出産school

一部、読みやすさを考慮し、改行を入れさせて頂いた部分がございます。(熊猫)
一部、明らかなミスタイプがございますが、そのままにしてあります。(熊猫)



投稿日 : 2009/02/03 00:10 投稿者 : 優

20**年
日本は少子化の影響である法律ができた。
「中学校・高校を卒業する条件に子供を一人以上産む」
ということだ。
女子校と男子校が隣り合わせで別けられている。
女子校は教室に生後半年までの赤ちゃんと一緒に登校することができ、
教室の後ろには赤ちゃんのオムツを変える場所や授乳をさせれる場所もあるのだ。
女子は臨月でも学校に通わなくてはいけないため、保健室には分娩室も用意され、数人の助産師も待機している。



投稿日 : 2009/02/03 00:31 投稿者 : 優

そして教師も例外ではなく、女性教師は女子校でしか働けず、
また、一定の年齢までは新入生に出産の実習をするため子供を生まなくてはいけないのだ。
私は神沼明里(あかり)。
女子校の中学一年生で入学したばかり。
だけど今は臨月なの。
赤ちゃんのパパは隣の男子校の子なんだよ。
ほんとは小学生の時に妊娠したらよくないみたいだけど、気にしない、気にしない。
今日が予定日なんだけどまだ新学期始まったばかりだから友達作りたいし学校にきたの。
朝からお腹が張ってるけどいつも通り学校に登校したの。
一時間目はただ張ってるだけだったけど、二時間目あたりから陣痛がキツくなってきちゃった。
だけど二時間目は保健体育の授業。
一時間目も保健体育だったんだけどね。
保健体育は週に8時間もあって出産や出産の介助、育児のやりかたが中心なの。
で二時間目がちょうど保健体育で出産だから抜けたくなかったけど。
「先生、陣痛がきちゃったんで、保健室にいってきてもいいですか?」
私は勇気を振り絞って言ったんだけど先生はニコッとして手招きしてる。
「神沼さん、こっちに座ってもらえる?」
先生が保健室から借りてきた椅子に座った。
「先生?」
「神沼さん、せっかくなので、実習のためにここで生んでくださいね。ついでに介助の方法もわかるので。」
先生が勝手に決めちゃった。
先生よりも先に出産になったかららしい。
先生も臨月だったけど予定日が過ぎちゃって私の方が早くなっちゃったみたい。
「これは分娩台っていってここで赤ちゃんを産みます。神沼さん、ちょっと失礼するわね。」
あっ!先生が私の制服とパンツを脱がしちゃった。
「今から内診の仕方を教えます。」
えっ!私の子宮口に指を入れてる。



投稿日 : 2009/02/04 03:30 投稿者 : 出産子

「はい、皆、前に来て良く見てね」
クラスメートの女の子たちが集まってきて、私の股間を覗き込んでる。
入学して2日で仲いい子もまだいないし、恥ずかしいよぉ。
「女の子のアソコって、結構グロね…」
「私のもこんななのかな…」
皆知識はあっても、実物を見るのはほとんど始めてみたい。
1年生で妊娠しているのは私だけだし。
ちなみに少子化で、この中学校の1年生はこのクラスの15人のだけ。
2、3年生はもうちょっと人数が多くて、妊娠してお腹の大きな先輩も沢山いた。
私達も頑張って妊娠して子供産まなくちゃ。

「はい、注目~。内診はこうやって人差し指と中指2本を膣に入れて行います」
「膣の奥の突き当たり付近に子宮口があって、そこの開き具合を指先で確認します」
そう言って先生は、医療用の薄いゴム手袋をした指を、私の膣のかなり奥の方までに突き入れて来たの。
「いっ、痛っ!…先生、痛い…ですぅ」
「ごめんなさい、動かないで我慢して。…開き具合は2センチってとこかしらね」
身体の奥に突き刺すような痛みが走って、びっくりして腰がはねちゃった。
先生は引き抜いた指を皆に見せながら説明している。
「閉じていた子宮口が10センチまで開く間のことを、『分娩第一期』と言います」
「神沼さんは初産…よね?初産では、もちろん個人差はありますが、全開大まで10~12時間かかります」
「このときが出産において一番辛いときなので、皆で神沼さんを励ましてあげましょう!」
「「「は~い」」」

そこまで説明して、やっと分娩台から降ろしてもらえたの。
分娩台って、なんか恥ずかしいよ。
産まれるまでにはまだまだ時間がかかるので、席に戻って授業をすすめることになっちゃった。
お腹をさすりながら、先生の話を聞く。

「さて、神沼さん、陣痛を感じたのはいつからかしら?」
「え~と、朝からお腹が張ってって…、あ、予定日は今日です」
「そう、時間は計ってみた?」
「えっとですね、…あ、今ちょうど来て…っ、痛…っ、ん、んん~…。……ふぅ。12分くらいの間隔です」
「まだそんなにきつくなさそうね。産まれるのはやっぱり夜かしら?」
えっ、先生、今まだそんなにきつくないって言った?
私的には、大分きつくなって来たって思ってたんだけど。
まだ痛くなるのかな?ちょっと心配になってきちゃった…。
「はい、皆さん。お家には連絡しておきますから、最後まで神沼さんを助けてあげてね!」
「は~い」
「神沼さん!頑張って、応援してるから!」
「私出産立ち会うの初めてなの、チョー嬉しい!」
「赤ちゃん、楽しみ!抱っこさせてよね~」
わ、なんか楽しいイベントの前みたいに皆の心が一つになってきた。
私の出産を通して、皆と仲良くなれるかな?
「ありがと、みんな!私、頑張るね♪」
…もちろん、中学一年生の初産がそうすんなり行くはずもないのに、今の私達にそんこと分かるはずもなくて。
まだ教科書でしか知らない出産を、私達は甘くみていたの…。



投稿日 : 2009/02/04 03:31 投稿者 : 出産子

「ところで神沼さん、あなた随分小柄ね。他の子より頭一つ小さし、腰もまだまだ細いわ~」
先生が私をまじまじと眺めながら聞いてきた。
小さいのはコンプレックスなんだから、あんまり言わないで欲しいなぁ…。
「あ、はい。…私3月の終わりが誕生日なんで…」
「まぁぎりぎり早産まれなの?じゃあ12歳になったばかりじゃない」
そう、私は中一とはいえ実はほとんど12歳で、そして妊娠したのは11歳のときなんだけど…、改めて言われると、なんか恥ずかしいな。
「…さすがに幼すぎないかしら…、骨盤も産道もまだ未熟だし…産めるかしら…?帝王切開の方が……」
ん?先生がなにかブツブツ言ってる…。
私なにか駄目なとこあったのかな…?
不安を感じて先生の方をじっと見ていたら、視線に気づいたのか慌てて明るく笑って。
「神沼さん、大丈夫よ。この学校には良い助産士さんがいらっしゃるし、設備も整ってますからね」
「それに先生は2人産んだ経産婦ですから、経験豊富なのよ、任せておきなさい」
そう言って、先生は自分の大きな臨月のお腹をポンと叩いた。
先生のそんな様子を見ていたら、不安なんて吹っ飛んじゃう!
「は~い、ガンバリマス!…、あ、イタタタ…、陣痛が…。……っ、治まった~」
陣痛は10秒くらい痛くて、すぐに治まった。
「そうそう、この学校の初産年齢の記録は、13歳8ヶ月だったのよ」
「神沼さんは一気に記録更新して、歴代1位ね」
えっ、そうなんだ!
私小学校でもやっぱりチビで、何かで1番になったことなんてなかったのに。
凄く嬉しい!
ますます頑張っちゃう!

「さ、それじゃ三時間目の授業を始めます。みんな、教科書開いて~」
ホントは次は数学の授業だったんだけど、予定を変更してずっと保健体育の授業をすることになった。
数学は苦手だったから、ラッキーなの♪



投稿日 : 2009/02/04 15:19 投稿者 : 花梨

「まずは、赤ちゃんがどうやって産道を通ってくるのかを学びましょう。」
先生はニコニコしながら言うとお腹が大きいマネキンを持ってきたの。
「このマネキンは、お腹がこのように開きます。」
先生はマネキンの下腹部あたりを開かせてる。
聞いたことはあったけどこのマネキンって体の中もリアル~。
「じゃあ早速赤ちゃんが出てくるのかやってみましょう。」
先生が赤ちゃんを子宮に入れてる。



投稿日 : 2009/02/04 17:26 投稿者 : 花梨

私も最初の方はみていたけど、陣痛が強くなってきて最後の方は授業どころじゃないの。

一時間で陣痛の間隔が10分になっちゃったみたい。

「っ・・・!」
「赤ちゃんがでてきましたよ。あら?神沼さん、陣痛が強くなったかしら?今、何分間隔?」
やっと先生が気づいてくれた。



投稿日 : 2009/02/06 03:30 投稿者 : 出産子

「じ、10分になったみたい…です。ふぅ…」
「そう、じゃあまた内診してみましょうか。実習もかねて、今度はクラスの皆にやってもらいましょうね」
ええ~!恥ずかしいよぉ。ただでさえ痛くていやなのに…。
でも実習だから仕方ないか。
そしてまた私は分娩台に乗り、大きく足を開いた。
「じゃあまず私から!神沼さん、入れるね~」
「…う、うん。ヨロシク…。…痛っ!」
14人のクラスメイトが次々に私の膣に指を入れて内診した。
3センチかな、5センチだと思う!なんて、口々に言ってる。
最後に先生が内診して、答え合わせ。
「ん~、3センチってところね。内診は慣れるまで難しいので、皆よく練習するように」
「「「は~い」」」
そこでちょうどチャイムが鳴って、三時間目が終わった。

「せ、先生、まだ3cmなんですか?私もう、痛くて我慢できません~」
「何言ってるの、神沼さん、まだまだよ。今はリラックスして、楽にしてなさい」
うそ…まだまだなの!?もう産みたいよ…!
休み時間の間、私は辛くて動けなくて、教室の机に突っ伏して過ごしたの。



投稿日 : 2009/02/06 03:32 投稿者 : 出産子

何事もなく四時間目が始まってしばらくして、教室の外の廊下から声が聞こえてきた。
「せ、先生…、痛いです…、ぅうううう~~~」
「大丈夫よ、すぐに保健室だから、しっかり歩いて」
「ああーー!痛い痛いぃ!産まれちゃうーーっ!」

「あら、騒がしわね、何かしら」
教科書を読んでいた先生が廊下を覗くと、先生達に抱えられた二年生の先輩達がいた。
4人の先輩達は、皆、妊娠しているみたい。
「あら、どうされました?」
「あ、先生。実は体育の授業がバスケットだったんですけど、試合中に接触して転倒したショックで産気づいたみたいで」
「そのようですね…、あら、その子はもう破水しちゃってますね」
クラスの皆は、窓に集まって先生達のやり取りを見ていた。
私も、陣痛が辛かったけど、気になって覗きにいったの。
「まだ臨月になっていない生徒も産まれそうなので、保育器の用意をしてもらわないといけなくて」
「保健の先生に任せておけば大丈夫でしょう、あ~、この子はちょっと出血が多いですね」
先輩達が歩いてきた後ろを見ると、血の混じった水溜りがところどころに出来ていた。
やだ…、なんか怖い…。
「私のクラスも手伝いますので。さあ皆、先輩達を助けてあげて」
「「「は、はい…」」」
皆も初めての事態にちょっと怯えてるみたい。
「神沼さん、あなたはまだ余裕があるんだから、あなたも手伝いなさい」
「あ…はい。……痛っ」
私は余裕なんか全然ないと思ったんだけど、先生には逆らえなくて先輩に駆け寄ったの。
「あ、あの、先輩、大丈夫ですか…?」
「ぅう~~ん、ううう~~んっ!痛いぃいい…、死、ぬぅ~~~!!」
先輩のお腹は私と同じくらい大きい。
身体にぴったりした体操着を着ているので、余計に目立つみたい。
その体操着が汗でビッショリ濡れていて、顔は真っ赤で物凄く苦しそう…。
先生が言うとおり、私って、ホントにまだまだだったのかな…。
先輩の様子を見てると不安になってきて、私の陣痛の痛みも増してきちゃったみたい。



投稿日 : 2009/02/06 03:42 投稿者 : 出産子

「先生、連絡した二年生四人です。よろしくお願いします」
「はいはい、準備できてますよ。今日は多いわね~」
保健室で迎えてくれた保健の先生のお腹は、やっぱりふっくらと膨らんでいた。
私のお母さんよりずっと年上に見えるけど、まだ赤ちゃん産むなんて凄いな。
保健室の置くの扉を開けると、分娩室がある。
入学式の後の学校見学で見来たばかりだから知ってるの。
仕切りも何もない広い部屋に、20台の分娩台が置いてある。
でも今日は見学のときと違っていたの…。
「ハァッ、ハァ!ぅ、んんん゛ーーーーっ!…っ、いやぁあ!裂けちゃうーーー!!」
「あああーーー、出るぅ…っ、大きいの出るのぉーー、怖いよーっ、ああ゛あ゛あ゛ーーーっ!!」
「ハッハッハッハッハッハッハァアア…ッ!!」
「センセ、も、駄目、です…っ、出来ませ…んっ!…うぅうううーーんっ、うううーー………ん゛っ」
「やだぁ…、出ないよぉ~、何でぇ!?お母さ~んっ、助けてぇっ…あぁあーーん!」

…分娩台の上では、5人の先輩達が、今まさに分娩の真っ最中だったの。
私より大人っぽい綺麗な顔を歪ませ、泣き叫び、髪を振り乱しながら…。
でも先輩って言っても13歳と14歳なんだから、きっと皆初産なの。



投稿日 : 2009/02/06 06:24 投稿者 : リナ

私は出産がちょっと怖くなくって両手でお腹を撫でた。
「神沼さん、大丈夫よ。痛いのは赤ちゃんが産まれたら忘れるから。」
横で先輩たち四人を分娩台に乗せ、先生が言った。
「・・・。」
「じゃあ、皆さん、教室に戻りましょう。」
先生の合図で戻ることになった。

皆先輩たちに「頑張ってください」といって教室を出たの。
「いたたたぁ!」
保健室に帰る途中でさっきまでの陣痛とは比べられないくらい痛い!
しゃがみこんじゃった。
さっき先輩たちを支えて歩いたから陣痛が強くなっちゃったのかな?



