HRRPG‐妊娠出産物語‐~魔王編~

一部、読みやすさを考慮し、改行を入れさせて頂いた部分がございます。(熊猫)

投稿日 : 2007/03/09 00:33 投稿者 : 宵闇

「ここがプレナシーか。」
一人の男性・・・。いや、青い肌にエルフみたいにとがった耳。魔族。彼はその最期の一人だった。
彼の名はスパーム。
魔族の再建のため、この世界にやって来た。
魔族の男性の精はあらゆる生物の中で優性。しかも、産まれてくるのは純魔族として産まれてくる。
つまり、母親から受け継いだ遺伝子の人間としての部分は完全に破壊されるのだ。
・・・魔族の女性の卵子には遺伝子破壊作用を無効にする働きはあるが、破壊作用はないので安心してほしい。
彼はこの世界の少女をどうやってさらうかを考えていた。



投稿日 : 2007/03/13 12:47 投稿者 : シンス・コゴロク

「いやぁ!誰か助けてぇ!」
「ん?」
人間を助けるつもりはさらさらないが、恐怖に駆られた女性の悲鳴に、スパームは意識が動いた。
悲鳴がしたほうに行ってみると、着衣が乱れている女とそれに襲い掛かっている男がいた。
男の手が、女の下着にかけられる。
「……下衆が」
スパームは読心術を試み、口を歪めた。
どうやら二人は恋人ということではなく、見たとおり男が女を強姦しようとしているところだった。
「ほら、俺のもしゃぶれよ!お前も感じているんだろ!?」
「ヤダ…ヤダ…お母さん助けて…」
「おいおい、ここは森の中だぜ。ママさんはおろか、だれも助けにきやしねぇよ」
「確かにだれも来そうにないな…」
男の言葉を聞いてスパームは考えついた。
「よし、ちょうどいい!この女を頂こう。ルックスもなかなかだ」
音もなくスパームは男の背後にとりついた。
「その女を渡してもらおうか…」
「アァン!?だれだ邪魔す…」
相手が魔族だと分かり、男の言葉が途中で恐怖にすくむ。
女も気を失っている。
「その女を渡せというのだ…」
「ふ…ふざけるな!この化け物!」
男は懐からナイフを取り出しスパームを刺そうとしたが、それより先にスパームが軽いボディーブローを放っていた。
ボギュッ・・・
なんとも言えない音がして、男は崩れ落ちた。
その一撃で男の内蔵は破裂し、絶命していた。
「ふん、魔族と分かっていながらも私に立ち向かった褒美だ。お前をわたしの奴隷にしてやろう。もちろん魔族は愚か、人間より下等なアンデッドとしてだが…」
スパームは気絶している女と男の屍を両脇に抱え、自分が住処としている洞窟に帰ることにした。



投稿日 : 2007/03/13 13:34 投稿者 : シンス・コゴロク

「ん…」
「気づいたか、ローザ?」
「え…あなたは…きゃあ!」
スパームに連れ去られた女、ローザは悲鳴を上げた。
もちろん、声をかけた相手が魔族だったからだ。
「あ…あの男とあなたから逃げられたと思ったのに…でも、どうして私をあの男から助けてくれたの?」
「助ける?ふん、そんなつもりはない。皮肉な事だが私の目的は、あの男と同じ…いや、もう少し進んでいる…そなたに魔族の子を産んでもらいたくてな…」
ローザの瞳に恐怖と絶望の表情が浮かんだのを見て、スパームは舌なめずりをした。
人間の恐怖と絶望は魔族にとって何より甘い物だ。
「いや…『助ける』理由がひとつあったな…あんな下衆に乱暴に犯されてはそなたは一生性の喜びを味わえないだろう…」
「そんな…魔族に…あっ!」
スパームに頬をなでられ、ローザは声を上げた。
思いもよらない快楽が身体を駆け抜ける。
頬をなでられただけなのに、だ。
「甘い…魔族からの快楽に人間は誰も逃れられん…」
そう言ってスパームは強引にローザの唇を奪い、舌をねじ込んだ。
魔族の唾液には人間にとって超強力な媚薬の効果がある。
「ん…んふぅ…」
嫌でもスパームの唾液を舐めさせられ、ローザの口から甘いため息が漏れる。
「どうした、もう本気で濡れたか?」
スパームがローザの膣に指を入れる。
とたんにローザの口から大きな嬌声が漏れた。

