そう言って俺が助け起こし、3、4歩あるいたその時だった。




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