投稿日 : 2009/02/06 22:47 投稿者 : 無明

私はとうとうそこでしゃがみこんでしまった。
「神沼さん!?大丈夫なの?」
その後も何とかだましだまし教室へ戻ろうとしたが、教室の手前で遂に限界が来てしまった。
「はぁ……はぁ……もう…ダメぇ…!!」
次の瞬間、ひときわ大きい陣痛が来たかと思うと、破水してしまった。



投稿日 : 2009/02/06 23:25 投稿者 : ひょうぶ

バシャッ
私のお腹から水が流れ出てきちゃって怖いのと恥ずかしいので座り込んじゃった。
「神沼さん、破水したのね。大丈夫よ。」
先生は私を励ましながら支えてくれてなんとか分娩台に乗ったの。
その間も歩きながら私の中から、水が流れてるの。
「神沼さんが破水したので、もう一度内診をしてみましょう。」
先生がいうとまた皆がきたの。
「わぁ~、さっきより開いてる~。」
皆は驚いているみたい。



投稿日 : 2009/02/07 00:13 投稿者 : ゆみ

みんなが驚きながらかわるがわる私の膣やら子宮口を触ってる・・・。
「はううっ」突然私は声を出してしまった。
急にあそこが暖かく、湿ってくるのが自分でもわかった。



投稿日 : 2009/02/07 00:45 投稿者 : ひょうぶ

「赤ちゃんがでてくるために柔らかくなってきているのよ。今は、8センチね。歩いたから早く進みそうね。」
先生も私の子宮口に手を入れて言ったの。
「神沼さん、破水もしたので、このまま授業受けましょう。」
先生は、有り無し言わせずに言ったから従った。
そのまま四時限まで陣痛を逃して過ごしていたら給食になったの。
先生は「体力を使うから食べなさい」っていうけど、お腹が痛くて食べれそうにないよぉ。
なんとか牛乳とデザートのプリンだけ食べれた。
休み時間に入ったけどお腹が痛くて皆と遊べなかった。
五時間目が始まるころに、またさっきよりも陣痛が強くなってきて子宮口に何かが挟まった感覚がするの。
先生が内診してくれるのを待ってたんだけど、五時間目の途中にやっときたの。
あれ?先生もお腹痛そう。
「はぁ、はぁ、私もお昼休みに、陣痛が始まっちゃったの。神沼さん、助産師の先生もよんできたので一緒に頑張りましょうね。」
先生も隣で出産することになっちゃったの。
隣の先生たちの会話を聞いてたら先生は安産らしくて、今は私と同じくらいまで進んでるんだって。
「せっかく二人も出産するので、私は一人の時に出産になった場合の出産の仕方をやるので助産師さんの手はかりません。」
先生、一人で産むんだ。
すごいなぁ。
「神沼さん、もう全開で子宮口に赤ちゃんが挟まってるのでいきんでいいですよ。」
助産師さんがいきんでもいいっていったけどどうやって息めばいいんだろう?



投稿日 : 2009/02/07 00:52 投稿者 : ひょうぶ

「子宮口が10センチになったことを全開といって私の子宮口も全開なので後は破水を待つだけです。」
先生は皆に子宮口がどのくらい開いてるか触らせた。
9人目が内診をして手を出したときだったの。
バシャッ
先生も破水したみたい。
「はぁ、はぁ、破水を確認して・・・っ!いきみたくなったらいきむぅぅぅぅぅ!」
先生が息みながらも説明してる。
先生は、黒板に持たれて股を皆にみやすいように見せて息んでるの。
私も負けてられない。
「んぅぅぅぅぅ!はぁ、はぁ!」
頑張って息んでるけど中々赤ちゃんが産まれそうにないの。



投稿日 : 2009/02/07 00:55 投稿者 : ひょうぶ

「んぐぅぅぅぅぅ!はぁ、はぁ、んあ!」
突然、先生が変な声を出すから私も隣を見ると、先生の股から赤ちゃんの両足首あたりまで見えてるの。
「はぁ、はぁ、逆子みたいですね。んぐぅぅぅぅぅ!」
「ホントだわ。」
先生と助産師さんが驚いてる。
「逆子ははじめてじゃないんで一人でも大丈夫です。」
先生、逆子を生んだことがあるんだ。
逆子って危険って聞くけど。



投稿日 : 2009/02/08 11:54 投稿者 : くるみ

先生は落ちついて、でも必死で姿勢を変えながら息んでいた。
んぐぅううううう・・・・はぁはぁはぁ
んぐうううううううあぁああ、あぁあああ
先生は目を細めて体を揺らしている。どうしたんだろう。
あおおおーーぁあああああ、ああああああん

先生の股の間からは足がぴょこっと飛び出ていて先生の体と一緒にゆれている。
はぁはぁはぁんぐうううううううあああぁん
先生は体を分娩台にあずけて、目をつぶった。
みんな先生のほうを見た。

はーはーはーぁんんぐうううううううはああー
助産師さんが先生のほうにいき、先生の膣にそっと指を入れた。
あああはぁっあああはぁあんん
「大丈夫よ赤ちゃん降りてきてるわ」 足を触りながら膣を触っている。先生は何だか苦しそうだ。
赤ちゃんの出口は充血していて、陰核はふっくらと膨らんでいる。
あああああん はあああん  はあああ
はあはあはあはあうぐーーーーーーー
先生が大きく息んで赤ちゃんの足がぐっと見えたとき
先生が大きく痙攣にした
あーーーーーーーガクガクガクガク
先生の体がぐっと伸びて、目は天井を向いている。
はあはあはあはガクガクガク

みんなは先生の周りに駆け寄った。
「先生大丈夫?大丈夫?」助産師さんは
大丈夫よ、足から出てきてるからちょっと膣がびっくりしちゃったのね。これはオーガズムといって先生はそう苦しくはないのよ。

でも先生の息は荒くて、顔は真っ赤になっていた。
大丈夫よ・・・はあはあはあはあ
んぐうううううんなあああああ
もう片方の赤ちゃんの足が出てきた。
あううあううあーーーーーー
先生はまた酷く痙攣していた。



投稿日 : 2009/02/08 12:23 投稿者 : リナ

「はぁっはっはっ、んぐうぅぅぅぅぅ!」
先生は出てきている足を息みに合わせて引っ張ってる。
ズルッ
「はぁっはっはっ。赤ちゃんの、足が、出ました・・・。」
先生の股から両足が出てきてブラブラしてる。



投稿日 : 2009/02/08 22:55 投稿者 : くるみ

はあっはあっ
あーーーーーあーーーーー
先生は大きな声を上げて息もうとしている。
うぐんんんんんんんーーーーーーー
あはあああーーー
息むたびに先生は声を上げ、ヒクヒクと痙攣を続けている。ああああ
あんんっあーーーーーあっ
んぐんんんんんんんんん
あーーーーああっあうううっい、いくーーー
あーーーーーーーっ



投稿日 : 2009/02/08 23:20 投稿者 : 花梨

「先生はホントに大丈夫なんですか?」
私のクラスの級長の子が心配になって聞いたみたい。
「大丈夫ですよ。逆子にしては順調に進んでますから。」
助産師さんは微笑みながら言ってる。
あ、私の方に戻ってきた。
「まだ、降りてきてないわね。陣痛にあわせて息んでね。」
私の子宮口を内診して言った。



投稿日 : 2009/02/08 23:24 投稿者 : 花梨

「やっぱりまだ身体は幼いから成熟してないのかしら。」
助産師さんがなにかぶつぶついってる。
「はぁ、はぁ、先生?」
私は心配になって助産師を呼んでみた。
「ん?どうしたの?」
助産師さんが心配そうに聞いてきたの。



投稿日 : 2009/02/09 21:33 投稿者 : しふ

「あかちゃん、動いていないの…さっきからずっと話しかけてたけど、動いて、くれないの…」
「な、なんだってーー!?」

私の一言を聞いて驚いた助産師さんは、大急ぎで聴診器を私のお腹の上に置いた。

するとーー



投稿日 : 2009/02/09 22:06 投稿者 : ひょうぶ

ドクン ドクン
「大丈夫よ。赤ちゃんの心音はあるわ。多分、産まれる体制に入ってるのよ。」
助産師さんが安心させてくれた。
よかった。
「なるべく休まないで陣痛が来たら必ず息んでね。」
助産師さんは私に優しく言ってくれた。



投稿日 : 2009/02/11 23:18 投稿者 : るな

「ん゛ーーーーーん!はぁ、はぁ。」
私も必死で息んでいたら、赤ちゃんがゆっくり私の産道を通ってきてるみたい。
「皆さん、神沼さんの赤ちゃんもゆっくりですが産道を通ってきてますよ。」
助産師さんが先生ばかりをみているみんなに言ってる。
けど、先生をみてる理由はわかるもん。



投稿日 : 2009/02/12 10:14 投稿者 : しふ

ズブッ、ズブブッ・・・

「ンンンーーーッ!」

くぱぁ、じゅるる・・・

感じる!降りてきてる!赤ちゃんが!
もうすぐ会えるんだ!がんばって、がんばれ私!

「っ!? ス、ストップ、これ以上いきんじゃダメ!!」

えっ? 何、言ってるの? 助産師さん??

「そんな・・・こんな事になるのは稀なのに・・・」

助産師が驚いてる・・・一体どうなってるの?
クラスメイドのみんなも、なんか怖がっている様子。
私は恐る恐る少し出てきている赤ちゃんに手を伸ばした。

「なっ、なんなの、これ・・・」

今にもドクドク羊水を吐き出されている産道から出てきたのは、
赤ちゃんの、まるで助けを求めているような片腕でした。



投稿日 : 2009/02/12 12:04 投稿者 : るな

「神沼さん、少し我慢してね。」
先生が私の中に手を入れてる。
「赤ちゃんが横になってるのね。ちょっと痛いけど赤ちゃんの向きをかえるからね。」
そういって私の赤ちゃんを引っ込めはじめちゃった。
「いたぁぁぁぁぁ!」
凄い痛いの!
でも赤ちゃんも頑張ってるし私も頑張らないと。



投稿日 : 2009/02/17 00:40 投稿者 : ひょうぶ

「赤ちゃんが全部戻ったわ。また痛いけど我慢してね。」

助産師さんは私を励ましてくれたけどいきなり私の中に手を入れてきて子宮口までいれてきてる。

「いたぁ~~~~ぃ!や、やめて!」

私は固定されて動けない足をバタバタさせていうけど助産師さんはやめてくれない。



投稿日 : 2009/02/18 16:03 投稿者 : しふ

助産師さんの手により赤ちゃんが中で回転されるのを感じる。
痙攣してぎゅっと赤ちゃんを締め付ける子宮壁が、そう感じた。
赤ちゃんが産道から押し戻される時とは別の、形容し難い感触。
胎動とは少し似ているが、気持ち悪い。
痛い。
硬い。
強引。
圧力。
もうやめて。
もうやめたい。
でもやめれない。
苦しい。
助けて。
ママ・・・



投稿日 : 2009/02/18 18:00 投稿者 : 花梨

「赤ちゃんの頭を下にしたから、もう息んでも大丈夫よ。」
やっと苦痛なのは終わったみたい。

私はまた息み始めたの。

「ん゛ーーーーーん!はぁ、はぁ。」

さっきまで助産師さんの手が入ってたから、子宮口が緩くなってるみたいに赤ちゃんが降りてきてるみたい。



投稿日 : 2009/03/11 23:38 投稿者 : 無明

一気に赤ちゃんが降りてくる。でも、また問題が発生した。
「うっぐ……あぁ…ふんっ…はぁぁ~。」
赤ちゃんの頭が、私のあそこに引っ掛かってるみたい。
助産師の人は顔をしかめながら、
「赤ちゃんが育ち過ぎてるみたいね……」
すると他の助産師さんがやってきて、私に注射をした。
「なんですか…?」
「あなたのあそこを、少し広がりやすくする薬よ。」



投稿日 : 2009/03/12 00:50 投稿者 : ユーリ

数分たった時に助産師さんが私のあそこに手をいれて広げ始めたみたい。

「ったあぁぁぁぁぁ!」

思いっきり広げられたから避けちゃったし広げる痛みでのけぞっちゃった。

けどそのおかげで赤ちゃんの頭があそこにはさまったみたい。



投稿日 : 2009/03/15 05:31 投稿者 : 出産子

「ひぃ…っ、い、痛…、ひたひぃいい…!」
私の股の間に、信じられないくらい硬くて大きな塊が挟まってる。
さっきの助産師さんの手とも、彼氏のアレとも、全然違うの。
こんなの、無理…ありえない、絶対出るわけないよぉ…。
血が出てるし、身体が壊れちゃうよぉ…!
「…じょ、助産師、さ…っ、助、け…っ、はぁはぁ…っ、も…無理…ぃ…」
私は痛みのあまり声も出せなかったんだけど、どうにか振り絞って助産師さんに助けを求めたの。
でも…。