10分も経つと、魔族の快楽の虜になったローザは、スパームを受け入れていた。
そして1時間弱も攻め立てられ、何回も絶頂を味わっていた。
やがて、スパームにも絶頂が近づく。
「あ…またイッちゃう」
「で…出そうだ…」
「出して!中で出して!」
スパームはローザの中で達した。
「ああああ!イクうううぅ!」
スパームが中ではじけるのを感じ、ローザも達し、そして気絶した。
「ふぅ…」
気絶したローザから離れ、座って彼女を見下ろしたスパームは息をついた。
「やがて、魔族の子が生まれるであろう…」



投稿日 : 2007/03/29 09:19 投稿者 : ブルーセージ

「うっ、お腹が・・・うぶぅ、あつっ、ぅう・・・」
魔族の精が、ローザの子宮を作り変わろうとしている。
それに伴う炎症のような発熱が、絶えずに襲ってくる。

「人間ともの言うところの『つわり』のようなものだ、我慢しろ」
そして、助けを求めようとしている彼女を冷たい視線で見下ろす魔王。

それは、約一週間の間の日課だった。
魔族の子は成長が早いようで、受胎から半月経って、
もう人間の赤ちゃんのような胎動が判るほどになっていた。

これを境に、ローザが変わった。反抗的な態度から
一転して、お腹の胎児とその父親である魔王に、
まるで聖母のような慈しさで接していた。

「人間とは、つくづく面白い生き物だな」
絶句する魔王。彼の心境もまた、何か変わろうとしているのか?



投稿日 : 2007/03/30 05:11 投稿者 : ブルーセージ

魔性に満ちた赤い満月が空高く昇り、不気味に輝いている。

空が、魂が、夢が、現が、宴のように踊り狂う。


少し高めの台座に、陣痛が始まったローザが安置されている。

アンデット共の騒ぎを鎮め、魔王はローザに旨を下す。

「死ぬんじゃないぞ、これからもっともっと産ませるからな」
「はい・・・魔王様・・・ローザ、頑張ります・・・」


今宵は、生を受ける儀式が行われる夜。祭りの夜。



投稿日 : 2007/04/11 18:50 投稿者 : シンス・コゴロク

「……あああああ………」
「何だ?森の方向から、女の悲鳴が聞こえるぞ?」
「空耳じゃないか?こんな時間に森に女なんかいるはずが…」
「だって、ほら!」
「…ううううう……」
「本当だ…魔物じゃないのか?最近ローザちゃんとヨナが神隠しに会った森だし、今日の月は不気味だし…」
場所はほんのちょっとだけ変わって、ここはスパーム達が住んでいる森の近くの村だ。
彼らが聞いた悲鳴は魔物の悲鳴などではなく、ローザの出産時のいきみ声だった。



