大家族10男10女ができるまで

投稿日 : 2009/03/19(Thu) 00:51 投稿者 : あや

大きなお腹で結婚式をして3ヶ月。付き合ってからは3年。桐子を陣痛が襲った。
「あっ............」
桐子が洗濯機にスイッチを入れた瞬間だった。痛い。ズキッと一瞬。確かにお腹は硬く張ってきていたけれど。
10分後、次の痛みがやってきた。初産にしては早い。繰り返される痛み。
「いたたたたたっ!」
桐子はソファに倒れ込んだ。お腹をさする。
いまは平日の真昼。病院に行くのは早すぎる気もするが旦那には連絡したい。お腹を支えながら這いつくばって電話を手にする。
「あなた...はじまったわ。」
「大丈夫か!?今から帰るからな。」
「ええ。」
夫を待って早1時間。無我夢中で痛みに耐えていたが、ふと間隔を計るとまさかの2分間隔。ソファの上に仰向けになって寝てみる。自然と足が開く。
その時、
「パンッ」
「あぁっ!」
破水してしまった。一気に増していく痛み。そして不安。自然とショーツを取り、力を入れていた。痛みで電話などできない。だから病院に連絡できない。
「んんんーーーーーぅーっ!はっはっはああっ............あ"ぁんーうううっ!!!」
陰部に手をやる。頭に触れた。そっと陰部をなでる。片方の手で腹をさする...というか押す。
「うぅんーーーーーあ"ぁんっ!生まれて...痛いっ痛いっ!あそこが裂けるよーーーおぉぉうおおーーーーーー!んーーーーーーんーーーーーーう!はぅーんっ!あっあっあっ!」
焼けつく痛みと同時に頭がブリッと出てきた。その時旦那が帰ってきた。
「桐子!あ!頭が.........」
「もう生まれるわ...。取り上げて頂戴。」
「わ...わかった!」
また痛みが桐子を襲う。桐子は両手で腹を押しながらいきむ。
「んんぅーーーーーーーーーー!引っ張って!」
ぎゅーっと博文がひっぱる。
「裂ける!裂ける!あっあっいたいーーーーーーーーーーーーっ!」
こうして長男、琢磨は誕生した。桐子も琢磨も救急搬送されたが、母子共に無事であった。



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