「あ゛あ゛あ゛ーーーーーっ!頭!あ゛た゛ま゛がぁあああ゛ーーーーっ!!」
隣で逆子を出産中だった先生の絶叫に遮られてしまったの。
目線だけでそちらを見ると、先生の膣口からは赤ちゃんの首から下が全部出ていたの。
でも頭が出ないみたいで、先生は髪を振り乱し、物凄い形相で苦しんでいた…。
見守っていた他のクラスメイトも、今まで見たこともない先生の様子に怯えているみたい。
「あ、先生。介助しますから落ち着いて」
私の側にいた 二人の助産師さんは慌てずに、でもすばやく先生の方に行ってしまった。
そして一人が先生の背中を支え、一人が赤ちゃんの身体を掴んだかと思うと、まるで手品みたいに、
あっという間に赤ちゃんの頭を膣から出したの。
「ぎゃあああああーーーーっ!!?……あっ、はっはっあ…。う、産まれました…。皆さん…、ちゃんと見ていましたか…?」
頭が出た途端、先生はいつもの先生に戻っていたの。
助産師さんが鼻と口からスポイドのようなもので羊水を吸い出すと、赤ちゃんは大きな声で泣き出した。
クラスメイト達はそれで我に帰って、また先生の周りに集まってきたの。
「先生!おめでとうございます!」
「赤ちゃん、可愛いですね~。先生もとっても綺麗でした~」
「先生…、出産て、凄く神秘的でしたぁ」
「皆さん、ありがとう。今から、臍の緒の切り方と後産の処理の仕方を教えまから、よく覚えてくださいね」



投稿日 : 2009/03/15 05:33 投稿者 : 出産子

2人の助産師さんもクラスメイトも、皆先生と赤ちゃんに集中してる。
私も凄く痛くて苦しくて助けて欲しいのに、誰も気づいてくれないの…。
でも、出産て神秘的って言ってる子がいたけど、本当に?
出産直後の先生の身体は、お腹は不恰好につぶれているし、乳首は大きくなって真っ黒。
全身汗まみれで、目元には疲労で隈ができて老けてしまったみたい(表情は嬉しそうだけど…)
膣から溢れた沢山の羊水と血は床に広がって、クラスメイトの上履きを濡らしてる。
初めて見た産まれたての赤ちゃんは濡れててグニャグニャでしわしわで、全然可愛くない。
蛇見たいな臍の緒が、先生と赤ちゃんを繋いでるし。
それに、出産中の先生は身体をくねらせて雄たけびを上げて、まるで獣みたいだったの…。

教科書にはこんなこと書いてなかったの。
赤ちゃんはふっくらしてピンクで可愛くて天使みたいで。
嬉しい、可愛い、幸せ、綺麗、そんなまるで物語みたいな、夢見たいな出来事だと思ってたの。
出産がこんなに生々しくて恥ずかしくて苦痛を伴うことだなんて、思ってなかったの…!
「…うっ、う~っ、やだぁ~、し、出産、やだぁ~、怖いよぉ~痛いよぉ~、もぉやぁあ~~……っ」
私は今突然現実を理解して、泣きじゃくったの。
独りで分娩台の上で大きく足を広げて、膣口から赤ちゃんの頭を覗かせながら。

出産は女の子の義務だけど、妊娠がばれたときママに泣きながら怒られたわけがやっと分かったの。
こんなことなら、ちゃんと避妊してHすればよかった…。
私はまだまだ身体も心も子供なのに、子供が子供なんて産めるわけないの!
誰か…、ママ…、先生…、赤ちゃん…!、誰か助けてよぉ~…!



投稿日 : 2009/03/15 15:56 投稿者 : ユーリ

「大丈夫?」

1人の友達がやっと私に気づいてもらえた。

「はぁ、はぁ、もぅ・・・っ!」

私はもう無理だと言いたかったけど、いたくて声が出せないの。

「先生、神崎さんの様子が・・・。」



投稿日 : 2009/05/27 04:27 投稿者 : 出産子

それでやっと、助産師さんの一人が私の様子を見に来てくれたの。
後からやってきて、私に注射をしたほうの助産師さん。
担任の先生より若くて、とても綺麗なお姉さん。
そしてやっぱり、助産師お姉さんのお腹も大きく膨らんでいたの。
「神沼さん、どうしたかな?大丈夫?まだ、頑張れるかな?」
お姉さんは優しく聞いてくれたけど、私はもう全然大丈夫じゃないの。
号泣しながら、イヤイヤするように必死に首を振った。
「も…っ、むり…です、出来ませ…ん…っ!痛いっ…ぅう…っ、うちに、か、帰りたい…の…!」
「やだ神沼さん、そんなこと言わないで。きっと出来るから。赤ちゃんも、ママに会いたいって言ってるよ?」
「出来ないっ!だって、私まだ子供なのに…!子供が、出産なんて…っ、駄目だったのぉ~!!」
私は不安で怖くて、大声で叫んでた。
「神沼さん…。仕方ないわ、子供じゃなくても出産は辛いものだものね」
お姉さんは、優しく私の頭を撫でて、涙を拭ってくれたの。
「神沼さん、ここ触ってみて」
そして分娩台のレバーを握っていた私の手をとって、大きく開いたままの足の間へと導いた。
そこにあるのは、自分ではほとんど触ったことのない大事なトコロ、女の子の性器。
普段ぴったり閉じているそこは、今は縦に大きく裂けたように広がっているの。
お姉さんが、私の手を動かしてそっとソコへ触れさせる。
「…あっ」
私の手に、私の身体ではない何かが触れたの。
「分かった?今赤ちゃんの頭に触ったのよ?」
「今は陣痛が来て息んでるときだけ赤ちゃんの頭が膣口から見える、『拝臨』の状態ね」
「これが、赤ちゃんの頭が見えたままの『発露』になったら、すぐにだから」
「それまで大変だけど、一緒に頑張ろうね?」
「…はぁ…、はぁ…。助産師お姉さん…」
赤ちゃんがもうそこに居るっていう実感と、お姉さんの励ましで、ちょっとだけ勇気が湧いてきたの。
「それにね、神沼さん」
「…?」
「神沼さんは確かにまだ子供だけど、赤ちゃんがお腹に来てくれたってことは、もうお母さんになって大丈夫ですよーってことなのよ?」
「…ほ、ほんとに?私、まだ、子供だけど…っ、ちゃんと、赤ちゃんっ!ぅうっ!!……う、産めます、か…っ?」
「もっちろん!全然大丈夫!お姉さんがばっちり介助してあげるからね~。ま、お姉さんも新米助産師だから、ちょっと不安かも知れないけど」
ぺろっと舌をだして笑うお姉さんの励ましで、私はすっかりやる気を取り戻したの。
「あはは…。私、頑張る、の…っ。はぁ、はぁ…っ。赤ちゃん、も…、ママ、頑張るからね…」



投稿日 : 2009/05/27 04:32 投稿者 : 出産子

担任の先生の出産が終わったのが、6時間目の終わりごろだったの。
今はそれから少し時間が経って、とっくに放課後。
外はいつの間にか雨が降り出していたの。
先生は助産師さんと一緒に、保健室で身体を休めているの。
出産の後は何があるか分からないから、一日は安静にしていないといけないんだって。
今学校に残っているのは、私達のクラスと、少しの先生と助産師さん。
それと、分娩室で出産中だった5人の先輩たちと、産気づいた2年生の4人。
先輩達は、無事に出産終わったのかな…。
クラスメイト達は、夕食と宿泊の準備をするために、別の教室へ行ってるの。
今、この一年生の教室に居るのは、分娩台の上の私と、介助してくれているお腹の大きな助産師お姉さん。
入学式が終わったばかりの四月の日没は早いし夜はまだ寒い。
でも、妊婦と赤ちゃんの多いこの学校は、冷暖房はばっちり完備しているので、なんの問題もないの。
暖かく明るい教室で、私は必死に息み続けているの。
陣痛の間隔はもう良く分からなくなっていたので、助産師お姉さんにリードしてもらって、リズム良く息む。
「ふぅーふぅーふぅー、ううーーーん。はい、神沼さんも」
「…ふ、ふぅうーっ、ふぅっ…!…っう、ぅうーん…っ!!痛ぁああい!!」
「そ、上手よー。次はもっと長ーく息んでね」
お姉さんは私の右手を握って、一緒に息んでくれてる。
すぐ側に居てくれるのが、とっても心強いの。
でも一時間くらいそうしていたとき…。
「はいもう一回よ。ふぅーふぅーふぅー、うー…、ん…?んん゛!?…あぅうっ!!」
息みをリードしていたお姉さんが呻き声と共に強く私の右手を握ったの。
そして、何かがプチンと弾けたかと思うと、バシャバシャと床に水が零れ落ちる音…。
「…え?…お、お姉さん!?…う、ぅう…っ!」
お姉さんは私の手を離し、大きなお腹を押さえながら分娩台の下へと崩れ落ちるように蹲ってしまったの。
私は分娩台に固定されているので、お姉さんの様子が分からない。
「あ、ぁあっ!い、息んでたら、破水しちゃって…!痛…っ!陣痛、来ちゃった…っ。産まれる…ぅっ!!」
「そ、そんな…っ、た、大変、なのっ。はぁはぁ…、だ、誰か…っ!!」
お姉さんは突然の陣痛で動けないみたい。
私は自分の痛みを堪えて助けを呼ぼうと大声を出したんだけど…。
雨音に掻き消されて私の声は届かない。
それどころか、大きな雷が落ちたかと思うと、電気も空調も全部消えちゃったの…。
どうしよう…、どうしたらいいの…!?



投稿日 : 2009/05/31 09:12 投稿者 : 真由理

「大丈夫よ。はぁ、はぁ、んぐぅ~!」
助産師さんは這い上がって私の分娩台を支えにして立っていた。
「はぁ、はぁ、せんせぃ・・・大、丈夫?」
「大、丈、夫・・・よ・・・。今、みたら、もう、赤ちゃんの、頭が、出ちゃったから・・・んぅ~!はぁ、はぁ。」
助産師さんは、汗を流しながらも笑顔で言った。
「あ、あぁ、あ・・・。」
ズルッ、ズボッ
助産師さんは、また崩れ落ちたかと思うと先生のほうから、豪快な音と水が大量に流れるおとがした。
「ふぇ・・・おぎゃあ・・・。」
「はぁ、はぁ、生まれちゃったわ。」
助産師さんは赤ちゃんを抱き上げながら言った。
赤ちゃんは、担任の産んだ赤ちゃんより、二回りくらい小さかった。
そのため、早く産まれてしまったのだ。



投稿日 : 2009/06/03 03:40 投稿者 : 出産子

「助産師っお姉さん…っ!、 ハァハァ…産まれた、の?…ぁううっ!」
お姉さんの胸に抱かれた赤ちゃんは、ちっちゃくてとっても可愛いの。
ちっちゃい身体で元気いっぱい泣いてる。
私はするりと産まれて来た赤ちゃんを見て嬉しくて、少しだけ自分の苦痛を忘れていたんだけど、
寒気を感じてブルリと身体を振るわせた。
停電で空調が消えてから、随分冷え込んできたの。
分娩台の上でむき出しの、汗に濡れた足やお尻が冷たくなってきて、とっても寒い…。
私はお姉さんに、大き目のタオルを身体に掛けてもらおうと思ったんだけど、そこでふと気が付いたの。
私よりも、羊水に濡れた生まれ立ての小さい赤ちゃんの方がもっと寒いんじゃないの?
それに出産直後のお姉さんのほうが、血が流れたり羊水で服が濡れたりしてきっと寒いはず…!
「お、お姉さんっ、寒く…ない…!?…いたぁあっ!…タオルっ、ある、だけ…っ、赤ちゃん…と、お姉さんで…っ、使って…?…ぁあっ!」
「はぁ…はぁ…、神沼さん…。ありがとう、心配してくれてとっても嬉しい!」
「それに、そうやって赤ちゃんのことを気遣ってくれる気持ちが、母性って言うのよ」
「言ったでしょ、やっぱり神沼さんも、りっぱなママなんだからね」
そんな風に言ってもらえるなんて思わなかったの。
赤ちゃんはまだ全然出てこないけど、ママに近づいてるみたいでとっても嬉しいの!



投稿日 : 2009/06/03 03:45 投稿者 : 出産子

助産師お姉さんは赤ちゃんの臍緒を自分で切って、沢山のタオルで大事にくるんだの。
そして赤ちゃんを胸に抱いたまま、暗い教室を這うように移動して懐中電灯を探してきてくれたの。
分娩台の足元に寄りかかるようにして座ったまま、私の剥き出しの股間を照らして様子を見てくれた。
「ん~…、ちょっとだけ進んだかな?…痛っ、ハッハ…、神沼さん、さっきみたいに、…ぅ、ぅう…、休まず、息んで…んぁああ…っ」
あれ?お姉さんなんだか苦しそう…。
赤ちゃん産まれたのに、なんで?どこか悪くなっちゃったの!?
「…お、お姉さん!?」
「だ、大丈夫よ…、ふぅうう~。…実はね、お姉さんの赤ちゃん双子なのよ…だから小さくて早く産まれちゃったの…、ううっ」
「双子は小さいから出産は楽だけど、分娩異常が起きやすくもあるから本当はちゃんとお医者様のところで産んだがいいのよ」
そう言ってお姉さんは、アハハと照れ隠しみたいに笑ったの。
…どうしよう、私の所為だ…。
お姉さん双子なのにずっと私に付き合ってくれてたから無理させちゃったんだ…。
「…あーなに考えてるのかな?神沼さんのせいじゃないから気にしないの!…ぁぅう…っ!」
「一ヶ月くらい早いけど、赤ちゃん元気だし、大丈夫…っ…神沼さんは、自分の赤ちゃんのことだけ考えるの!」
「…お姉さんっ、…ゴメン、なさい…っ。わ、私…、頑張る、の…っ、ぅ、うううーーんっ!!」
私はお姉さんに教わったリズムで、また息んだの。
「そ、その調子…。ふっ、ぅうう…。お姉さんも、2人目…っ、頑張るから…」
お姉さんは私の足元に座り込んでるので姿は見えないけど、気配で分娩台の支柱を掴んで息んでるのが分かったの。
「…とは言ったものの…、お姉さんの子宮ってば疲れて陣痛が弱くなっちゃったみたい…あは、参ったな…っ」
「完全に破水してるから、なるべく早く分娩しなきゃだけど、ちょっと時間かかりそうだわ…、ふぅうう~っ」
「…神沼さ~ん、また一緒に息むからね~?……せーの、ふぅーふぅーふぅー、ううーーーんっ」
「はっ、はぃいっ!…ふっ!ふぅう!ふーーっ…ぅううう゛う゛ーーーん゛っ!!」
私は物凄く痛くて強い陣痛だけど、赤ちゃんが大きくて母体が未熟でなかなか産まれない。
お姉さんは産道も開いて母体の準備は出来てるのに、陣痛が弱くて産まれない。
暗くて寒い教室に、2人の息みの声と赤ちゃんの寝息だけが響きわたったの…。