投稿日 : 2007/04/13 21:02 投稿者 : ブルーセージ

「……おおおおお………」
「やはり放っておけないな、ボクが様子見にいくよ」

不気味な声が続くこと一時間、村の入り口で哨戒している
二人の男の一人が、胸騒ぎを止めずに森へと踏み入れた。

「…いいいいい……」
「間違いない、これは魔物じゃなく女の悲鳴だ・・・」

松明を手に歩く男は、懐から小さなペンダントを取り出した。
妹のローザからもらった、今はもう形見同然になった物だ。

「……えええええ………」
「なぜだろう、この声、ローザと似ているように聞こえる・・・」

男は、さらに深く森に入っていく。謎の声がする方向へ。



投稿日 : 2007/04/18 00:33 投稿者 : シンス・コゴロク

とうとう彼はある洞窟にたどりついた。
声はここから聞こえてくる。
進んでいくと声はもっと明瞭になってくる。
男は声を頼りに進み続けた。
「ローザ?お前なのか?」
もう少しで広いところに出るだろうと思われるところでローザの兄、ローランは妹の名を呼んだ。
「えっ?兄さん?」
妹の声が帰ってくる。
ローランの心に喜びと疑問が沸き起こったが
「何者だ?」
と低い声が聞こえ、さらに現れた姿を見て凍りついた。
姿を現した者はもちろん、魔王スパームだ。
「人間がこんなところで何をしている?」
スパームがいたぶるような声で尋ねる。
だが、ローランが答えるより先にローザの声が響いた。
「やめてください魔王様!その人は私のあ・・・に・・・あああああああ!」
「ローザ!」
ローランはスパームの横をすり抜け、走り出した。
スパームもローザがやめるように言ったので特に制止はしなかった。
ついにローランはローザがいる広間に躍り出た。
「ローザ!」
だが次の瞬間、ローランは絶句した。
彼の妹は台座で全裸で脚を大きく広げて座っていた。
彼女の裸体の腹部は大きく膨らんでいた。
そして広げた足から見える膣口からは、青い肌を持つ赤ん坊の頭がのぞいていた。



投稿日 : 2007/05/12 15:04 投稿者 : シンス・コゴロク

「こ・・・これは一体・・・!?」
「に・・・兄さん・・・私・・・あああああ!!!」
再び陣痛が来て、ローザが台座の上で悶える。
しかし、ローザの声は苦痛の声だけではない。
魔族の肌は触れた人を性的に興奮させる効果がある。
その効果でローザは性的に興奮し、怪しく悶えた。
「こ・・・こいつは、さっきの化け物の赤ん坊・・・!?」
「化け物とは失礼な・・・私とローザの子どもだ。おおそうだ、お前の甥か姪と言うことになるな」
いつの間にかローランの背後にスパームが立ち、低い声で言った。
「貴様・・・ボクの妹を・・・!!」
ローランはスパームに襲いかかろうとしたが、スパームがツと右手を挙げると金縛りにあったかのように動けなくなってしまった。
「・・・・・」
スパームはローランを無視し、ローザの膣口を覗き込んで、わざとローランに聞こえるように言った。
「肩甲難産になりそうだな・・・このままでは命にかかわる」
「なに!?」
口だけはローランは動かせた。
「ローラン、取引を使用ではないか」
作り話をあっさりと信じた事にちょっと驚きつつも、スパームはローランに話しかけた。



投稿日 : 2007/05/22 21:37 投稿者 : シンス・コゴロク

「私の部下になれ。そうすればお前の妹は助けよう。お前の命も奪わぬ」
「妹を助けようって・・・お前、ローザが心でも何とも思わないのか!?」
「なんともって・・・」
スパームはちょっと口ごもった。
『おかしい・・・なぜ口ごもる!?』
スパームは自分を奮い立たせて冷たく言い放った。
「思わぬな。人間の女などまたさらってくればいいだけの話・・・」
だがスパームの心のうちはむかむかしていた。
『なぜだ!?魔族の私が人間などに自愛の心を示す必要などない!だが・・・だがなんだこの苦しみは!?』
スパームとローラン。
二人の胸のうちでローザのことが渦巻く。
「あうううんん!!」
ローザが再び声を上げる。
その声を聞いてローランは心を決めた。
「分かった。お前の仲間になろう」
「よし、ではローザの出産を手伝おう」
スパームはローランの金縛りを解いてローザのもとに向かった。



投稿日 : 2007/07/02 13:40 投稿者 : タカシ

「ん、んん、んんんーーーー」

月が西へと沈んだ時、ローザは遂に排臨に入っていた。
制御の知らない魔胎は背筋を凍らせるほどの魔力を放出している。

「あ、あと一息だ・・・頑張れ・・・あは、ははあ」

そして、この異様な魔気を浴びて、正気を失いそうなローラン。
人間だった兄妹は、やがて魔界の眷属になっていくだろう。

一方、スパームは白夜の空を見上げて瞑想している。
ただ産声を待っているか、それとも何かを考えているか・・・



そして、長い夜が明けた。 「姫」の誕生と共に。


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