投稿日 : 2009/06/03 20:41 投稿者 : 真由理

「はぁ、はぁ、神沼さんの、赤ちゃん、やっぱり、大きそうね。」
助産師のお姉さんは陣痛の少ない合間に確認してくれた。
「はぁ、はぁ、ふぅ、ふぅ、んんぅ~ん!」
助産師のお姉さんはまた陣痛がきたため息んだ。
「あ・・・。」
助産師のお姉さんは突然声をあげた。
「どうしたの・・・?」
「赤ちゃんの足が先みたい・・・。」
助産師のお姉さんは自分の子宮口をさわりながら苦笑いを浮かべていた。



投稿日 : 2009/07/20 22:57 投稿者 : あずみ

お姉さんは自分の体に耳を澄ますように自分の指で膣の中の足を探っていた・・・。
「ああ・・・この位置なら・・・何とかなるかしら・・はあはあっあっああんっあああっだめ、だめよーーこっちに出てきて」
突然お姉さんが腰を揺らし始めた
「どうしたんですか?苦しいですか?」

お姉さんはあえぐように首を振っている。
「ああ・・・っあんっはあはあはあっ違うのよ・・・あああ、
違うのっあああっあああああっだめええっだめええっ、
はあはあはあはあはあ、うくううっああああっ」
顔が赤く上気している。

「いったい・・・」
「心配は要らないわ・・ああっああああああっあんっ、赤ちゃんが足を動かしてるの・・はあはあだめよっ
 赤ちゃんお願いッおとなし、ああっ、くして・・・ああああっ」

私は心配になってお姉さんの膣に指を入れてみた・・・が瞬間…!
「やっきゃああああああっガクガクガクガクガクガクッあああああああああああああっガクガクガク」
お姉さんの膣はきゅっと締まって私の指を飲み込むように痙攣した。

その痙攣の仲でも赤ちゃんはまだ足を動かしていて、動くたびにお姉さんは痙攣を続けていた。

「ああああっあああおおっあーーーーーっガクガクッ
も、もうだめよーーっきゃあああっガクガクッ
はあはあはあはあ・・・・」
お姉さんは目もうつろで疲れているようだった。

「お姉さん大丈夫・・?私に何かできることは・・・」
「はあはあはあ・・・お、お願い・・・おなかを押して・・・
 赤ちゃんの位置を変えないと・・・私・・・死んじゃう・・・」



投稿日 : 2009/07/24 11:14 投稿者 : 産夫

「神沼さん、お腹を押さえて!」
お姉さんはそう言うのと同時にまた
「あっ!ダメ…ダメよ!赤ちゃん…あっあぁぁぁおっぁぁ~」
お姉さんは更に顔を上気させ真っ赤な顔をしながら
「ダメっ!死んじゃう~」と叫び握り締めていたパイプを更に力強く握り締めた!
全身を痙攣させながらお姉さんは私に
「神沼さん・・私の・・赤ちゃん・・が中で暴れてる…は、早くお腹お・・押して・・で、ぁぁ、ないと私、あっ…ダメ~っ」
そう言うと助産師お姉さんはまた痙攣し始めた。



投稿日 : 2009/07/25 11:48 投稿者 : 産夫

私も激しい陣痛に耐えながら
「お、おねぇさん、お腹…押さえればいいの?・・・うぅっ…」
すると助産師お姉さんは身体を起こして
「うぅっ…うん…お願い・・私が息んだらお腹を押して…。ごめんね…神沼さんも辛いのに・・」と言いながらお腹や顔を撫でてくれた。
私も激しい陣痛の合間に身体を起こしてお姉さんのお腹を押しやすい体勢にした。



投稿日 : 2009/08/03 04:14 投稿者 : 出産子

お姉さんが、私を固定していたベルトを外してくれたから、私は随分久しぶりに分娩台から降りることが出来たの。
でも、四時間目からずっと分娩台の上で足を開いていたから身体が固まっちゃって、もうまともに歩けないの。
陣痛は凄く痛いし、お股に挟まってる赤ちゃんの頭も、凄く気になるの…。
私は腰を高く上げて、匍匐前進するみたいにして、冷たい床を進んだの。
「はぁ…、はぁあ…、お、姉さ…っ、ま、待って、て…ね…っ」
そして、仰向けで足を開いているお姉さんの頭の方から近づいて、お腹を押そうと思ったんだけど、
強い陣痛が来たタイミングで身体が言うことを聞かなくなって、思いっきりお姉さんのお腹に覆いかぶさるように倒れ込んじゃったの…!
「…ぐっ、ぁぁあああああああああ゛あ゛あ゛!!」
その衝撃でお姉さんがまるで断末魔みたいな絶叫を上げたの。
「苦じぃい゛!どいで゛…っ、がみぬまざ…っ、どいでぇええ゛!!」
「お、お姉さ…!…ご、ごめんなさ…っ、ぅうっ、痛く、て、動けない、…のぉお!」
私はお姉さんのお腹に突っ伏したまま、痛みに耐えてブルブルと震えていたの。
でもそのとき、お姉さんのお腹がつぶれているのに気が付いたの。
なぜだろうと思って頭を上げると、お姉さんの足の間に、小さな赤ちゃんがいたの…!
私が圧し掛かった衝撃で、一気に飛び出してたみたい。
「…あ、お姉さ…、赤ちゃ、ん…、産まれて、る…よ!?」
「…わ、わがっだ!…も゛、いいがら…、どいて…っ!!」
お姉さんはお腹を押しつぶされて、息もまともに出来ないみたい。
私も早くどかなきゃってあせるんだけど、ホントにもう痛みに耐えるのに精一杯で動くことが出来ないの。
今ちょうどお姉さんの顔をまたぐような格好で、赤ちゃんの頭が見えてる性器がお姉さんの顔の真上にある。
膝を立てて耐えているんだけど、もう辛くて今にもお姉さんの顔に股間を押し付けてしまいそう。
そうならないように腰を高く上げようとすると、逆に上半身に力が入ってますますお姉さんのお腹を押しつぶしちゃう…。
「苦じ…っ、ぐるじいぃい゛ーー…っ!……あ゛う゛っ!?」
大きな陣痛が来て身体に力が入っちゃって、お姉さんのお腹をますます強く押しちゃったの。
そのとき、お姉さんの股間から血飛沫と共に、双子ちゃんを支えていた大きな胎盤が飛び出すのが見えたの。
これでお姉さんの子宮は空っぽになったの。
早くどかないといけないのは分かってるんだけど、痛みと息みの衝動でますますお姉さんのお腹を押しつぶすばかりなの。
このままだと、ほんとにお姉さんが死んじゃうよぉ。
お姉さんに足の間に血溜まりが広がっていって、赤ちゃんまで濡らしてる。
まるで私がお姉さんの子宮から血を絞り出しちゃってるみたい。
赤ちゃんも、早くあったかくしてあげなきゃいけないのに…。
「うーっ、ぅう゛ーー…っ!…はぁはぁっ、…お、ねえさ…っ、、だ、れかぁ~」

お姉さんがぐったりしてきて、私が泣き出そうとしたとき、教室の外の真っ暗な廊下に懐中電灯の光が見えたの。
誰かがこの教室に近づいてきてる…!
「神沼さ~ん、大丈夫かしら~?」
ガラリと教室の扉を開けて、この場のそぐわないような少しのんきな優しい声を掛けてくれたのは、保健の先生だったの。
産気づいた先輩達を運んだ保健室で会った、お腹の大きな保健の先生。
私のママより年上、多分40歳くらいで、メガネで優しい笑顔の保健の先生。
きっと、停電になって、教室で分娩中の私を心配して様子を見に来てくれたに違いないの。
これで、やっと助かると思ったの…!



投稿日 : 2009/08/05 04:55 投稿者 : 出産子

「あらあら、まあまあ、2人ともなんて格好なの。フフッ」
絡み合うような私達の格好を見て保健の先生は吹き出してたけど、笑い事じゃないよぉ。
「…ほ、保健のせんせ…っ、た、助けて、くだ…さい…ぃ…っ」
「ああ、ハイハイ。ちょっと待ってね~。…よいしょっ、と…」
大きなを揺らしながらゆっくりと近づいてきて、保健の先生は私の身体を起こしてくれたの。
そのとき、私のお腹と先生のお腹が触れ合ってちょっと不思議な感じ…、なんて思ってたら。
「あっ!?…痛ぁあああーー!!」
とうとう膝の力が抜けて、股間をお姉さんの顔に押し付けちゃったの…。
膣口からちょっぴり出ていた赤ちゃんの頭が押し戻されて、背骨から頭まで突き抜けるような痛みが走る。
「ああっ!!いたっ、痛ぁああああいっ!!は、早く、起こし、てぇえ!!!」
「ああ、暴れないで。ほら、自分で力入れて。…よいしょー」
保健の先生の力を借りてどうにかお姉さんの上からどいて、私は教室の外に面した窓の下に寄りかからせてもらったの。
外は大雨で床も壁もとっても冷たかったけれど、さっきの衝撃でそれを気にするどころじゃなかったの。
「ぅう、ぐぅうう~~~っ、ハッハッハ…!…あぁああ~~~~…っ」
お腹を抱えて身体を丸めて、必死に息を整える。
その間に保健の先生は、お姉さんの産後の処置をしていたの。
壁際に寄りかかっている私から、その様子が良く見えたの。

「懐かしいわね~、あなたの初産もやっぱりこの学校で」
「…はは…、その節は、お世話になっちゃって…。またご迷惑掛けて…すみません…」
保健の先生は両手を血に濡らしながら世間話でもするようにお姉さんに話しかけてる。
お姉さんもぐったりしながらも、会話は出来るみたいで、一安心なの。
それにしてもお姉さんも、この学校の出身だったんだ。私の先輩なの。
「あの時は傑作だったわねぇ。あなたったら高1の文化祭のときに、メイド喫茶のコスプレのままお客さんの前で出産しちゃって」
「…そ、その話は…、もう、忘れてくださいよ~…」
そんな会話が聞こえてくるの。
お姉さんの初産も大変だったみたいなの…。
「さあこれでいいわ。赤ちゃんは双子の女の子ね、2人とも心配ないわ。あなたは少し休まないとね」
「はい…、ありがとうございました…」
「さて、神沼さん、あなたはどんな感じかしら」
お姉さんの処置を終えた保健の先生は、今度は私の様子を見てくれたの。
私はさっきの衝撃は去ったものの、また陣痛と息みの衝動に苦しんでいたの。
「ふぅーっ、ふぅーっ!…すご、く…、痛い、です…っ!…ぅンンンーーーーっ!!」
「どれどれ~?」
先生はかがみこんで私の股間を覗き込んだの。
床に接した私の股間を見るには身体を大きく屈めないといけなくて、お腹の大きな先生はとっても苦しそう。
こういうときは、分娩台のほうがいいのかな…、私はいやだけど…。
「も…っ、ずっと、息んでるんですけど…っ、いつ、産まれっ、ます…か、あっ?」
「ふ~、どっこいしょ…。そうね、もう発露の状態だけど、…もうちょっと頑張れるかな?」
先生は身体を起こして自分のお腹をゆっくり撫でながら答えてくれたの。
もうちょっとってどれくらいかな…、ホントかな…、なんて思いながら、私はそれを信じるしかないの。
「ぅううっ!!…わ、分かり、ました…っ。…そ、だ…、先生、ハッハッ…、聞きたい、こと、が…っ」
「あら、何かしら?」
私は自分の出産に翻弄されながら、ずっと気になっていたことを思い出したの。
「…午前中に、産気、づいた、二年生、と…っ、分娩室に…いたっ、ぁあああっ!……っ、先輩は…っ!」
どうなりましたか?と聞きたかったけれど、そこまではとても言葉に出来なかったの。



投稿日 : 2009/08/05 04:56 投稿者 : 出産子

「ああ、そうね、神沼さんのクラスが助けて運んでくれたものね」
「産気づいた二年生の四人は、三人は無事に出産したのよ。赤ちゃん2人が保育器に入ってるけど、心配しなくていいわ」
「ちょっと出産には早すぎた子は、点滴で落ち着かせているの。あの子は産み月になるまでこのまま入院かも知れないわね~」
「先に分娩中だった五人のうちの三人はあれからすぐに産まれて、一人はお昼ごろに、最後の一人の出産がさっきやっと終了したとこなのよ」
「みんな初産だったけど、一番長い子で、27時間くらい掛かったかしらね?」
「それで向こうが落ち着いたから、やっと神沼さんの様子を見にこれたのよ。遅くなってゴメンなさいね」

先輩たちみんな心配ないって聞いて、私はほっとしたの。
今日産まれた赤ちゃんは、みんな同じ誕生日なんだ…・
それにしても、一番長くて27時間て…。
私は朝にお腹の張りを感じてから、今、15時間くらいだから…、私なんてきっと安産の内に違いないの。
…そうとでも思わないと、辛くて辛くて、もう頑張ることなんてできないの…!

「それにしても、神沼さん」
「…ふぅっ、…え…っ?」
「自分が大変なのに他の子の心配をするなんて、あなた、優しいのね。きっといい母親になるわよ」
「…ええ、そうなんです…。神沼さんは…私と赤ちゃんの心配もしてくれたんですよ…」
保健の先生とお姉さんにそんなこと言われて、びっくりしちゃったの。
「え、あの…っ、と、当然の…っ、…っ、あっ、ぅんん゛ーーーっ!」
そんなこと言われて恥ずかしいし嬉しいんだけど、今の私のは苦痛以外の感情を表に出すことは出来ないの…。

「さぁさっ、2人とも。ここは明かりもないし寒いわ。保健室へ移動しましょう」
「あそこは医療器具の関係で、今は自家発電になってるのよ」
ほんとに!?よかったぁ。…私はそれを聞いてやっと心から安心することが出来たの。
私も保健室の分娩室に行けば、きっとすぐ出産することが出来るに違いないの!
「じゃああなた達を運ぶために人を呼んできますか、ちょっと待ってて頂戴ね」
そう言って保健の先生はどっこいしょとお腹を抱えて立ち上がり、廊下側の出口へ向かって歩き出したの。
私は陣痛を堪えながらなんとなくその様子を見てたんだけど、教壇の辺りで先生が何かに滑ったように突然バランスを崩したの。
「あら、あらら!?」
ドシーーンっ!!
そしてそのまま、大きく尻餅をついちゃったの…!
「「せ、先生!?」」
私とお姉さんが同時に叫ぶ。
「あいたたた~、イヤだ、滑っちゃたわ~。…羊水で床が濡れてたのね。あいたたた」
「「先生、大丈夫ですか!?」」
私もお姉さんも、保健の先生を助けたいんだけど、動けないの。
「ええ、大丈夫よ~、…あ、ダメね、ちょっと足をひねちゃったみたい…」
そう言って座り込んだまま先生は左の足首をさすってたんだけど、私からは見えたの。
保健の先生の白衣の腰から下が、どんどん赤く染まっていくのを…!
「たっ、大変っ!…先生っ、出血してるの…!」
「え!?…あ、あらあらあら、ホントだわ、これは大変…!今の衝撃で胎盤がはがれたのね…」
ここへ来て初めて先生が慌ててる。
「あ、でも…っ、痛っ、イタタ…っ!…一緒に破水もしたみたいだし…、陣痛もきてる…っ、あいたたたたっ!!」
「すぐに分娩できれば、赤ちゃんは大丈夫…っ、帝王切開でも…っ…いた、いだだだだだぁああっ!!」
先生は脂汗びっしりでその場にうずくまったまま白衣のすそを握り締めているの。
すぐに分娩できれば大丈夫…、じゃあ、時間が掛かったら赤ちゃんが危ないってことだよぉ…!



投稿日 : 2009/08/10 04:49 投稿者 : 出産子

「先生!私が保健室まで行って助けを呼んできますから!」
さっきまでぐったり座り込んできたお姉さんがすっくと立ち上がったの。
「神沼さん、あなたは先生を励ましてあげてて!!」
そう言って双子の赤ちゃんを抱えて、物凄い勢いで教室を飛び出して真っ暗な中駆け出していったの。
私はその迫力にびっくりして、ぽかんと見詰めるしか出来なかったの。
お姉さん、さっき赤ちゃん産んだばっかりなのに、凄いの…。
「…あ、あの子ったら…、危険な産婦の為に…我が身も省みずに…、もう立派な助産師ね…っ、いだだだぁっ!!」
私は保健の先生のその声で我に返ったの。
「あ…、ほ、保健の、せんせ…っ、しっかり…っ!すぐに、助け、が…っ!!…あ、ぁああん゛っ!!」
「か、神沼さんも…ありがとう…先生は大丈夫よ…痛たたたぁあっ!」
「…先生ねぇ、13年ぶりの、出産で、11人目の子供なのよ…っ!あ゛ーーー、いだだだっ!!」
「ひ、久しぶりの陣痛だけどっ、やっぱり痛いわ~っ、…ぅうう~~ん゛っ!」
先生は気を紛らすためか、私を不安にさせないためか、苦しみながらもお喋りを続けたの。
「ぅうううーーんっ、ハッハッハ…、ううーーんっ、…べ、ベテラン産婦の、つもりだったけどっ、ぁああ~~~っ、痛いぃいい゛っ!!」
「と、歳を取りすぎるとっ、体力、無くなって…、ハァハァ…、ダメねっ。ぐぅううーん…っ!」
先生はその場で足を大きく広げて手を後ろについて仰け反るようにして息んでいるんだけど、息が続かなくて長く息めないみたいなの。
「せ、先生…っ、頑張って…っ、い、痛っ、…ぅ、う゛んんんーーーーーー………っ!!」
私も先生に負けないように必死に息むの。
先生のことも心配だけど、私も自分と、産まれてこようと頑張ってるお腹の赤ちゃんのことだけで精一杯なの…!
「そ、そうよ…、神沼さん、息むの、上手よ…はぁはぁ…ぅうーんっ、…はぁはぁはぁはぁはぁはぁ……っ、んん゛…っ!」
「神沼さんは、まだまだ若いんだから…、はぁはぁ…、体力、あるうちに、…いっぱい…産んどくのよ~…、ぁあ゛~っ、苦しぃい~……」
保健の先生は、だんだんぐったりしてきて、とうとう仰向けに倒れこんじゃったの!
「せ。先生!しっかり!しっかりしてくださいなの~~!」
保健の先生が大変なんだけど、私も自分の身体が痛くて痛くて大変なの。
お腹も、腰も、足も、頭も、腕も、叫び続けた喉も全部、もう痛くないとこなんてどこにもないの。
体力あるうちにいっぱい産んでって言われたけど、私はこの子を無事に産んだらしばらくは出産なんかしたくない気持ちなの。
もちろん女のこの義務だし子供は可愛いからまた出産するけど、次はもっともっと大人になってからがいいの…!



投稿日 : 2009/08/10 04:50 投稿者 : 出産子

私と保健の先生、暗い教室に2人っきり。
陣痛と不安に耐えながら、それはすごくすごく長い時間に思えたけれど、本当はきっと10分もないくらいだったの。
暗い廊下の向こうから、ガラガラと何かを転がすような音と大勢の人が走る足音が聞こえてきたの。
そしてその音は、私がいる、中等部の一年生の教室の前でピタリと止まったの。
「先生!大丈夫ですか!」
「帝王切開と輸血の準備できてますから!」
「すぐに運びますから、もうちょっと頑張ってください!」
白衣を着た三人の先生(たぶん助産師さんと、看護士さん)が、大きな声で話しかけながら持ってきたストレッチャーに保健の先生を乗せて、
来たときと同じ勢いであっという間に運び出したの。
まるで嵐のような出来事に、私はまたぽかんとするしかなかったの。
教室に残ったのは、私とお腹の赤ちゃんと、耳が痛いほどの静けさ…。
寒い…、寂しい…!
でも、今度こそ一人きりになってしまったことに気が付いて泣き出す前に、私にも救いの手が差し伸べられたの。
「えーと、神沼さん?いるかしら?」
ジャージ姿の知らない先生が、私のことを迎えに来てくれたの…!
「い、います~っ、…た、助けて、くださいぃい~~…!」
「あ、良かった。先生が保健室に連れて行ってあげるからね、安心していいよ」
「はい…っ、お願いします…ぅうっ、ふぅううーーーんっ!」
ジャージの先生は車椅子を持ってきていてくれて、床に座り込んでいる私の隣にそれをおいてブレーキを掛けたの。
「さて、車椅子に座れるかな?ほらっ、肩に捕まって」
「はい…、す、すみません…、ぅく…っ!…い、痛…っ!!あう゛っ!!」
先生に肩を貸してもらったんだけど、立ち上がるために足に力を入れて踏ん張ると、赤ちゃんの頭が挟まってる腰が猛烈に痛んだの。
「イタッ!痛いいたい、腰が…!無理です、こ、壊れちゃう…!」
「ゴメンねもうちょっとだから。はい、ここ座って」
「ぁあああ…っ、いたい…!ぅう…凄く、痛かったの…!…先生、私の腰の骨が、きっと折れちゃったの…!ぅう~~っ」
「あはは、ダ~イジョウブよ。さっ、行きましょうか。保健室に出~発♪」
先生は私の両足もきちんと足を乗せるところにおくと、車椅子を押し始めたの。
自分ではとても歩けないと思ってたから運んでくれるのは助かったけど、足を閉じて椅子に寄りかかってる格好はお腹が圧迫されて苦しくて辛くてたまらないの。
保健の先生を運んだようなストレッチャーが良かったんだけど、そんな贅沢言ったら怒られちゃうかな…。
「ハァハァ…、ぅううう゛う゛ーーんっ、はぁ…、く、苦し…っ、い、痛いぃいい゛…っ!!」
私は少しでも楽な姿勢になりたくて、足を椅子の幅いっぱいに広げて、お尻をずらして上半身を傾けたんだけど…。
「あっ、ダメよ神沼さん、車椅子から落ちちゃうから。暴れないでちゃんと座ってって~」
…先生にきちんと座らせな直されちゃったの…。
「先生~、せんせ~~っ、も…、私、ダメです、痛いんです~、…あっ、ぐぅううううーーー…っ!!」
「あ、ほらダメダメ、こんなとこで産まれたら困るから、もう息まないで。保健室着くまで呼吸法で逃してて」
…赤ちゃんの頭の先っぽがもう見えてて発露なのに、今更息み逃しなんて辛すぎるの…!
「ハッハッハッハ…っ、…す、すみませ…っ、…ぅうっ、…ハッハッ、はぁはぁはぁあはぁああ…っ!!」
でも私は、先生の言うことを聞くしかないの…。
「そうそう、その調子~♪…ところで神沼さん、あなた12歳になったばっかりなんですってね」
「…は、はい…っ、…ハッハッハ…、はぁあああっ!!」
「私この学校の出身でね、あ、今は高等部の教師やってるんだけど、」
「もう10年前かな~、13歳8ヶ月で出産して、この学校の初産最年少記録保持者だったのよ」
「長いこと記録破られてなかったんだけど、まっさか12歳とはね~!いや~最近の小学生は進んでるわ」
そ、そうだったんだ…!この先生が…!



投稿日 : 2009/08/10 04:52 投稿者 : 出産子

「…せ、先生…ッハッハッハ…、初産、…とき…は…?…はぁっはぁ…っ!!」
私は、子供のときに出産したというこの先生に親近感を覚えて、そのときの様子が知りたくて質問したの。
こんなに苦しいのが自分だけじゃないって分かれば、少しは頑張る力になりそうなの…!
「あ、私の初産のとき?えっとね、学校で期末テスト中にな~んかお腹痛いかな~って思ってたら、スポーンと産まれてたわ」
「椅子に座ったままパンツ脱ぐ暇も無なくって、スカートめくったら赤ちゃんが股の間にいたからビックリしたわ、あははは」
…どうやら先生は、凄く安産だったみたいなの…。
じゃあなんで私はこんなに辛いのかな…。
ちょっと安産の神様を恨みたくなったの…。
「だから神沼さんも、心配すること無いって☆私は高校時にも一人産んで、今は三人目の妊娠が分かったところなのよ~」
「神沼さんなんか私より初産早いんだから、在学中に三人は産めるわね。…さ、保健室着いた♪」
三人とか絶対無理なの…、そんな恐ろしいことを言われて返事も出来ないまま保健室の奥の分娩室まで行くと、
分娩室のさらに奥から赤ちゃんの大きな産声が聞こえたの。
急に明るいところに着たので眩しくてよく見えないけど、きっと先についていた保健の先生の赤ちゃんなの!
「先生、元気な男の子ですよ、おめでとうございます!」
「ありがとう…、さすがにこの子で最後だわ…」
あ、保健の先生の声も聞こえる、無事だったんだ、良かったぁ。
「さっ、残るは神沼さんのみね。あいてる分娩台はあるかな~」
目が慣れてくると、そこは沢山の分娩台がならんだ分娩室。
でも今は半分くらいの分娩台が埋まってって、カーテンで仕切られていて個室になっていたの。
きっと先に出産した先輩達がそのまま身体を休めているのね。
きっと私の担任の先生や、助産師お姉さんも…。
「ここでいいかな」
私は真ん中に一つ空いていた分娩台を使うことになったの。
先生の肩を借りて痛みに耐えながら、どうにか分娩台によじ登った。
それは電動で角度なんかが変えられて、分娩台にもベッドにもなるような最新のもので、スプリングも適度に効いているの。
教室に運ばれてきた分娩台より、凄く居心地がいいの。
今はベッド状態のそこに横になって私はほっと一息ついたのだけれど、まだこれから最後の大仕事が待っているの…。



投稿日 : 2009/08/17 04:18 投稿者 : 出産子

「さーて、残るはあなた一人ね」
「えーと、一年の神沼明里さん、で間違いないかしら?」
また新しい先生がやってきて、カルテ見たいの見ながら話しかけてきたの。
「は、はい…っ、そ…ですぅ…!…センセ…っ、助け、てっ、ぅ、ぅううーっ!」
分娩室に残っていた先生や助産師さんたちが、全員私のほうへ集まってきたの。
5人か6人か…、分からないけど、きっと他の先輩達の出産を手伝っていた先生たちなの。

『いやー、やっとこの子で最後ですね』
『もう、昨日から寝て無くって参ったわ~』
『ほんと、新学期早々出産ラッシュなんてね』

先生達同士でお喋りしているのが聞こえてきたの。
そっか…、一番時間が掛かった先輩が27時間とか言っていたから、それに付き合っていた先生達もきっと休む間なんか無かったに違いないの。
先生達も頑張ってくれてるんだから、私ももうちょっとだけ頑張るの…。
「じゃ、神沼さん、赤ちゃんの様子を知るために、ちょっとお腹に機械つけますからね」
「食事も摂っていないようですし、体力が心配なんで点滴も入れましょうか」
「あと、酸素もお願いします」
…私の了解を得る間もなく、先生達は私の身体にどんどん色んな機械を取り付けていくの。
凄く手馴れてる気がする。
でもちょっと事務的な感じがして、寂しい気もするの…。
点滴の針は痛かったけれど、酸素マスクをしてもらって息が凄く楽になったの。

「じゃあ神沼さん、始めましょうか」
私の体の準備が出来たのか、先生がやっと声を掛けてくれたの。
「…は、は…い…っ!」
私は返事をするのが精一杯なの。
「ちょっと身体起こすからねー」
電動で、ベッドのリクライニングが持ち上がっていくの。
それだけじゃなくて、足の部分も膝を立てるように曲がっていって、そしてびっくりするくらい大きく開かれていったの。
もちろん、ベッドに乗せていた私の両足も一緒に開かれて、カバーを掛けられて、やっぱりそのまま固定されちゃったの。
(く、苦しいの…っ)
ただのベッドが、ボタン一つであっという間に出産の介助がしやすい形の分娩台に変形したの。

私の足の間には、2人の助産師さん。
私の両脇と頭の方にそれぞれ先生と、看護士さん。
ここまで連れてきてくれた高等部のの先生もいる。
他にも、何か器具を用意したり機械を見ている先生たち…。
きっと今この学校にいる先生達全員が、私の出産に集中しているの。
クラスメイトの前での出産ではなくなったけれど、これはこれで、大勢の大人の人に囲まれて恥ずかしいし、怒られそうでちょっと怖いの…。



投稿日 : 2009/08/17 04:21 投稿者 : 出産子

「神沼さん、陣痛が来たら合図しますから、息を吸って、長く強く息んでね」
「吸ってー、吐いてー、吸ってー…、はい、息んで!」
機械と繋がったモニターを見ながら、助産師さんが合図をしてきたの。
「すぅうう~、はぁああ~、…うっ、ぅううう…っ、ぁあああああああーーっ!!」
助産師さんの合図はホントに陣痛ぴったりで、私は言われたとおりに必死に息んだの。
「声出さないで!もっと強く長くよ!…はい次、…息んで!」
「すっ、すみませ…っ。…ぁぅうっ!…ふぅうううううーーっ、ぅんんんー……っ!!」
「そう!その調子!」
「ハァッハァッハァッ!!…は、はい…っ、ッハッハッハァア…ッ」
椅子に座ってる助産師さん、やっぱりちょっと怖いの…。
分娩台には頭の上や腰のあたりに握るところが幾つもあったので、私はもう死に物狂いでそこにしがみ付いたの。
「神沼さ~ん、息むときには自分のお臍の辺り見てみて~」
「陣痛が無いときはリラックスよ☆」
「もっと、押し出すように意識して息んでみるといいかも!」
先生達が励ましてくれるんだけど、あちこちから色んな指示が出てきて、もうわけが分からないの。
「あぁああ~~、痛い…っ、苦しいよぉお…っ、…ううう…っ!」
「ほら休まないで!赤ちゃんも頑張ってるんだから!……はい、息む!」
「ふぁあ、ぁああん…っ、んぅううううーーー……っ!…うう゛ーーー…っ!!」
私はもう泣きながら、助産師さんに言われるままに息み続けたの…。

…教室で陣痛に耐えながら子宮口が開くのを待ってるときが、痛みのピークだと思ってたの。
でも違ってって、息み始めて赤ちゃんの頭が産道を通って降りてくるときが、この世で一番痛いことだと思ったの。
横になって腕だけが出てきた赤ちゃんを押し戻されたときは、もう死ぬと思ったの。
陣痛が始まってからずっと、それぞれそのときが、もうこれ以上は無いだろうと思うほど痛かったんだけど、とんでもなかったの。
出産の痛みは私の想像なんか及びも付かないほどだったの…。
でもきっと、赤ちゃんの頭が私の膣口から外へ出ようとしてる今が、本当に一番痛くて辛いときに違いないの。
でないと、私死んじゃうの。
もうこれ以上の痛みになんか耐えられないの!

「ぅうううう゛ーー……っ!…はぁああっ、ぁああ~~~っ!!」
「声出しちゃだでしょ!声を出す力も全部、息むエネルギーにするの!」

怒られながらも、私なりに頑張ってるんだけど、もう疲れて、手も足も、感覚が無くなってきたの。
お腹と股間だけが燃えるように熱くて痛くて、私の身体と存在全てがもう痛みだけになっていくみたいなの…。



投稿日 : 2009/08/19 03:50 投稿者 : 出産子

「はぁ。駄目ね~、出ないわ。今時間は?」
「もう日付が変わります」
「カルテによると、陣痛が始まって17時間ほどですね」
「初産としては問題ありませんけど、母体が幼いのが気になりますね~」
「もういっそ切ってしまった方が…」
「私は、このまま行けると思いますけど」

先生達が、私の足の方に集まってなにか相談してるのが見えるの。
もうどれくらいの時間ここで息んでいるか分からないけど、私の赤ちゃん、まだ産まれないのかな…。
私の腰には赤ちゃんの頭がズッポリはまりこんでて、狭い出口を限界まで押し広げているのが分かる。
「…ハッ…ハァ…ッ、痛い…苦しい、よぉ…っ、ぅうう゛う゛…っ、…ママァ……」
私は疲労で震えが止まらない身体でヒックヒックと泣きじゃくりながら、その様子をぼんやり眺めていたの。

「母体の体力を考えても、これ以上息んでもお産は進まないのではないでしょうか」
「この状態で時間が掛かると、胎児にも心配が~」
「そうですね、……分かりました。ではもう引っ張り出しましょう。鉗子と会陰切開の準備を」
「はい」

何か話がまとまったみたい。
先生達がそれぞれ色んな準備をしているの。
相変わらず、出産している当事者の私にはなんの相談もないけど…。
「じゃ、神沼さん。これ以上お産が長引くと母子共に危険なので、鉗子分娩に切り替えます。いいですね」
「…は、はぃい゛い゛…っ、…ぅ、ぅううう゛~~!!」
カンシ…分娩…?とか聞いたことなくて、何をされるか良く分からないけど、とにかくこの苦しみを終わらせてくれるなら、もう何だっていいの!
「では切開しますから、動かないように」
切開…?
あ、そうか、きっと保健の先生の時みたいに、麻酔して帝王切開して取り出してくれるんだ…!
お腹切るのはちょっと怖いけど、もう息まなくていいの、良かったなの!
そう思って安心して嬉しくてまた涙が出てきたんだけど、たっぷりの消毒液で消毒されたのは、赤ちゃんの頭が出掛かっている私の股間だったの。
「…えっ!?」
アルコールでソコが熱くなったのに釣られて慌てて顔をあげると、大きなお腹の向こうで私の股間を睨み付ける様に見ている助産師さん。
その手には、ハサミが握られていたの。
「ハァハァ…っ、え…、切る、って…、はぁ…っ、え、…ぇええ!?」
戸惑う私にお構いなしに、助産師さんは私の股間の、大事な女の子の部分にハサミを当てて…。
ジョキン!
…実際には聞こえなかったそんな音が、私には聞こえた気がしたの。
その途端、赤ちゃんの頭で押し広げられていたソコの圧迫感が楽になって、サーっと、何かが流れ出てお尻を濡らす感覚…。
…血が流れてる…、私の大事なところ、切られちゃった…?
見えないけれどそう認識した瞬間、ソコが熱く、ビリビリと、傷口が猛烈に痛み出したの。
「い、痛ぁああーーーーっ!やっ、ヤダ!…あ、あそこ、切…っ、うそぉ…っ!?…いやぁああ~~~っ!」
信じられないの…!
そんなところ切っちゃうなんて、そんな知識私には無かったし、今まで一度も考えたことも無いことだったの。
担任の先生も、助産師のお姉さんも切ったりしてなかったの。
出産のときにアソコを切るって、普通のことなの!?
麻酔だってしてないし、私が子供だからなの…?
大事なところ切られちゃって、私、傷物になっちゃったの…、もうお嫁に行けないの…!
「ぁあ、ああ~~~ん、やぁあ~~、痛いの~~~っ、わぁああ~~~」
自分の身に起こったことが信じられなくて、私はワンワン、それこそ子供みたいに泣き出しちゃったの。
「これから母親になる人が、これくらいのことで泣かないの!」
「あとで綺麗に縫ってあげますから大丈夫です。…次、鉗子を頂戴」
…また怒られちゃったの…、あ、でも今『カンシ』って言って…。
助産師さんに渡されたのは、金属製の、銀色の大きなスプーンみたいのだったの。
サラダを取り分けるときに使うような、それより大きくて、スプーン二つをあわせてハサミみたいになってる。
助産師さんはそれをばらして一つずつのスプーンにすると、迷うことなく私の膣の入り口に押し当てたの。
さっき切られて、広げられちゃったところ…、…え、まさか、入れる、の…?
そんな大きな金属を、私の膣のなかに…?
「い、いやぁあ~~~、やめて…っ、無理ぃい!…怖い、怖いのっ!……ママっ、ママァーーーーっ!」
信じられない、信じられない!そんなの入るわけないの!
普段なら指くらいしか入らないくらい狭いところが、ただでさえ赤ちゃんの頭でいっぱいいっぱいなのに!
私は怖くてどうにか逃げ出したくて、足を踏ん張って上にずり上がったんだけど…。
分娩台に乗せられた私に、逃げる術なんて無いのは分かりきったことだったの…。
「暴れないで!暴れると怪我しますよ。…手が空いてる人で身体を押さえて!」
結局私は、先生数人掛かりで身体を押さえ込まれちゃたの。
「ひぃいい~~、ひぃいいい~~~…っ」
そのまま私は、恐怖で身体を強張らせながらそのときを待ったの…。



投稿日 : 2009/08/20 04:34 投稿者 : 出産子

それはあっという間のことだったの。
ズブブブブッ!
助産師さんの手が私のアソコを触る感覚があったかと思うと、大きなスプーンが私の膣に滑り込んできた。
右に一つ入ったかと思うと、間を置かずに左にも一つ。
ほ、ほんとに入っちゃった…!
あんなに大きくて硬いものが二つも…!!
きっと赤ちゃんの頭をしっかり挟み込むように掴んでるの。
さっきまでは赤ちゃんの頭を、硬いとは言っても人間の肉体の柔らかさをを感じていた膣に、今あるのは金属の硬質な感覚。
暖められていたようで冷たくは無かったけれど、その無機質な感覚に私の全身に鳥肌が立ったの。
「…ふ………ぅう…っ、……う、ぅ………っ、…ひ………っ…!」
ちょっとでも動いたら、金属のスプーンで私の膣が中から切り裂かれてしまうような気がして怖くて怖くてたまらないの。
私は歯を食いしばって耐えてることしか出来なくて、もう押さえられていなくても身じろぎ一つ出来ないの…!
脂汗が次から次から流れ出て、体中シャワーを浴びたみたいにビッショリ濡れてるの。
涙を流しながらブルブル震えている私にお構いなしに、助産師さんは私の足の間でカチャカチャと何かしているの。
でもその音はすぐに止んで…。
「こちらの準備は出来たわ。じゃ、先生方、合図をしたらお願いします。神沼さんも合図したら息むのよ!いいわね!」
大きなお腹の向こうから、助産師さんが呼びかける。
他の先生が私の両足を分娩台から外して、それぞれ抱え上げて、180度以上、お腹に付くほど大きく広げて押さえつけたの。
そうして一人の先生が腕を肘から90度曲げて、私の胸の下、お腹膨らみ始めのところに押し当ててスタンバイ。
他の先生も、股間を覗き込んだり私の身体を押さえたりしながら、助産師さんに集中して合図を待ってる。
私はどうしたらいいのか分からなくて、とにかく怖くて怖くて、腕を伸ばして頭の上のレバーを握り締めた。
点滴をしている腕が痺れてきて、だんだん感覚が無くなってきたの…。
「では、…、1、2、3っ、はい押して!息んで!!」
「…え、……ぁ…ーーーーーっ!?」
その合図で、物凄い力私の下半身に掛けられたの。
「あ、あ、あ、あ…っ!」
多分…、助産師さんが全体重をかけて私の中に入れたカンシを引っ張ってる。
赤ちゃんの頭をカンシでしっかり挟んで、赤ちゃんの頭ごと、外へ引っ張り出すように。
お腹を押さえて構えてた先生は、合図と同時に思いっきり腕に力を入れてお腹を押したの。
出口へ向かって、赤ちゃんを押し出すように。
なんか、残り少なくなった歯磨き粉を無理やり搾り出してるみたいなの…。
瞬間的に閉じようとしてしまった両足も、限界以上に広げられて、間接が外れちゃいそう!
ううん、間接だけじゃない、腰ごと外れて、身体が、壊れちゃう…!
「…ぅ、ぅわあぁああああっ!!」
私は首を左右に大きく振って、涙が飛び散ったの。
「神沼さん!声出さないで息んで頂戴!…ほら、もう一度!1、2、3っ!」
合図と同時に、またぐぅう…っと物凄い力が掛かる。
身体ごと引っ張られて、お尻が分娩台に押し付けられたの。
「…ぁううっ、…ぐ…ぅううううーーー……っ!!」
私は息むことなんかとても出来なくて、せめて声を出さないように首を捻って枕に噛み付いたの。
酸素マスクが外れてまたちょっと息苦しくなったんだけど、それどころじゃなくて、とにかく耐えるだけで精一杯なの。
早く終わって、早く終わって!って祈りながら一生懸命我慢するの。



投稿日 : 2009/08/20 04:35 投稿者 : 出産子

骨盤が、ギシギシと音が聞こえてきそうなほど押し広げられてる感じ。
まるで、難しい知恵の輪を無理やり外そうとしてるみたいな…。
きっと私、赤ちゃん産めても、身体がバラバラになって、二度と歩けない身体になるに違いないの。
それどころか、死んじゃうかもしれない!
命と引き換えに、赤ちゃんを…!
やっと12年生きたところだったのに、駄目なママでゴメンね、赤ちゃん…。
…赤ちゃん、力いっぱい引っ張られてる赤ちゃんの頭、取れたりしないよね。
大丈夫だよね…!?
私だけじゃない、赤ちゃんも死んじゃったらどうしよう!
…やっぱり怖いの…、自分と赤ちゃんがどうなるか分からなくて、怖くて怖くてたまらないの…!
誰か、助けて、大丈夫だって言って、私を励ましてよぉ。

私はギュッと瞑っていた目を必死に開けて、助けを求めるように先生達の姿を探したの。
見えたのは、先生達の背中…。
「誰か、手を貸して。一緒に引いて!」
「何か、引っ掛かってますねー」
「もっと強く押して頂戴!」
「ソコ、広げられますか」
「これくらいで…、よいしょ…っと…」
全員で寄ってたかって、私の下半身に集中しているの。
赤ちゃんの命、掛かってるから仕方ないよね…。
でも、でも、痛い思いしている私のことも、気づいて欲しいの…!
寂しい…、怖い…!
それに、身体をいじられる死にそうな痛みに耐えるのも、もう、もう、限界…なの!!
「…い、痛ぁああああああぃいっ!痛い痛い!いたいのぉおーーーーっ!!」
私は学校中に響き渡るような大声で叫んだの。
「…!神沼さん、また…!」
「そっちはいいわ。とにかく、今はこちらに集中して」
先生達はもう、私に構うどころじゃないみたいなの。
「いたいいたいっ!助けてっ、誰かぁあ!ぁああーーっ!いやぁあああああっ!!」
泣き叫ぶ私にお構いなしに、身体をいじり続ける先生達…。
出産て、まるで地獄の拷問みたいなの…。
「ぎゃぁあああーーっ、死んじゃうのーーーっ!いたぁあいいい゛い゛ーっ!」



投稿日 : 2009/08/20 04:39 投稿者 : 出産子

「…頑張れ…」
「…大丈夫よ、頑張って…」
「…もうちょっとよ…」

…え…?
泣き叫ぶ私の耳に、優しい励ましの声が聞こえたの。
凄く小さくてささやくようだけど、はっきり聞こえた…。
どこから…?
「頑張って」
聞こえた…、個室に仕切られた、カーテンの向こうから…?
私の分娩台のところはまだカーテンが引かれてないから、分娩室の様子が見渡せる。
分娩室のほかの分娩台では、先に出産した先輩達が身体を休めているはず。
私が騒いでるから、起こしちゃったの?
姿は見えないけれど、個室に仕切られたカーテンの向こうから先輩達が励ましてくれてるの!
「…せ、先輩、達…っ」
嬉しくて私の身体の緊張が少し解けたそのとき、腰に、まるで大きなハンマーで思いっきり殴られたようなもの凄い衝撃が走ったの。
「……ひぎっ!?」
あまりのことに、何が起こったか理解できないの。
ただ、心臓がまるで100メートルを全力疾走したときのように大きく鼓動して、ゼイゼイと息をすることしか出来ない。
肺は破れそうで、心臓は口から飛び出しそうなの…!
「よし、やっと頭出たわ!」
「あ、臍緒絡んでたんですね」
「あとは、このままいけそうね。あ、先に吸引してくれる?」
先生達が何か言ってるけど、頭がくらくらしてよく聞き取れないの。
「ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァ…ッ!!」
上半身が跳ねるような勢いで、私は酸素を求めて必死に息をし続けるの。
下半身は、何かと一緒に左右に揺さぶられてるみたい。
「そうそう、肩を外して…」
「神沼さん、そのまま短く息をしててね。上手よ~」
ズルズルっと、何か柔らかく大きなものが膣を擦りあげる異様な感覚に、鳥肌が立ち身体が大きくブルりと震えたの。
「はい、出た~」
その途端、腰や股間にあった圧迫感が、全部すーっと消えたの…。
「はい、おめでとー。午前2時53分、五体満足な女の子の誕生よ」
「はぁっ、はぁ、はぁ、はぁ…、はぁ……、…?」
ぐにゃっとしたものが、私のお腹に乗せられたの。
「…はぁ……、…え……?」
私は目の前の状況を理解するのに随分時間が掛かったの。
血まみれの生き物が、小さな手足を動かしながらこっちを見てる…。
「…私の、…赤ちゃん……?…私の、お腹にいた…」
「そうよ!神沼さんの第1子ね。小さな身体で頑張ったわね~、えらかったわよ」
やっと助産師さんに褒められたんだけど、それよりも気になることがあって、それどころじゃないの。
私の赤ちゃん、頭が細長くつぶれて、変形してるみたいなの…!

…私はショックでそこで力尽きて、気を失うように眠りについたの。
赤ちゃんの元気な産声を、遠くに聞きながら…。



投稿日 : 2009/12/13 06:15 投稿者 : 出産子

夢も見ずにぐっすり眠って、私の意識はふっと浮かび上がったの。
あ~。朝なの、今日は目覚ましより早く起きれたの~、と思って、まだ目を瞑ったままいつものようにお腹の赤ちゃんに挨拶しようとしたの。
赤ちゃんに語りかけるように大きなお腹をゆっくり撫でようとしたら…、そこは…、はちきれそうだったお腹はベコンと凹んでいたの…!
「あ、赤ちゃんがいないのっ!!」
私はびっくりして、大きな声で叫びながらやっと目を覚ましたの。
そしたらそこは、見慣れた自分の部屋じゃなくて、真っ白な天井の、知らない場所だったの…。
起きたら赤ちゃんはいないし、知らない場所にいるし、私はパニックを起こす寸前だったんだけど…。
「明里(あかり)ちゃん、目が覚めた?」
私の名前を呼ぶ優しい声が聞こえて、頭だけを動かしてそちらを見ると、そこにいたのは私のママだったの!
「ま、ママ!?…わ、私、どうして…、あ、赤ちゃんは…!?」
ママに話しかけた私の声は、まるで一晩中大きな声で叫び続けたみたいにガラガラにかすれていたの。
「そうよ、明里ちゃん、あなた赤ちゃんを産んでママになったのよ。よく頑張ったわねぇ、側にいられなくてごめんね?」
ママにそう言われてやっと思い出したの。
そうだったの、私、昨日の夜に学校で赤ちゃんを産んだんだったの!
そう思い出した途端、私の身体にあらゆる痛みがぶり返してきたの。
「い、イタタタ…。身体のあちこちが痛いの~」
ベッドに横たわった身体は全身が筋肉痛で腕も上がらないの。
ずっと大きく開いていた足は付け根が取れそうに痛いし…。
それに…、赤ちゃんが出て行って凹んだお腹が、まるで陣痛みたいにギュ~って痛むの。
何だろう、これ…、何もかもが初めてで良く分からなくて、ちょっと不安なの…。
「ママ…、お腹が痛いの…。まるで陣痛みたいなの…っ」
「ああ、それは後陣痛よ。大きくなった子宮が、もとの大きさに戻ろうとして収縮を繰り返してるの」
「2~3日で痛みは軽くなるから、心配いらないからね。我慢できないくらいだったら、痛み止めのお薬もらってくるけど、どうする?」
そうなんだ…、子宮も大きく膨らんで、ずっと赤ちゃん護ってくれてたもんね。
子宮もお疲れ様なの。
それに、ママに聞いたら、不安もどっか行っちゃったの!
「うぅん、結構痛いけど…、我慢できるからお薬は要らないの。ママ、ありがとうなの」
どう致しましてと、ママはにっこり笑って、お腹を優しくさすってくれたの。
ママの暖かい手でさすってもらうと、痛みがスーッと引いていくみたいなの。
ちっちゃい頃から大好きだったママの優しい手、だいすきなの。
このままず~っと、ママに甘えていたいの…。



投稿日 : 2009/12/13 06:15 投稿者 : 出産子

「そうだ、明里ちゃん。赤ちゃんにオッパイあげてみようか」
そう言ってママは、ベビーベッドから赤ちゃんをそっと抱き上げて渡してくれたの。
ちっちゃくて柔らかい、可愛い赤ちゃん。
でもやっぱり、頭が細長く歪んでて、出産直後に見たのは、夢じゃなかったの!
「マ、ママ…!これ…、赤ちゃんの頭が…!」
「あ…、これね…。赤ちゃんの頭が出るのにちょっと時間が掛かったら変形しちゃったの」
「でも時間が経てば、ちゃんと元にもどるから。心配しなくて大丈夫よ」
「…そうだったんだ」
ママに教えてもらったけど、赤ちゃんの体重は3,150gだったの。
あんなに大変で難産だったから物凄く大きいんだと思ってたけど、全然そんなことはなくて、ごくごく標準的な赤ちゃんだったの。
やっぱりママの私がまだ12歳で子供だから、出てくるのが大変だったのかな…。
私も苦しかったけど、赤ちゃんは私の股の間の凄く狭いところにずっと挟まってて、きっともっと苦しかったの。
妊娠したときは気楽に考えてたけど、出産って私みたいな子供が耐えられる限界を超えてると思うの。
赤ちゃん一人産んで義務は果たしたから、もうこれで中高は卒業できるの。
だから、もし次に赤ちゃん産むなら、もっともっと大人になってからにするの。
絶対、絶対になの!
子供のまま、またこんな激痛を伴う辛くて苦しいことを経験するなんて、もう絶対に無理だしイヤなの!

「ゴメンね、赤ちゃん…」
謝りながら、私は胸元を肌蹴て(いつの間にか入院着みたいのに着替えさせられてたの)赤ちゃんにオッパイを飲ませようとしたんだけど…。
赤ちゃんの首はゆらゆらするし、私の胸もそんなに大きくないし、上手くいかなくて難しいの…。
「ママァ…」
涙目でママに助けを求めたの。
「大丈夫よ、始めから上手に出来る人なんていないんだから」
「ママは17歳のときだったけど、明里ちゃんにオッパイ飲ませるの大変だったわ~」
「…フフ、そういえば、ママ29歳で、おばあちゃんになっちゃったね」
「ママも手伝うから、頑張って赤ちゃん育てていこうね」
ママは、私と赤ちゃんを一緒にギュってしてくれたの。
「…ありがとう、ママ。私、頑張るね!」



投稿日 : 2009/12/13 06:16 投稿者 : 出産子

それから、一週間、学校の保健室に入院するみたいな感じで過ごしたの。
出産は物凄く大変で絶対死んじゃうと思ってたんだけど、私の身体はみるみる回復していったの。
「やっぱり若いと違うわね~」って、先生達に褒められ?ちゃった。
ちなみに一番痛かったのは、赤ちゃんの頭を出すときに切られちゃったアソコだったの…。
傷を縫った糸が引きつって、痛くて痛くて、座るのも辛かったの。
生理みたいなドロドロの血も沢山出るし、オッパイも凄い力でマッサージされるし…。
出産て産んだら終わりだと思ってたけど、産んでからも痛いことが多くて、なんか、話が違うの~って感じなの。
でもそれは、同じ日に出産して入院してた先輩達も同じだったみたいで、私達は新米ママ同士で凄く仲良くなったの。
そのなかでも一番年下の私は、先輩達に特に可愛がってもらったの。
一年生のクラスメイト達は一度お見舞いに来てくれたんだけど、頭が変形した私の赤ちゃんを見て、ちょっと微妙な反応だったの…。
出産直後のやつれた姿に、ちょっと引いてた感じだし。
なんかちょっと、出産に夢見すぎって感じ?
やっぱり出産を経験したママ友同士じゃないと、分かり合えないとこってあると思うの。
赤ちゃんのお世話の仕方を教えてもらって、アソコの抜糸をしてもらってから、ママの待つ家に赤ちゃんと一緒に帰ったの。

私のオッパイは、AAカップがAカップ位にはなってたんだけど…。
赤ちゃんは頑張って吸ってくれるんだけど、やっぱりちょっと足りないみたいだから、ミルクもあげることにしたの。
でもこれは個人差があって、大人でもあまり出ない人がいるみたいだから、私が子供だからって気にすることはないみたいなの。
本当だったら夜も3時間おきに授乳しなきゃいけないんだけど、夜はママがミルクを上げてくれることになったの。
私は夜もぐっすり眠れて、オッパイが少なかったお陰で、ちょっとラッキーだったの。
ママと一緒に赤ちゃんのお世話をするのは、すっごく楽しいの。
そうそう、私の長女の名前は『陽華里(ひかり)』ちゃんです♪



投稿日 : 2009/12/13 06:17 投稿者 : 出産子

家で三日休んで、出産から十日後、すっかり元気になった私は赤ちゃんと一緒に学校に復帰したの。
義務だから赤ちゃんも一緒に連れていかないといけないんだけど、赤ちゃんを連れた生徒は特別に送り迎えしてくれるから楽チンなの。
十日ぶりの教室はやっぱりちょっと緊張しちゃうの。
「みんな、おはようなの~」
「あ、神沼さん来たんだ、おはよ。…で、それでさ~」
クラスメイトは普通に挨拶はしてくれたんだけど、でもそれだけで、なんか余所余所しいの…。
私が休んでいた十日の間にすっかり女子のグループが出来上がっていて、仲良しを作り損ねた私は浮いちゃってるの…。
陽華里ちゃんの世話があるから、私の席は一番後ろなの。
その所為もあって私はますます孤立しちゃう感じなんだけど、なんだかだんだん、私のほうからクラスに馴染む気が無くなっていったの。
だって皆、凄く子供っぽい…。
皆12歳の中学一年生なんだから子供で当たり前かもしれないけど、すでに妊娠出産を経験して子育て中の私からしたら、
話しも合わないし、ほんと子供に見えてしょうがないの。
だって、まだセックスもしたこと無いようなお子様と、どう仲良くすればいいって言うの?
私もついこの間まであんな感じだったかと思うと、なんか恥ずかしいの。
それに一番子供っぽく見えたのは、私の元彼…陽華里ちゃんの父親。
いまだにカードゲームに夢中のバカでアホなガキ。
小学生の時にあんなのとセックスしちゃったなんて、自分が信じらんないの。
いったいあんなののどこが良かったんだろ…。
あんなガキが私の初体験の相手なんて、恥ずかしくって、誰にも知られたくないの!

クラスメイトをすっかり冷めた目で見るようになった私は、上級生のママ友が集まる保健室に入り浸るようになったの。
そこには中等部だけじゃなくて高等部の先輩達も大勢集まってて、やっぱり一番年下だった私は可愛がられたの。
私から見たら大人な先輩達に囲まれて、私もすっかり一人前の大人の女性気分なの。
学校に行ってもほとんど保健室で過ごしてるってことは、ママにも薄々気づいてたみたいなんだけど、
出産という大仕事を終えたばかりだからって大目に見られて、特に咎められなかったの。
それどころか、家に帰れば「疲れたでしょ」って、ママが陽華里ちゃんのお世話してくれるし、すっかり甘やかされちゃった。

産んだ直後は良いママになるって決意したのに、自分が産んだ赤ちゃんのお世話もろくにしないただの子供に戻っちゃったの。
クラスメイトをあんなに子供っぽいって見下してたのに、結局私が一番お子様だったの…。
…だから、バチが当たっちゃったのかなぁ。



投稿日 : 2009/12/13 06:19 投稿者 : 出産子

大人になったと勘違いしてすっかり調子に乗っちゃった私は、
陽華里ちゃんの世話をママに任せっぱなしで、先輩達に誘われるまま遊び歩くようになったの。
12歳の私が行ったこと無いような刺激的なところに連れて行ってもらったりして。
そして出歩くようになってすぐに、別の高校のママ友先輩に、素敵な男性を紹介されたの。
二十歳の大学生で、背が高くて、私の好きなアイドルに似てる、すっごく爽やかで素敵な人…。
元彼とのあまりの差に、私は彼に一目惚れしちゃったの!
彼もなぜか私のことを気にってくれて、出会ったその日に誘われるままにホテルに行ったの。
もちろん未成年の私はそんなところに入るのは初めてで、凄く興奮しちゃった。
小学生の元彼とは違う、大人の恋愛って感じ。
でも、彼とセックスするのはちょっと恥ずかしい…。
だって、一ヵ月ちょっと前に陽華里ちゃんを産んだばかりでお腹はまだ少し弛んでるし、色気のないガードル穿いてるし。
オッパイは少し大きくなったけど、乳首が黒ずんでてちょっとイヤなの…。
赤ちゃんにオッパイあげるために仕方ないんだけど。
それになにより、出産で酷使したアソコに触られたりするのはまだ抵抗ある感じなの。
いまだに思い出したように血が出たりするしね。
…でも、拒んで彼に嫌われたくなくて…。
いやだったけど、彼の求めに応じてセックスしたの。
元彼のとは全然違う大人のおチンチンは凄く大きくて、それを出産で酷使したアソコに無理やりねじ込まれて痛くて堪らなくて…。
でも彼が、きつくて気持ち良いって言うから、出産の痛みよりはマシだと思って耐えたの。
出産したすぐは妊娠しないからって彼が言うから、避妊せず生でしたの。
彼は、まだ母乳が出る私のオッパイが特にお気に入りで、よくそこを可愛がってくれたの…。

私は年上の彼に夢中になって、言われるままに会う度にセックスしてたの。
でも三ヶ月くらい経って、ただでさえ出の少ない母乳が止まった頃、私、振られちゃったの…。
後から噂で聞いたんだけど、彼は出産直後の女性にしか興奮しない、母乳マニアだったんだって…。
私と彼を引き合わせた別の高校のママ友先輩もそうやって彼と知り合って振られて、でも側にいたくて、他の女の子を宛がい続けてるんだって…。



投稿日 : 2009/12/13 06:20 投稿者 : 出産子

私は色々なことがショックで、初夏の暑さの所為もあって体調を崩して寝込んじゃったの。
気持ちが悪くて、何も食べられなくて、吐いてばかり…。
ママは、夏バテね、育児の疲れが出たのね、って優しく看病してくれるの。
私が彼と遊んでいる間も、何も言わずに陽華里ちゃんのお世話をしててくれた。
何も知らないはずなのに、全てを知って受け入れてくれるみたいなママ…。
私はそんなママを見て、改めてママみたいなママになりたいって思ったの。
ママが私を愛してくれたみたいに、私も陽華里ちゃんを全力で愛するの。
心を入れ替えて、今度こそ、本当になの!

寝込んでいるうちに夏休みになったので、そのまま家で、まじめに子育てしながら過ごしたの。
今年は猛暑だったからなかなか具合がよくならなくて、少し痩せちゃったけど。
新学期になったら、保健室に行くのはほどほどにしてちゃんと授業を受けて…。
クラスメイトとは、まぁソコソコに。
夏休みの間に初体験を済ませた子が何人かいたみたいで、私はちゃんと避妊したのかなって、そんなことを心配してたの。
子供のうちは、絶対出産とかしないほうが良いからね。
秋になって涼しくなってからは食欲が出て、モリモリ食べた私は随分太っちゃった。
でもご飯が美味しくて堪らなくて、夏の分を取り戻すみたいにいつもの倍は食べまくっちゃっの。

でも、クリスマスが過ぎて冬休みになったころ、さすがにお腹周りがやばいかなって思い始めたんだけど…。
私、なんとなく気づきはじめちゃったの…。
このお腹…、ただ太ったんじゃない…。
私、もしかして、妊娠、してる…?



投稿日 : 2009/12/13 06:21 投稿者 : 出産子

…信じたくないの。
年上のあの彼以来、セックスはしてないし…。
確かに避妊はしないで毎日みたいにセックスしまくってたけど、でも、また生理が始まるまで妊娠しないって言われて…。
でも、もしかして気づかないうちに生理が始まっていたら…、悪露だと思っていたのは実は生理だったら…?
私は若いから産後の回復が早いって褒められたの。
いまだに生理が復活しないなって思ってたのは、もうすでに妊娠していたからなの…?
夏に具合が悪かったのは、夏バテじゃなくて悪阻だったの…!?

イヤイヤイヤ!そんなの認めたくないの!
また妊娠したなんて、また産みの苦しみが待っているなんて嫌なの、信じたくないの!
次に出産するのは、もっと大人になってからだって、決めてたのに…!

お腹に赤ちゃんがいるのはもう明らかだったのに、私は信じたくなくてただ太っただけだって思い込もうとしたの。
ぐにゅっと大きな胎動を感じても、気のせいだと思い込もうとしたの。
でも、一度妊娠とを経験した私には分かるの…。
…いや、違う、違う違う絶対に違うの!やっぱり妊娠なんてしてないの…!

私は怖くて怖くて、優しいママに助けてもらいたかったんだけど、でもちょうどその頃、ママが三回目の妊娠していることが分かったの。
家中祝福ムードで、とても言い出せないの…。
それに妊娠初期の大事な時期に、ママに心配掛けたくないの…。



投稿日 : 2009/12/13 06:21 投稿者 : 出産子

結局私は誰にも言えないままに、大きなお腹と恐怖を抱えて毎日を過ごしたの。
悪阻のママを気遣って、陽華里ちゃんのお世話も一人でするようにして。
誰かに気づいて欲しいと思いながらも、お腹を必死に隠しながら…。
私は自分の妊娠を否定しながらも、赤ちゃんの様子を気にしていたの。
いったいどのタイミングで妊娠したんだろう…。
もちろん一度も検診なんかしてないし、食べ物も全然赤ちゃんのことを考えずに好きなものを好きなだけ食べてたの。
陽華里ちゃんの時は毎週検診にいって、食べ物にも胎教にも気を使ったのに。
出産予定日も分からないの。
いつ産まれるんのかな…、怖いよ…。
…でもやっぱり、妊娠は気のせいでただ太っただけかもしれないの…。

厚着していたせいか、その可能性が無いせいか、私の妊娠は学校でも不思議なくらい気づかれなかったの。
担任の先生は、これから妊娠する予定のクラスメイトの教育に熱心だったの。
三月になる頃には、私のお腹はパンパンになっていたの。
陽華里ちゃんをのときよりもう大きいかも…。
一度出産しているせいか、骨盤が柔らかくなっている気がしてがくがくするし、足の付け根も攣るようになったの。
乳首もまた黒ずんできて、身体は、どんどん出産の準備を整えてるの。
でも、イヤ…、出産したくないよぉ…!

少し動いただけでも息切れするようになってきて、私はなるべくじっとして過ごしたの。
もし最初のセックスで妊娠してたら、もう42週はとっくに越えてるの。
ほんとにもう、いつ産まれてもおかしくないの…。
13歳の誕生日は目の前だけど、私まだ12歳なのに…!



投稿日 : 2009/12/13 06:22 投稿者 : 出産子

それは卒業式の前の日だったの。
その日は朝から特に腰が痛くて…。
でも、卒業生を送る準備をしなければならないからサボったりなんか出来ないの。
いつもより少し遅く帰って、ママを心配させないように無理やりご飯を食べて…。
暖かい湯船に浸かったときだけ、少し楽になったの。
明日早く登校するからって言い訳して、ベッドに潜り込んだんだけど…。

「…う…、ぅうん……。…痛い…、おなか、いたいよお…」
腰だけじゃなくて、お腹全体がしくしく波打つように痛むの。
でも、それでも信じたくないの。
これが陣痛かもしれないなんて!
「う…ぅう…ん…っ、…ふ、ぅう……ん…」
布団に包まってひっきりなしに寝返りを打ちながら耐えてたんだけど、どうにも我慢できなくて夜中にこっそりトイレに行ったの。
…ただの腹痛であることを願いながら。
でも洋式便器に座ったとたん、私の股間からバシャっと勢い良く生暖かい水が噴出したの…!
(は…、破水した!?)
…でも違う、きっと違うの!
私は水が滴る股間に生理用のナプキンを当てて、逃げるように部屋に戻ったの。
(…どうしよう…どうしよう…!…あぁあ、お腹が痛い…っ!)
そのまま眠れずに、ベッドの上で痛みにのた打ち回りながら朝まで過ごしたの。

朝はママと顔を会わせないうちに家を出たの。
今日は卒業式だから、陽華里ちゃんは家でお留守番なの。
とにかく誰にもばれないうちにと思って、痛みに何度も足を止めながら必死に学校へ向かったの。
「はぁ…はぁ…、やっと着いたの…、ぅ、ぅう…っ」
でも予想外に、誰もいないと思った教室には、もう登校してる子が何人かいたの。
卒業する先輩のために、寄せ書きしたりしてるの…。
「あれ、神沼さん早いね~。良かったら、先輩宛てに色紙書いて?」
「…う、うん…っ、良いよ~、…っ」
お腹は痛くて堪らないけど、どうにか笑顔を作って誤魔化したの。
そうこうしているうちに皆登校してきて、私は完全に独りになるタイミングを失っちゃったの。
担任の先生も教室へやってきて、朝のホームルームが始まって。
準備が整ってから、全員で卒業式会場の体育館へ移動したの。
もうこの時点で、かなり痛くて堪らなくて、気を抜くと声を出してしまいそうなの。
私は在校生席の一番後ろに座ったの。
私の後ろには、通路を挟んで父兄の方々が大勢座っているの…。



投稿日 : 2009/12/13 06:23 投稿者 : 出産子

卒業式は、高等部と中等部合同で行われるの。
粛々と進む卒業式。
シンとした中、感極まった人たちの啜り泣きがあちこちから聞こえてくるの。
私はとにかく声を出さないように、必死に耐えたの。
(…どうしよう…痛い、よぉ…っ、……じん…つう…、来てて、…痛いよぉお!)
…もうこの頃には自分を誤魔化せなくなってたの。
私は妊娠して陣痛が始まってて破水してて、もうすぐ産まれそうなの…!
(私、出産しちゃうよぉお…!)
私も涙を堪える振りをしてハンカチを口に当てて、荒い息と呻きを誤魔化したの。
でもきっと涙は感激してる所為じゃなくて、激しい痛みの所為…。
少し冷える体育館の中、私は脂汗で全身ぐっしょりになっていたの。
(ぐぅうううーー…っ!…うっ、ぅううっ、ぅうううううーーーっ!!)
痛みが来るたびに息みそうになって、身体がブルブル震えるの。
椅子に座った両足が勝手に開きそうになる。
股間に熱くて大きな塊があるのが分かるの。
羊水はもうナプキンでは受け切れなくて、制服のスカートまで湿ってきてるの。
(…ふうっ、ふうーっ!…あぁああああっ!!痛いぃいっ、いたいのぉおおおっ!!)
きちんと揃えた膝に置いた左手が、強く握り締めすぎて真っ白になってるの。
誰にもばれないように自然に座ったまま、ひたすら耐えて…、もうなぜ我慢してるかわかんなくなるくらい我慢して…。
(ぅううううーーーーっ、んんんーっ、…フーッ、フーーッ!…んぁああああああっ!!)
一時間…二時間…後は、校長先生の長い挨拶だけ…。
でも、でも…!
(…も、もうだめぇええ…っ!)
とうとう限界を超えた私は椅子から降りて、とっさに四つんばいになったの。
すぐ後ろの大勢の父兄にお尻を向ける格好になりながら。
「…あぁあああーーーっ、産まれるーーっ!赤ちゃん産まれるのぉおおーーっ!!」
突然体育館に響き渡った私の絶叫に、全員が驚いてこちらを注目したの。
「―――――――……っ!!」
グッと一息みすると、もうすでに頭が出ていた赤ちゃんは、簡単に私の膣を滑り降りてきたの。
四つんばいで高く上げたお尻から、パンツと一緒にズルズルと落ちていく赤ちゃん。
その瞬間、私は全ての痛みから解放されて、冷たい体育館の床に崩れるように倒れこんだの。
「…はぁあ、はぁあ…、は、ぁ……。…赤ちゃん、産まれたよお…」
「…私、まだ、子供…なのに…、12歳の、間に…、二回、も、…出産、しちゃった…の……」

軽い痛みが来て横になったまま力を入れると、ホカホカと湯気の立つ胎盤が出てきたの。
そして赤ちゃんがオギャーと産声を上げて…。
やっとそこで時間が動き出したように、周りが大パニックになったの…。

全校生徒と、先生たちと、大勢の父兄に見られながら、私、出産しちゃったの…。
信じられない…、恥ずかしいよお…。
…神様、これからはいいママになりますから、…もう出産は大人になるまで、したくないです…。



…でも、出産は女の子の義務だし、ここは『出産school』なんだから、もっと沢山産まなきゃ、ね…?



●●●『出産school』・終わり●●●




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